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5巡目以降ではPテイラーを獲得できないと考えていたベアーズGMポールズ

2024年05月02日(木) 15:55


シカゴ・ベアーズのライアン・ポールズGM【AP Photo/Kamil Krzaczynski, File】

クオーターバック(QB)ケイレブ・ウィリアムズのドラフト全体1位指名は予想されていたことであり、多くの人々に歓迎された。

また、ワイドレシーバー(WR)ローム・オドゥンゼが9位で指名されたことは、誰もが称賛している。

シカゴ・ベアーズの2024年NFLドラフトクラスは、人数は少なかったものの、4巡目での意外な指名までは順調に進んでいた。その時、ベアーズはアイオワ大学のパンター(P)トリー・テイラーを指名し、今回のドラフトでスペシャリストを選んだ最初のチームとなったが、この選択には多くの評論家が首をかしげている。

テイラーのドラフト全体122位指名は、サンフランシスコ・49ersが2019年にミッチ・ウィシュノウスキーを4巡目全体110位で指名して以来、最も早いパンターのポジションでの選択だった。ベアーズのジェネラルマネジャー(GM)ライアン・ポールズは、その時点までで4つの指名権しか持っておらず、3日間のイベントを通じて最終的には5人を指名している。そんなポールズGMは、これ以上後ろの順位ではテイラーが残っていないと考えると同時に、テイラーが試合の流れを変える能力を持つ選手だと確信していた。

『The Pat McAfee Show(ザ・パット・マカフィー・ショー)』に出演したポールズGMは現地5月1日(水)、元オールプロのパンターであるパット・マカフィーと話すときに次のように語った。

「彼がこれ以上後ろの順位まで残っているとは思わなかった。特に5巡目以降では、彼を指名することができないと思った。対戦相手を本当に苦しめることが、この決断の背景にある。私はNFLではあまりプレーしなかったが、フィールドに出て自陣10ヤードラインより内側にボールが置かれているのを見ると、とても不快な気持ちになることはよくわかる。時には落胆することもある。だから、フィールドポジションを生かすことが好きなんだ。きっと、得点にもつながるはずだ」

テイラーが指名された時点で、それが今回のドラフトで最後のベアーズの指名権だった。ポールズGMはその後、トレードで5巡目指名権を取り戻し、カンザス大学のディフェンシブエンド(DE)オースティン・ブッカーを獲得している。

テイラーがフィールドポジションを一気に変えるようなキック能力を持っていることは、認めざるを得ない。

アイオワ大学出身のテイラーはオールアメリカンに2回選出されており、ウィンディシティへ向かうまでに全米最優秀パンターに贈られるレイ・ガイ賞を受賞した。この賞を受賞した2023年シーズンには、テイラーはパントで4,479ヤードをマークしており、NCAAシングルシーズン記録を更新。最終年度にはパント1回あたり48.2ヤードという成績を残しており、キャリア最長の70ヤードパントも放っている。また、テイラーは強力な脚力を持っているだけでなく、相手を自陣深くに押し込む技術も持ち合わせており、過去3年間において毎年、敵陣20ヤード以内に30回以上パントを蹴り込んでいる。

それでも、『NFL.com』のドラフトアナリスト、エリック・エドホルムが4月27日に疑問を投げかけたように、“今年は指名権が少ない中、これがベアーズにとって最高の選択だったと言えるだろうか?”という問いは残る。

この疑問に対する答えは、少なくとも今後数年間は不明なままだろうが、歴史は、ベアーズにとってあまり心強いものではない。

テイラーはベアーズのドラフト史上(1967年以降)3番目に早く指名されたパンターだ。ベアーズは1991年に3巡目指名でクリス・ガードッキを、1995年に2巡目指名でトッド・ザウアーブランを指名している。ザウアーブランは複数回のオールプロおよびプロボウル選出を経験しており、ガードッキもオールプロに1回選ばれ、スーパーボウル優勝を果たしている。ただし、これらの栄誉はいずれもベアーズ在籍中に得たものではない。

テイラーの指名は意外だったが、ドラフト全体9位、すなわちベアーズが保持する1巡目指名のうち2つ目にも注目が集まった。ウィリアムズの指名はドラフトが始まるずっと前からほぼ確実とされていた一方で、9位指名権にはさまざまな憶測が飛び交っていたのだ。ベアーズがトレードダウンする可能性はあるのか? パスラッシュやオフェンシブライン(OL)を補強するのだろうか? それとも、豪華なワイドレシーバークラスから1人を選ぶのだろうか? 最終的に後者を選択したベアーズは、オドゥンゼを獲得している。

ポールズGMはこう続けた。

「ロームはわれわれのリストのトップにいた。われわれはドラフトボードを色分けしていて、絶対に見逃せない選手がいた。ロームはそのうちの1人だった。あの大きな体格で素晴らしい才能を持つレシーバーを見つけるのは難しく、さらに彼は信じられないほど素晴らしい人間性を持っている。だから、ロームを逃すことは考えられなかった」

ベアーズのロースターにはすでにワイドレシーバーのD.J.ムーアとキーナン・アレン、それにタイトエンド(TE)コール・クメットがいるが、ポールズGMが指摘したように、オドゥンゼの加入は自然な流れだった。ワシントン大学出身の優れた選手であるオドゥンゼはウィリアムズとすでに関係があり、才能ある選手たちがレシーバー陣に集まる中で、時が経つにつれてチームトップのレシーバーに成長する可能性がある。

テイラーがドラフトで最優秀のパンターとして選ばれたのは明らかだ。加えて、ベアーズは水曜日にパンターのトレントン・ギルを放出しており、テイラーの競争相手を一掃した。

ベアーズの2024年NFLドラフトクラスは、良くも悪くも、フランチャイズにとって歴史的なものとして語り継がれるだろう。ウィンディシティでパントを行う才能豊かなテイラーが、どれだけのプラスまたはマイナスの影響を与えるのか、2024年シーズンが始まると同時に注目する価値がありそうだ。

【KO】