49ers時代にスーパーボウルで敗れたことは“毎日、自分のモチベーションを高めてくれる”とチャージャーズHCハーボー
2024年02月12日(月) 15:52ジム・ハーボーがスーパーボウルの栄光まであと1勝というところまで迫ってから11年が経過したが、60歳のコーチはいまだに敗北感を拭うことができていないようだ。
ハーボーがヘッドコーチ(HC)として率いていたサンフランシスコ・49ersは、第47回スーパーボウルの後半に、22点差をつけられていたところから這い上がり、試合終了まで残り2分を切ったところで、レッドゾーンで決勝タッチダウンを決めるチャンスをつかんでいた。しかし、ジムの兄であるジョン・ハーボー率いるボルティモア・レイブンズは、7ヤードラインから4回のプレーで49erがエンドゾーンに到達するのを阻止し、フランチャイズにとって2つ目のロンバルディトロフィーを獲得している。
『Associated Press(AP通信)』によると、ジム・ハーボーは現地9日(金)にラスベガスで「あの試合のことや、エンドゾーンまであと(7)ヤードのところまで迫っていた試合の最後に何ができたかを、考えなかった日は1日たりともないと思う」と明かしたという。「そのフィールドを離れて、他の日もあるかもしれないと考える。それから、あの日しかなかったのかもしれないと考えるようになる。もう一度、チャンスが欲しかった。チャレンジしてみたかったのだ」
それこそが、ミシガン大学ウルバリンズを2024年カレッジ・フットボール・プレーオフ・ナショナル・チャンピオンシップに導いたジム・ハーボーが、先月にNFLへの復帰を決めた大きな理由であり、ロサンゼルス・チャージャーズの新ヘッドコーチとして正式に紹介された際に宣言したミッション・ステートメントでもある。
かつて所属していたチームが日曜日に第58回スーパーボウルでカンザスシティ・チーフスと対決するにあたって、ハーボーはプロレベルで自分に足りていなかった点を思い起こしていたようだ。とはいえ、49ersがスーパーボウルに返り咲いたという偶然の出来事が、必ずしもハーボーが野心を燃やすのに必要だったわけではない。
「それが毎日、自分のモチベーションを高めてくれると言ったら、それは毎日だ」とハーボーは述べている。
ハーボーはこの数シーズンで成績不振に陥っている才能豊かなチャージャーズの指揮を執る。スーパースタークオーターバック(QB)ジャスティン・ハーバートが率いるチャージャーズは、プレーオフ進出を狙えるロースターを擁している一方で、哲学的な変化を必要としている状態だ。
今オフシーズンにフリーエージェント(FA)になるランニングバック(RB)オースチン・エイケラーは、ハーボーが救いの手を差し伸べられると信じており、次のようにコメントしている。
「彼に関する素晴らしい点を耳にしている。彼はカルチャーをスタートさせる人だと聞いている。それはまさにあのチームに必要なことだ。俺があのチームにいてもいなくても、チームは自分たちが高い水準を保っていることを確認しようとしている、というのがジムへのメッセージだ。カルチャーとは、自分たち自身に責任を持たせ、他の選手にも責任を持たせるということ。去年はそれが欠けていたと思っているからね」
ハーバートが2020年にNFLデビューしてからチャージャーズがプレーオフに進出したのはわずか1回だ。25歳のハーバートは過去4シーズンのパスヤード(1万7,223ヤード)でカンザスシティ・チーフスのQBパトリック・マホームズとバッファロー・ビルズのQBジョシュ・アレンに次ぐ3位となっており、その間のタッチダウン数(114回)では4位につけている。
チャージャーズはここ数シーズン、フリーセーフティ(FS)ダーウィン・ジェームズやアウトサイドラインバッカー(OLB)カリル・マック、ラインバッカー(LB)ジョーイ・ボサを中心とした素晴らしい守備ユニットを擁してきた。しかしながら、2022年シーズンのスーパーワイルドカードラウンドでジャクソンビル・ジャガーズに27点差を覆されて喫した歴史的な敗北に始まり、2023年シーズン第15週に63点を許して敗れたラスベガス・レイダース戦――この直後にヘッドコーチを務めていたブランドン・ステイリーは解雇されている――まで、ディフェンスの低迷は近年、チャージャーズの悩みの種となっている。
ハーボーは入団記者会見で基礎とタフネスを説いた。ハーボーは、ハーバートにかかるプレッシャーを軽減できるような、信頼できるラッシングアタックを確立し、エイケラーがその一翼を担うことを期待している。
一方、ハーボーは才能豊かなロースターを抱えていることにあぐらをかいているわけではないと明言。その考えは11年前に経験した悲惨な敗北に由来しているのだろう。
「もしうまくいけば、それはオースチン・エイケラーのような選手たちのおかげだ」と語ったハーボーは「オースチン・エイケラーが好きだ。私たちはランゲームに重点を置くつもりで、フロントのブロックを改善しなければならない。彼はとてつもなく素晴らしいランニングバックだし、来年もチームに迎えたい。だが、物事がうまくいけば、それは選手全員のおかげだ。もしうまくいかなければ、それは私がダメな監督で、ダメなコーチだからだ」と続けている。
【RA】