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元ファルコンズQBマット・ライアンが15シーズンを経て正式に引退へ

2024年04月23日(火) 11:14

アトランタ・ファルコンズのマット・ライアン【AP Photo/Rusty Costanza】

クオーターバック(QB)マット・ライアンが最後にプロフットボールでプレーしたのは、2022年12月だった。時を経て2024年4月、ライアンは正式に引退を表明した。

15シーズン(アトランタ・ファルコンズで14シーズン、インディアナポリス・コルツで1シーズン)を送ったライアンは現地22日(月)、自身のキャリアのほとんどを捧げたチームとそのファンに向けた心のこもったビデオメッセージを添えて、NFLから引退することを発表している。

「アトランタへ マット・ライアンより」

ライアンはビデオの中で、2008年のNFLドラフトでファルコンズから全体3位で指名された日のことを振り返り、最初のシーズンで一緒にプレーしたベテラン選手たちに、NFLキャリアの初期に貴重な教訓を与えてくれたことに関して感謝の気持ちを述べた。また、ライアンはワイドレシーバー(WR)フリオ・ジョーンズをはじめ、キャリアを通じて出会った大切なチームメイトやコーチたちに謝意を表している。

ライアンは2016年に受賞したNFL最優秀選手賞や、第51回スーパーボウルでのニューイングランド・ペイトリオッツに対する悔しい敗北については言及していない。しかし、ライアンがこうした出来事に触れる必要はなかった。ライアンのキャリアそのものが、すでにライアン自身の偉大な軌跡を物語っているからだ。

ライアンは不名誉な形でファルコンズを去ったマイケル・ヴィックの後継者となるべく、ファルコンズに降り立った。ヴィックはその後、フィラデルフィア・イーグルスで自身のキャリアを再構築している。ライアンが新しい先発として一歩ずつ前進するたびに、アトランタの人々は再びファルコンズを信ずべき理由を見出した。チームを素晴らしい高みへと導く力を持つリーダーとして、ライアンはファルコンズに大きく貢献したのだ。

2016年、当時ファルコンズの攻撃コーディネーター(OC)を務めていたカイル・シャナハンの指揮の下、ライアンは自身の最盛期を迎えた。シャナハンOCは自身の攻撃スキームをNFL全体に対して解き放ち、ライアンがキャリアで唯一のNFL最優秀選手賞を獲得するのを支えている。同じシーズンにNFC(ナショナル・フットボール・カンファレンス)を席巻したライアンとファルコンズは、シアトル・シーホークスとグリーンベイ・パッカーズを次々と撃破して、第51回スーパーボウルに出場。その試合で28対3と大きくリードしたファルコンズは、もはや追いつかれることはないと思われた。しかし、振り返るまでもなく、後半にすべてが崩壊しており、最後は無残な結末を迎えている。とはいえ、そのシーズンにおいて、ライアンは他のどのシーズンよりもファルコンズの期待に応え、その真価を証明した。

1年後、ファルコンズはプレーオフに再び進出したものの、最終的にスーパーボウルチャンピオンになったイーグルスを相手に惜しくも敗北。そこからのファルコンズは衰退し、2021年シーズン——ヘッドコーチ(HC)アーサー・スミスの下でプレーしたライアンにとって唯一のシーズン——終了時には、チームが新たな方向へと進む時が来ていることが明らかになった。

デショーン・ワトソンの獲得に失敗したファルコンズは2022年3月に、ライアンをインディアナポリス・コルツにドラフト3巡目指名権と引き換えにトレード。コルツは、またもベテラン先発QBを投入して戦力にするかに見えた。しかし、計画通りにはいかず、ライアンの最後のシーズンは苦戦に満ちたものになり、そのキャリアの終わりが近づいていることを印象づける結果となる。ライアンは2022年シーズンの終わりに放出され、『CBS』の放送ブースで1年を過ごした後、月曜日に正式に選手としてのキャリアを終えた。

ライアンは15シーズンで6万2,792パスヤード、タッチダウン381回、インターセプト183回、パサーレーティング93.6を記録して引退する。プロボウルに4回、オールプロファーストチームに1回選出されたライアンは、2016年には最優秀選手賞と年間最優秀攻撃選手賞の両方を獲得した。たとえ時々磨くスーパーボウルリングを持っていなくても、ライアンには誇るべき素晴らしいキャリアがある。

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