コラム

いよいよ新シーズン、ペイトリオッツを止めるのはどこだ

2017年09月07日(木) 12:25

ヴィンス・ロンバルディ・トロフィー【AP Photo/Jae C. Hong】

7カ月のオフを終え、NFLが帰ってくる。現地時間9月7日(日本時間8日)、昨季チャンピオンのペイトリオッツがジレット・スタジアムにチーフスを迎えるサーズデーナイトを皮切りに現地時間2月4日(日)にミネソタで行われる第52回スーパーボウルへの出場権をかけた戦いが始まる。

スーパーボウルで大逆転の末にファルコンズを破って通算5度目のリーグ制覇を果たしたペイトリオッツは今年も優勝候補だ。いや、ペイトリオッツからタイトルを奪うチームが出てくるか否かが今シーズンの見どころと言っても過言ではない。それほど今のペイトリオッツの戦力は充実している。

40歳を迎えたクオーターバック(QB)トム・ブレイディに衰えは見えず、本人いわく近年で最も体調がいいと言う。ブレイディが故障なくプレーできる限り、ペイトリオッツは必ず優勝候補の一角に名を連ねる。第1ターゲットのワイドレシーバー(WR)ジュリアン・エデルマンがACL断裂で今季絶望となったが、スタータイトエンド(TE)ロブ・グロンカウスキーが健在。ベテランのダニー・アメンドーラのほかマルコム・ミッチェル、クリス・ホーガン、新加入のブランデン・クックスなど人材には事欠かない。

若いレシーバーでもトップ級に育ててしまう力がブレイディにはあり、エデルマンの欠場はそれほど大きな痛手にはならない。

昨年チーム史上2度目のスーパーボウルに出場したファルコンズは強力なオフェンスを中心にほぼ選手が残留した。カイル・シャナハン攻撃コーディネーターが49ersのヘッドコーチ(HC)となって退団した影響は心配されるが、チーム力は安定している。

この2チームに加えてプレーオフ常連組のスティーラーズやパッカーズ、シーホークスなどが王座奪還を狙う。そこに昨季好調のレイダーズ、カウボーイズがどう絡んでくるか。意外なチームの躍進はあるか。どんなスターが生まれてくるのか。楽しみは尽きない。

いけざわ・ひろし

生沢 浩
1965年 北海道生まれ
ジャパンタイムズ運動部部長。上智大学でフットボールのプレイ経験がある。『アメリカンフットボールマガジン』、『タッチダウンPro』などに寄稿。NHK衛星放送および日本テレビ系CSチャンネルG+のNFL解説者。著書に『よくわかるアメリカンフットボール』(実業之日本社刊)、訳書に『NFLに学べ フットボール強化書』(ベースボールマガジン社刊)がある。日本人初のPro Football Writers Association of America会員。