2024年NFLスケジュール:タフなチームトップ7
2024年05月20日(月) 15:33NFLの体系的なスケジューリング方式のおかげで、2023年レギュラーシーズンが終了した後、2024年シーズンにおける各チームの対戦相手は判明している。各チームがどこと戦うかについては、謎はなかった。しかし、日程はどうなるのか? 現在はそれが明らかになっている。
2024年NFLシーズンというフットボールの祭典には、ファンのお気に入りの演目が勢ぞろいするが、現在はそのセットリストも手に入った。さて、最も過酷なショーを控えているのはどのチームなのか。ここではそれを推測してみよう。
各チームの2024年のスケジュールを精査し、対戦相手や移動、休息など、予想される重要な要素を考慮した。しかし、この作業に偏見が含まれていないわけではない。推測を担当するのはあくまでも人間だ。人工知能には(まだ)この仕事を奪われていない。その結果、この未来予測の冒険は、少なくとも部分的に、来るシーズンに対する推測担当者自身の先入観に影響されている。その情報をどのように使うかは個人の自由だ。
前置きはこれくらいにして、2024年に厳しいスケジュールが組まれているアンラッキーな7チームを紹介しよう。
第1位
ピッツバーグ・スティーラーズ
スケジュールの強度:.533(3位)
バイウイーク:シーズン第9週
スティーラーズは最初の2試合に敵地で臨まなければならない。実のところ、スティーラーズは最初の1カ月で1回しかホームゲームがない状態だ。とはいえ、最終的にスティーラーズがこのランキングで1位になった要因はそこではなく、シーズンの締めくくり方にある。全4チームが勝ち越し、3チームがプレーオフ進出を果たしたAFC(アメリカン・フットボール・カンファレンス)北地区が、昨季にNFLで最高のディビジョンだったことを覚えているだろうか。スティーラーズはシーズン第11週まで地区ライバルと対戦しない予定だ。つまり、スケジュールーメーカーは地区ライバルとの全6試合を最後の8週間に詰め込んだのだ。極めて厳しいシーズン後半に組まれている他の2試合はどうなっているのか。それは、州を横断して挑む、敵地でのフィラデルフィア・イーグルス戦と、ショートウイークを経てクリスマスに臨む、スーパーボウル連覇中のカンザスシティ・チーフスとの対戦だ。注目されているサンデーナイトゲームについても触れておこう。10月には15日の間にダラス・カウボーイズとニューヨーク・ジェッツがスティールシティに乗り込むことになっている。スティーラーズは今オフシーズンにロースターを大幅に刷新。特に、オフェンスには数々の変化をもたらし、アーサー・スミスを新攻撃コーディネーター(OC)として採用したほか、ラッセル・ウィルソンとジャスティン・フィールズという2人の新しいクオーターバック(QB)を迎え入れ、オフェンシブタックル(OT)トロイ・ファウタヌやセンター(C)ザック・フレーザー、ワイドレシーバー(WR)ロマン・ウィルソンなど、3人の新人先発候補を確保した。マイク・トムリンHC(ヘッドコーチ)率いる新生スティーラーズはこの試練を乗り越えられるのだろうか?
第2位
バッファロー・ビルズ
スケジュールの強度:.516(6位タイ)
バイウイーク:シーズン第12週
近年、ビルズはAFC東地区を支配しており、4年連続で地区優勝を果たしている。しかし、今オフシーズンは攻守両面の主力選手が退団し、クオーターバック(QB)ジョシュ・アレンにはオフェンスに活気をもたらすプレッシャーが、そしてショーン・マクダーモットHCにはディフェンスを調整するプレッシャーが以前にも増してかかっている状態だ。2人はそれを、困難なスケジュールに直面しながら実行しなければならない。ビルズは3週連続でアウェーゲームが組まれている4チームのうちの1つだ(他はシカゴ・ベアーズ、クリーブランド・ブラウンズ、ミネソタ・バイキングス)。また、ビルズは今年の1月にチャンピオンシップゲームに出場した全4チーム(チーフス、デトロイト・ライオンズ、ボルティモア・レイブンズ、サンフランシスコ・49ers)と対戦する2チームのうちの1つでもある(もう1チームはタンパベイ・バッカニアーズ)。さらには、最初の6試合中4試合がプライムタイムに行われ、明るいライトの下でプレーする予定だ。再建中のニューイングランド・ペイトリオッツと2回対戦することになっている最後の3週間には対処しやすいだろう。しかし、その時点でビルズはポストシーズン進出を控える歴戦の猛者となっているのだろうか。それとも、足を引きずりながらゴールを目指す、疲弊したチームになっているのだろうか。
第3位
クリーブランド・ブラウンズ
スケジュールの強度:.547(1位)
バイウイーク:シーズン第10週
対戦相手の2023年の成績だけを見ると、ブラウンズは2024年シーズンに最も厳しい17試合を控えている。『NFL Research(NFLリサーチ)』はそうした負担を抱えた過去7チームの成績を追跡。当然、それは厳しいものだった。
2023年 フィラデルフィア・イーグルス:11勝6敗、32対9でワイルドカードラウンド敗退
2022年 ロサンゼルス・ラムズ:5勝12敗、プレーオフ進出ならず
2021年 ピッツバーグ・スティーラーズ:9勝7敗1分、42対21でワイルドカードラウンド敗退
