今シーズン、NFLを家族で生観戦すると平均502.84ドル（約5万2,798円）かかる。これは『Team Marketing Report（チーム・マーケティング・レポート）』が発表した今年のファンコストインデックス（FCI）で明らかになったもの。

FCIは同社が2人の大人と2人の子供というアメリカの平均的な家族がNFLのゲームを生観戦した場合の平均観戦コストをチーム毎に調査し、算出した指標だ。平均価格のチケット4枚、スタジアムで販売されているビール2杯、ソフトドリンク4杯、ホットドッグ4つ、駐車場代1台分、帽子2つの合計額となっている。

今年の平均FCIは初めて500ドル（約5万2,500円）を突破した。2006年は346.16ドル（約3万6,347円）だったため、10年間で150ドル（約1万5,750円）以上上がったことになる。

最も高かったのはベアーズで685.1ドル（約7万1,936円）。ベアーズは昨年601.2ドル（約6万3,126円）で9位だったが、チケットの平均価格が昨年比21.6％増の131.9ドル（約1万3,850円）に上がったことが影響した。

以下、レッドスキンズ、ペイトリオッツ、49ers、ジャイアンツ、カウボーイズと続き、上位6チームは600ドル（約6万3,000円）以上となっている。

チケットの平均価格が最も高いのはペイトリオッツで130.73ドル（約1万3,727円）だった。対して最も安いのはジャガーズの61.36ドル（約6,443円）。ジャガーズはFCIもリーグ最低で367.42ドル（約3万8,579円）となっている。

NFLの場合、その人気の高さからチームから一般のファンが正価でチケットを購入することが困難なことが多く、専用サイトなど二次流通市場からプレミアム価格で購入するケースが増えている。そのため、同社はチケットの平均プレミアム価格も発表している。トップはやはりペイトリオッツで566.67ドル（約5万9,500円）。500ドルを越えているのはペイトリオッツ以外にジャイアンツだけである。最も安いのはレイダースで148.93ドル（約1万5,638円）だった。

さらに興味深いのはチケット以外の価格である。物販や観戦者のほとんどが利用する駐車料金もチームにとって大きな収益源なのだ。例えばホットドッグは1つ3ドル（約315円）で販売しているレイブンズやバイキングス、シーホークスのようなチームもあれば、ビルズは倍以上の7ドル（約735円）という価格設定となっている。

対してビールとソフトドリンクの場合、単純に価格だけでなく、カップの大きさもチームによって違っており、そこにも工夫がされているのだ。

駐車料金にしてもカーディナルズなら1台14ドル（約1,470円）で済むが、カウボーイズだと75ドル（約7,875円）と、5倍以上の差が出ている。

このようにFCIは各チームが人気や市場情勢からどのように様々な価格を設定し、ビジネスを成功させようとしているかが見えるだけでなく、実際生観戦を考えるときにどれぐらいかかるかがわかるのでファンにとっても有用なデータといえるだろう。