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カウボーイズとの契約は「完ぺきな状況」に見えたが「接触はなかった」とレイブンズRBヘンリー

2024年04月03日(水) 13:11


ボルティモア・レイブンズのデリック・ヘンリー【NFL】

ラッシングチャンピオンに2度輝いたことがあるランニングバック(RB)デリック・ヘンリーは、今オフシーズンに期待していた通り、ボルティモア・レイブンズに向かうことになった。

しかしヘンリーは、自分にとってはホーム――テネシーではなくダラス――にとどまることが理想的な状況だったと認めている。

ヘンリーはダラスに住んでいるものの、ダラス・カウボーイズから声がかかることはなかった。結果的に、ヘンリーはレイブンズと最大2,000万ドル(約30億3,145万円)の2年契約を結んでいる。

最近、ポッドキャスト『The Pivot(ピボット)』に出演したヘンリーは「フリーエージェント(FA)が始まったとき、できることなら(レイブンズと)何かを実現させたいと思った」と語り、こう続けた。

「俺はダラスに住んでいて、動く必要がないから、ダラスが完ぺきな状況だったとしてもね。でも、それと同時に、レイブンズには歴史があるし、プロボウルでレイ(ルイス、元ラインバッカー/LB)と話したときに、組織に対する彼の情熱や彼がそこで与えた影響を知り、それを話す彼の様子を見た。そこで俺はテネシー(タイタンズ)に戻れなかったり、ダラスに行けなかったりしたら、レイブンズの一員になりたいと思ったんだ」

現在、正式にレイブンズの一員となったヘンリーは、その成り行きに満足している。とはいえ、カウボーイズがヘンリーに声をかけなかったのは確かに興味深い。カウボーイズが先日再契約したリコ・ドウデルをトップバックにしている現状を踏まえると、なおのことだ。

カウボーイズは候補に挙がったのかと質問されたヘンリーは「彼らは俺に一度も連絡してこなかった」と答えている。

ヘンリーにとって、スターマークをヘルメットにつけてプレーするのは非現実的な状況だった。理想的な場所ではあったかもしれないが、ヘンリーは何も動きはなかったと明かし、こうコメントしている。

「クレイジーだった。俺はてっきり、何らかの接触や話し合いがあるものだと思っていた。彼らは接触してこなかった。言っている意味は分かるだろ? 俺は彼らの組織についてあまり知らない。知っているのは聞いた話だけだ。俺は代理人と話していた。彼らはあまり興味を持っていなかった。そういうことだ。さっきも言ったように、俺はいるべきところにいるつもりだし、ボルティモアは完ぺきな場所だと感じている」

この6シーズン中5シーズンで1,000ランヤードを突破しているヘンリーは、マーク・イングラムが2019年に達成して以来、初めてレイブンズでそれを成し遂げるランニングバックになることを目指している。また、ヘンリーはガス・エドワーズが2018年にランヤードでチーム内1位に輝いて以来、初めてそれを成し遂げるランニングバックになる可能性もある。2019年以降、毎年ランヤードでチームトップに立っているのは、キャリアで2度、1,000ランヤード超えを達成しているクオーターバック(QB)ラマー・ジャクソンだ。ヘンリーはバックフィールドからジャクソンの力を補完するために素晴らしい活躍を見せるだろう。

「うまくいってよかった」とヘンリーは振り返っている。

「ラマーは間違いない。(ワイドレシーバー/WR)ゼイ・フラワーズは素晴らしい1年を過ごした。(タイトエンド/TE)マーク・アンドリュースが何をもたらすかは知っているだろ。オフェンシブラインは頼りになる。何人かの選手を失ったけど、彼らはフリーエージェンシーやドラフト、あるいはすでに抱えている選手の中からそれを補う選手を見つけると確信している。それから42番のビッグ(フルバック/FBのパトリック・リカール)だ。彼のことは映像で見て注目してきた。だから、彼とプレーできることにもワクワクしている。あいつはビーストだ」

自分が名前を挙げた攻撃選手たちと共に、ヘンリーは昨季にAFC(アメリカン・フットボール・カンファレンス)北地区を制し、最終的にはカンザスシティ・チーフスに敗れたものの、AFCチャンピオンシップゲームに進出したチームに加わる。ヘンリーはスーパーボウルを目指すレイブンズのパズルを完成させるピースになるかもしれない。レイブンズは2012年シーズンにロンバルディトロフィーを獲得して以来、ビッグゲームに進出しておらず、ヘンリーはプロボウルに4回選出された経歴を誇るにもかかわらず、一度もスーパーボウルに出場したことがない。

スーパーボウルに出場することは、ヘンリーとその新チームが現在、躍起になって達成しようとしている目標だと言えよう。

「ハングリーな人たちがいる場所に行けて幸せだ」と強調したヘンリーは、次のように続けた。

「彼らはそれに飢えていて、今まさに変わり目を迎えている。彼らは常に話題にのぼってきた。ラマーが切実に欲しているのは知っている。だから俺は“何が起こるか見てみよう。プレーオフに進出して盛り上がろうぜ”みたいなことを期待しているチームには行かない。違う。彼らは優勝を狙っているんだ。あと一歩のところまで迫ってカンザスシティに負けたことで、彼らはハングリーになっている。彼らは正しい考え方で臨むだろうし、それに取りかかろうじゃないか。自分にできる方法で、彼らを前進させる手助けをするために、追加のピースになる準備はできている。どんな方法でもね」

【RA】