2020年 ニューイングランド・ペイトリオッツ:7勝9敗、プレーオフ進出ならず
2019年 ラスベガス・レイダース:7勝9敗、プレーオフ進出ならず
2018年 グリーンベイ・パッカーズ: 6勝9敗1分、プレーオフ進出ならず
2017年 デンバー・ブロンコス:5勝11敗、プレーオフ進出ならず
そうした十字架を背負うだけではなく、ブラウンズはシーズン前半に3週連続でアウェーゲームに臨む。シーズン第10週にバイウイークを迎えた後、最後の8試合中5試合は敵地で実施される予定で、ホームで戦う3週間の相手はいずれも2023年にプレーオフに進出したAFCのチームだ。特に注目すべきはスーパーボウル連覇中のチーフスとの対決だろう。
第4位
ミネソタ・バイキングス
スケジュールの強度:.502(16位タイ)
バイウイーク:シーズン第6週
今年1月、ライオンズとパッカーズはポストシーズンで頭角を現し、2024年シーズンに向けてワクワクするような雰囲気を作り出した。一方、ダイナミックなQBケイレブ・ウィリアムズが、ドラフト全体1位指名選手が滅多にお目にかかれないような充実したロースターに加わったことで、ベアーズを取り巻く熱気は急速に高まっている。簡単に言えば、NFC(ナショナル・フットボール・カンファレンス)北地区がリーグ全体とまではいかなくとも、カンファレンスで最も興味深いディビジョンになるかもしれないとの憶測が広がっている。その地区に属するバイキングスは、QBカーク・カズンズが退団してから移行期にあると見られている。昨シーズン、ケビン・オコンネルHCは4人のクオーターバックを先発に起用しながらも、バイキングスを7勝に導いた。現在、オコンネルHCはこのスポーツで最も重要なポジションに関して別の苦境に直面している。ベテランQBサム・ダーノルドはドラフト全体10位指名を受けたJ.J.マッカーシーが先発組に加わる準備を整える時間を確保できるよう、長期間にわたって仕事を遂行することができるのだろうか。ダーノルドはシーズン初戦で古巣のメットライフ・スタジアムを訪れる。その後、NFC王者の49ersや、勢いに乗っているヒューストン・テキサンズとのホーム戦、そしてランボー・フィールドでのパッカーズ戦に、ロンドンで行われるジェッツ戦と、スケジュールは本格化していく。ロンドンゲームを終えた後、早い段階でバイウイークを迎えることから、シーズン第18週まで長丁場となるのは必至だろう。バイキングスは11月のアウェー3連戦をどう乗り切るのだろうか。競争の激しいディビジョンで、バイキングスは答えよりもはるかに多くの疑問を抱えたまま2024年シーズンを迎えることになる。
第5位
ジャクソンビル・ジャガーズ
スケジュールの強度:.512(8位タイ)
バイウイーク:シーズン第12週
NFLが2021年にレギュラーシーズンを17試合制にして以来、9つ目のホームゲームは毎年、AFCとNFCのチームが交互に実施してきた。今年はAFCが不利になる。2週間、ロンドンに滞在する間に真のホームゲームを実施できないジャガーズは、リーグで唯一、実際の本拠地で7試合しかプレーできないチームとなる。その結果、シーズン最初の3カ月間にジャガーズがデュバル郡で試合に臨むのはわずか4回だ。シーズン第12週のバイウイークを終えるとスケジュールは比較的楽になるものの、ジャガーズは無事にそこまでたどり着く必要がある。このチームが昨年の12月に完全に崩壊したことを思い出してほしい。早い段階で窮地に陥るのは賢明ではない。
第6位
ワシントン・コマンダース
スケジュールの強度:.502(16位タイ)
バイウイーク:シーズン第14週
クオーターバック(ジェイデン・ダニエルズ)、ヘッドコーチ(ダン・クイン)、ジェネラルマネジャー/GM(アダム・ピータース)を新たに迎え、長らく苦しんできたフランチャイズは新しい時代を迎えている。コマンダースはNFC東地区のどん底からはい上がり、9シーズンで2度目のプレーオフ進出を目指せるのだろうか。9月に3回、アウェー戦が組まれているのは何の助けにもならない。NFCにとって最も厳しいインターカンファレンスゲームの相手――AFC北地区――との対戦も同様だ。コマンダースがシーズン第14週にようやくバイウイークを迎えるとき、ダニエルズはどのような状態になっているのだろうか。
第7位
アリゾナ・カーディナルス
スケジュールの強度:.488(24位タイ)
バイウイーク:シーズン第11週
昨シーズンのカーディナルスは大方の予想を上回る競争力を見せたが、それでも2年連続で4勝13敗という成績に終わった。QBカイラー・マレーが復帰することで、カーディナルスはジョナサン・ギャノンHCの2年目に大きな一歩を踏み出せるのだろうか。シーズン最初の6試合中5試合で、2023年シーズンにプレーオフ進出を果たしたチームと対決する中で、カーディナルスは勢いよくスタートを切る必要がある。特に、過去の記録を全体的に評価すると、ミスをする余地はほとんどないと言えよう。この6年で4回、カンファレンスチャンピオンを生み出しているNFC西地区は決して楽な地区ではない。さらに、今年はカンファレンス内のローテーションでNFC北地区を引き当てた。手短に言えば、カーディナルスは全盛期にあった2015年以来で3度目の勝ち越しシーズンを達成することで手一杯になるだろう。
【RA】