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プロボウルに選出されるも満足できなかった昨季を振り返るジェッツLBジョンソン二世

2024年05月02日(木) 14:35


ニューヨーク・ジェッツからドラフト指名を受けたフロリダ州立大学のジャーメイン・ジョンソン二世【AP Photo/John Locher】

スーパーボウル出場を目指していたものの、結局は挫折を味わったニューヨーク・ジェッツの2023年シーズンについては、未開発の可能性に関する話がほとんどだった。

現地1日(水)、『NFL.com』の取材に応じたジェッツのラインバッカー(LB)ジャーメイン・ジョンソン二世は、7勝10敗という結果に終わった昨季を経ても、チームの目標は変わらず“スーパーボウル。やるか、やらないか”だと話している。

その最終目標に到達するまで、ジョンソン二世やそのディフェンス、ましてやチーム全体が満足することはないだろう。

「すべての試合で完封、被得点ゼロが目標だ。つまり、オフェンスがどんな状況であろうと、ディフェンスのユニットとして、自分たちで設定した守るべき基準があることは分かっているし、それは得点を許さないことだ」と語ったジョンソン二世は「俺たちはそれができなかった。毎試合、被得点をゼロにすることを達成できるようになるまでは満足できないし、正直なところ、それでもまだ満足できないと思う」と続けた。

アーロン・ロジャースがシーズン終了につながるアキレス腱(けん)のケガに見舞われたことでクオーターバック(QB)ポジションが乱れ、オフェンスに支障をきたした一方で、ジェッツのディフェンスは2シーズン連続で圧倒的な強さを見せつけた。被ヤードでリーグ内3位につけたジェッツ守備陣はサック48回を記録し、8試合で相手を16点以下に抑えている。

新人時代に14試合に出場するも、一度も先発を務めたことがなかったジョンソン二世は、キャリア2シーズン目に全17試合に先発出場した。2022年ドラフト1巡目指名を受けたジョンソン二世はサック7.5回でチーム内2位につけ、さらにタックル55回、QBヒット16回、フォースドファンブル1回、キャリア初となるインターセプト――37ヤードのピックシックスにつなげた――を記録し、初めてプロボウルに選出されている。

役割が増え、成功を収めても、ジョンソン二世はまだ自分が何かを証明できたとは感じていない。ディフェンスを率いる存在としてチームから信頼してもらえる存在になれたことに感謝している一方で、シーズンごとに保証されるものは何もないため、ジョンソン二世は自分のパフォーマンスに決して満足しないことに対する責任を感じている。

ジョンソン二世は「世の中の成功はすべて貸し借りされるものだ。決して自分のものにはならない。だから、称賛や成功を少しだけ楽しむことはできるけど、努力したり、がむしゃらになったり、繰り返し取り組んだりしなかったら、それを失うことになる。いわば、回収されてしまうんだ」とコメント。

「だから、よし、いいぞ、自分の基準には達していないけど、まずまずの1年を過ごしたなと思うだけ。仕事に戻って、さらに懸命に取り組んで、冷静さを保たなきゃいけないと分かっている。度が過ぎないようにしながら自信を持ち続け、チームメイトのために行動し続ける」

ジョンソン二世の個人的なイデオロギーを反映するように、ディフェンス全体も前シーズンの栄光に安住することなく、オフシーズンにユニットの強化を進めている。ジェッツは昨季にチームでサック数トップに輝いたディフェンシブエンド(DE)ブライス・ハフを失ったものの、フィラデルフィア・イーグルスとのトレードで、ジョンソン二世の逆サイドに配置する選手としてハサン・レディックを獲得し、すぐにその穴を埋めている。ベテランのレディックは2023年シーズンにサック11回、QBヒット23回を記録して2年連続となるプロボウル選出を果たしている。ジェッツはジョンソン二世や、同じくプロボウルに選出されたディフェンシブタックル(DT)クイネン・ウィリアムスをサポートする要員として、サンフランシスコ・49ersに所属していたDTジェイボン・キンロウを獲得し、2023年ドラフト1巡目で指名したDEウィル・マクドナルド四世も擁している。

ジョンソン二世は「ハサンのような、電撃的で伝説的な選手がいれば、成長せずにはいられないと思う。彼と一緒に取り組んで、彼から学ぶのが楽しみだ。彼は俺に共有できるような情報も知識もたくさん持っているし、俺が知らないことを教えてくれる」と話している。

「彼はとても理性的で、謙虚だ。そんな人が自分の逆サイドにいることに、ただただ興奮している」

一流のディフェンスが再集結し、一方のオフェンスでもケガから復帰したロジャースがさらに多くの武器に囲まれると見られていることに関して、ジェッツの組織内外からは紛れもない熱気が漂っている。しかし、優勝を目指すモードに入ったとしても、あまりにも先のことを見通すことはできず、2月にロンバルディトロフィーを得るための道のりを一歩一歩進んでいく必要があることを知っているジョンソン二世は、次のように語った。

「興奮は高まっているけど、目標は変わらない。スーパーボウルに到達するためには、毎週、試合に勝たないと。ディフェンスの目標は毎週、完封することで、今はそれに集中している。それが十分にできたら大きな試合に出られる、というのが目標だ」

【RA】