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QBフィールズのトレードを「予想」していたベアーズWRムーア、QBウィリアムズと「苦労を乗り越えて戻ってくる」

2024年05月25日(土) 20:58


シカゴ・ベアーズのD.J.ムーア【AP Photo/Charles Rex Arbogast】

ワイドレシーバー(WR)D.J.ムーアはクオーターバック(QB)ジャスティン・フィールズの熱烈な支持者の1人だった。

ムーアはシカゴ・ベアーズがドラフト1巡目で新しいクオーターバックを指名することよりも、かつてのドラフトで1巡目指名を受けたフィールズがウィンディシティにとどまることを望んでいたと率直に話している。

その一方で、NFLのビジネスの側面を理解しているムーアは現在、2024年NFLドラフトで全体1位指名を受けたQBケイレブ・ウィリアムズを支持していると強調している。

ベアーズがフィールズをピッツバーグ・スティーラーズにトレードしたことについて、ムーアは「ビジネスはビジネスだ。予想はしていた」と語った。「つまり、結局のところ、彼は去年のクオーターバックで、今の俺たちにはケイレブがいるということ。俺たちは彼と一緒に苦労を乗り越えて戻ってくるつもりだ。俺はただ彼がどんな仕事をするのか楽しみにしている」

まだ5月とはいえ、ワイドレシーバーにとって1年目のシグナルコーラーと関係を構築することがいかに重要かは、ムーアには説明するまでもないだろう。だからこそ、ムーアは自主参加のOTA(チーム合同練習)に喜んで参加し、新しいQBをあっさりと称賛しているのだ。

ムーアは「ケイレブとも、ローム(オドゥンゼ、WR)とも、全員とつながりを持たなきゃならない。オフェンス全体が、お互いの周りにいて、去年のような絆や関係を築き、そこから新しい選手とも関係を築きたいと思っている」と話している。

カロライナ・パンサーズで5シーズン、ベアーズで1シーズンと、6年のキャリアを積んできたムーアは、そのうち4シーズンで1,000レシーブヤードを突破してきた。その間、ムーアはキャム・ニュートンやタイラー・ハイニケ、カイル・アレン、ウィル・グリアー、P.J.ウォーカー、サム・ダーノルド、ベイカー・メイフィールド、フィールズ、タイソン・ベージェントが先発したチームでプレーしている。27歳のムーアにとって、新しいQBに慣れるのは目新しいことではない。これまでにウィリアムズが見せている姿に感銘を受けているムーアは、次のように語った。

「天性のリーダーシップと腕の才能を見てとれる。彼のすべては常にポジティブなものだ。たとえ良くないプレーがあったとしても、彼はその直後に本当に瞬時に学ぼうとしている。すぐに忘れると同時に学ぶ。彼に求められるのはそれだけだ」

ウィリアムズは現地23日(木)に行われた練習で苦戦していたが、経験豊富なムーアはウィリアムズがこれからも苦戦することも、それが現時点で心配する理由にならないことも分かっている。

「成長痛が伴うことは分かっておかないといけない」とムーアは強調した。

昨季はフィールズとベージェントのどちらからもパスを受けていたが、ムーアはレシーブ数(96回)とレシーブヤード(1,364ヤード)、タッチダウン数(9回)でいずれもキャリアハイを更新し、最高のシーズンを過ごした。

しかし、オドゥンゼとキーナン・アレンが加わったことでにわかに充実したWR陣に属するムーアは、早くもチームのWR1以上の存在になりつつある。

ベアーズのヘッドコーチ(HC)マット・エバーフラスは金曜日に「最高の選手は最も勤勉でなければならないし、チームで最高のフィニッシャーとなり、練習に参加していなければならない。D.J.は確実にそういう存在だ」と述べた。「彼はものすごくタフで、素晴らしいチームメイトであり、チーム随一のハードワーカーで、最も才能のある選手の1人だ。若い選手たちはみんな彼を手本にしている。才能もさることながら、仕事に対する姿勢も目の当たりにしているからね。キーナンやD.J.、トゥルメイン(エドモンズ、ミドルラインバッカー/MLB)、テズ(モンテス・スウェット、ディフェンシブエンド/DE)など、このリーグで本当に良い選手になっている人は皆、チームで最も勤勉である必要があるし、手本となる選手にならなければならない」

ヘッドコーチから“ベアーズ随一のハードワーカー”と言われたムーアは少し照れくさそうだったが、否定はしなかった。むしろ、自分がNFL屈指のワイドレシーバーであると同時に、模範となるリーダーであることを明確にしたムーアは「俺はすべてをみんなとの競争に変えるし、みんなもそれを糧にしていると思う」とコメントしている。

最近、ベアーズがスケジュール発表に際して公開した映像で、『Ferris Bueller’s Day Off(邦題:フェリスはある朝突然に)』の主人公、フェリス・ビューラーを演じたムーアは、人生があっという間だということをよく分かっている。

ムーアはベアーズでの2年目のシーズンを迎えたばかりだが、この2年間で大きな変化を遂げたロースターでリーダーの役割を担っている。シカゴでのケイレブ・ウィリアムズ時代に先導役を務めることが、ムーアの最大の責務になるだろう。

【RA】