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ベアーズが「武器」となるRBスイフトとの契約に迅速に動いた理由を明かすエバーフラスHC

2024年06月02日(日) 12:19

シカゴ・ベアーズのディアンドレ・スイフト【AP Photo/Nam Y. Huh】

一瞬のうちに、シカゴ・ベアーズはフリーエージェント(FA)でランニングバック(RB)ディアンドレ・スイフトを獲得した。

デトロイト・ライオンズ時代にポテンシャルに満ちあふれていたスイフトは、2023年にフィラデルフィア・イーグルスでベストを尽くし、俊足を披露している。

明らかにそれに感銘を受けたベアーズは、時間を無駄にすることなく、フリーエージェントの交渉期間が始まった3月11日に、スイフトと3年2,400万ドル(約37億7,430万円)の契約に合意した。

破壊的な力を持つランニングバック、言うなれば、より危険な要素をバックフィールドに求めていたベアーズは、スイフトの獲得でそれを手に入れたと信じている。

現地5月31日(金)、チームがあれほど迅速にスイフトとの契約に動いた理由を尋ねられたベアーズのヘッドコーチ(HC)マット・エバーフラスは「単純に武器となるバックだからだ」と返答。「第3ダウンだけじゃなくて、第1ダウンや第2ダウンでも活躍し、フィールドの深い部分や短い部分で武器になって、距離を取ることができる選手を私たちが必要としていたのはご存知だろう。そして、彼には多くの力がある」

『Next Gen Stats(ネクスト・ジェン・スタッツ)』によると、スイフト(“敏速な”という意味を持つ)はその名の通り、昨シーズン第2週に行われたミネソタ・バイキングス戦で最高時速20.37マイル(32.78km)を記録し、20ヤード以上のランに6回成功したという。4シーズンにわたるNFLキャリアで初めてプロボウルにも選出されたスイフトは、キャリー229回で1,049ヤード(キャリー平均4.6ヤード)、レシーブ39回で214ヤードをマーク。ヤード数、キャリー数、ファーストダウン獲得数(50回)、試合平均ランヤード(65.6ヤード)でキャリアハイを更新した昨シーズンに、スイフトは初めての1,000ランヤード超えも達成している。

スイフトは現在、攻撃コーディネーター(OC)シェーン・ウォルドロンのシステムで、ワイドレシーバーのD.J.ムーアやキーナン・アレン、ローム・オドゥンゼ、タイトエンド(TE)のコール・ケメットとともに、新人クオーターバック(QB)ケイレブ・ウィリアムズからターゲットにされると見られている脅威の1人となっている。

「このオフェンスでは、プレーメーカーたちにボールを与えるために、いろんなことをやっているような気がする」とスイフトは語った。

レシーバーとなりうる選手はたくさんいるものの、エバーフラスHCはスイフトがランでもレシーブでも多く活躍すると予想している。

就任3年目のエバーフラスHCは「ディアンドレはこのオフシーズンに本当に調子が良さそうだった」とコメント。「もちろん、皆さんもご存知のように、彼はものすごく足が速いし、バックフィールドから抜け出す武器となる。それはうちのパスゲームで際立つだろうし、ミスマッチを生み出してくれるはずだ。彼はバックフィールドからいろいろなことができるし、彼をワイドに置いてすべてのルートツリーを走らせることもできる。彼を見るのはエキサイティングだ」

リードバックではあるものの、スイフトはカリル・ハーバートやロション・ジョンソンもいるRB陣で自分がワークホースになるとは予想しておらず、それがベストなアプローチだとも考えていない。

自分が担うキャリーの割合はどれくらいだと思うかと質問されたスイフトは「彼らが俺にふさわしいと思うことなら何でもやる。俺はいつもそんな感じだ」と答えている。「最近は1-2とか2-3とか、複数の選手が必要だ。シーズンは長いし、試合時間も長い。シーズンを通して選手を良い状態に保つためには、複数のバックを使うシステムが必要だ」

現在25歳のスイフトの脚は昨シーズン、イーグルスでかなり良い状態だった。イーグルスはシーズン終盤に伸び悩んだとはいえ、プレーオフ進出を果たしている。それは、スイフトにとってキャリアで初めてのプレーオフ進出となった。

NFC(ナショナル・フットボール・カンファレンス)北地区の一員として4年目のシーズンを迎えるにあたり、この地区にはさまざまな可能性があり、自分が2年連続のプレーオフゲーム出場を果たせる兆しもあると考えているスイフトは、次のようにコメントしている。

「このディビジョンには誰にでもチャンスがある気がする。俺はそういうふうに見るつもりだ」

当然、NFC北地区でベアーズとともにプレーするスイフトには、初めてライオンズと対戦する機会も訪れる。金曜日にそれについて質問された際に、笑顔を見せた一方で、古巣との対決に寄せられている期待感を重要視しなかったスイフトは、こう語った。

「別のチーム。それが俺の見方だ。あまり多くを語るつもりはない。単純に別のチーム。それだけさ」

しかし、ベアーズはスイフトがただのランニングバックにならないことを期待している。

ベアーズはスイフトが新しくなったオフェンスの一員として、バックフィールドからビッグプレーを生み出すことを期待しているのだ。

スイフトは今後の展望に胸を踊らせながらも、攻撃陣が刷新されたことを受けて、現実的なアプローチをとっている。

「全部そろっているオフェンスだけど、努力は必要だ」と強調したスイフトは「新しいオフェンスだし、みんな新参者だ。コーチングスタッフも新しいし、クオーターバックも新人。だから、全員が学んでいくことになるだろうけど、俺は今のグループに自信がある」と続けた。

【RA】