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ビルズが2025年ドラフト2巡目指名権と引き換えにWRディッグスをテキサンズにトレード

2024年04月04日(木) 10:56


ステフォン・ディッグス【NFL】

ワイドレシーバー(WR)ステフォン・ディッグスがキャリアで2度目のトレードに出された。

現地3日(水)、バッファロー・ビルズが2024年ドラフト6巡目(全体189位)指名権および2025年ドラフト5巡目指名権とともにディッグスをヒューストン・テキサンズに送り、その見返りとして2025年ドラフト2巡目指名権を獲得すると、『NFL Network(NFLネットワーク)』のイアン・ラポポートが状況を知る人物の話をもとに報道。その後、ビルズがこの取引について正式に発表している。

2020年にミネソタ・バイキングスからトレードされたディッグスは、ビルズでの4シーズンでいずれも1,100ヤードを突破してきた。また、クオーターバック(QB)ジョシュ・アレンと初めてタッグを組んだシーズンには、レシーブ数(127回)とレシーブヤード(1,535ヤード)でNFL首位に立っている。

ディッグスの獲得はテキサンズにとって大きな動きであり、テキサンズはクオーターバックのC.J.ストラウドの新たな武器を追加した格好だ。30歳のディッグスはニコ・コリンズやタンク・デルと共にNFLで最高のレシーバートリオの1つを形成するだろう。ディッグスは1オン1を制し、ラインからオープンになる能力を持っているため、ストラウドは頼れるベテラン選手を手に入れることになる。3人のレシーバーはお互いをうまく補い合い、攻撃コーディネーター(OC)ボビー・スロウィックにあらゆるレベルでディフェンスを脅かす能力を与えるはずだ。

ディッグスの存在は、新加入のランニングバック(RB)ジョー・ミクソンがシーズンの大半をライトボックスでプレーすることを保証する助けにもなるだろう。タイトエンド(TE)ダルトン・シュルツや優秀なオフェンシブラインマン(OL)も抱えているテキサンズの攻撃陣は、2024年シーズンに向けて素晴らしい布陣を組んでいる。

ジェネラルマネジャー(GM)ニック・カセリオが今オフシーズンに若く才能のあるQBを生かすために手を打ったことは称賛に値する。ルーキーシーズンにプロボウルに選出されたストラウドは、今後も出世コースを歩んでいくだろう。

一方のビルズは、気まぐれなレシーバーから離れる準備ができているようだった。

バッファローでプレーしている間、トップターゲットとして活躍し、頻繁にアレンからパスを受けていたディッグスは、4シーズンで5,372ヤード、タッチダウン37回を記録している。

しかし昨季、ケン・ドーシーが解任され、ジョー・ブレイディが攻撃コーディネーターに昇格したあとにディッグスの役割は減少。レギュラーシーズン最後の7試合とプレーオフの2試合で、ディッグスは一度も100ヤード以上をマークせず、プレータイムは常に90%前後だったところから60%台にまで落ち込んだ。

ディッグスが昨年のオフシーズンに参加必須のミニキャンプの一部を欠席し、ヘッドコーチ(HC)ショーン・マクダーモットがディッグスの欠席について「とても懸念している」と述べるに至った騒動も考慮に入れるべきだろう。ビルズとディッグスはそうしたオフシーズンの騒動から前に進んだものの、決して状況が安定したようには見えなかった。

『Over The Cap(オーバー・ザ・キャップ)』によると、ディッグスをトレードすることで、ビルズには3,100万ドル(約47億0,070万円)以上のデッドキャップが残るとのこと。トレードの見返りが少ない(2024年のドラフト指名権すらない)ことを踏まえると、ビルズが積極的に次のステップに進もうとしていたのは明らかだ。

水曜日、ビルズのブランドン・ビーンGMは「私たちはただ、ステフがここにいてくれたこと、その年月に感謝したいだけだ。繰り返しになるが、すべての行動に対していちいち理由を説明したくはない」と報道陣に話している。

「それはどの選手にも言えることだ。私たちは他にも選手をトレードしたり、獲得したりしている。彼はその1人だ。行ったことはすべて、最善の決断だと思ったことであり、今回のような決断はすべて、長所と短所を天びんにかけており、軽々しく決めたわけではない。だが、常にビルズにとって最善の決断を下そうとするものであり、それこそ私たちがここでやろうとしていることだ。だから、私たちは今回の動きに出た」

ディッグスをテキサンズにトレードすることで、ビルズのレシーバー陣には大きな穴があく。ビルズはフリーエージェント(FA)としてジャクソンビル・ジャガーズと契約したゲイブ・デービスも失った。現時点でアレンのトップターゲットになりうる選手は、カリル・シャキール、カーティス・サミュエル、マック・ホリンズ、K.J.ハムラー、ジャスティン・ショーターだ。

大方の予想では、ビルズがドラフト1巡目でレシーバーを指名すると見られている。ディッグスのニュースを受けて、その見方はさらに強まるだろう。

ビルズは今オフシーズン、デービスやセンター(C)ミッチ・モース、セーフティ(S)ジョーダン・ポイヤー、コーナーバック(CB)トレデイビウス・ホワイトなど、複数の選手と決別するなどしてロースターの見直しを行なってきた。ディッグスとの別れはそうした流れに続くものとなっている。

2024年にビルズの様相が大きく変わることは周知の事実だ。ディッグスの退団はその事実をさらに強調していると言えよう。

【RA】