「浮き沈み」はあったもののビルズ時代に感謝し、テキサンズへの加入に満足するWRディッグス
2024年06月05日(水) 16:59バッファロー・ビルズからヒューストン・テキサンズにトレードされた後に初めて臨んだ取材で、ワイドレシーバー(WR)ステフォン・ディッグスは倫理的に正しい発言をした。
ディッグスはビルズ時代にキャッチ445回で5,372ヤード、タッチダウン37回を記録し、何度もプロボウルに選出されている。ビルズで過ごした時間に感謝の意を表したディッグスは、クオーターバック(QB)ジョシュ・アレンが自分との関係において取り組んでいたことを評価した。そして最終的に、どこからうまくいかなくなったのかを説明している。
現地4日(火)、ディッグスはプロボウルに2度選出された経歴を持つビルズのQBアレンについて「彼は俺のキャリアにとって欠かせない存在だった」とコメント。
「ミネソタ(バイキングス)を離れたとき、俺は良い選手だった。でも、常に物足りなかった。自分はもっと優れている、もっと優れた選手になれるって感じていた。そのときまではずっと“一か八か試してみて、自分に賭けてみよう”と思っていた」
「バッファローに着いたとき、今もそうだけどジョシュは俺の相棒になった。みんな、そこがどうなっているかをあまり理解していない。彼は心から俺を受け入れてくれた。彼は“南部のおもてなし”の心を持っていた。俺たちはたくさんの時間を一緒に過ごしたし、彼がいなかったら、俺はここにいないだろう。あいつのことは大好きだから、みんなは俺の代わりに彼にハグとキスをしてほしい」
ディッグスが本当の意味で才能を開花させたのは、ビルズ時代だった。ビルズでの4シーズンで、ディッグスはバイキングスでの5年間の通算記録を上回っている。しかし、ディッグスの退団は以前から予想されていた。ビルズがプレーオフで勝ち進み、スーパーボウルへの切符を手に入れることに繰り返し失敗していたことに不満を示していたディッグスは、2023年に参加必須のミニキャンプを一時的に欠席。それにより、チーム内部で問題が生じ、アレンはチームメイトのために質問に答えることを余儀なくされた。
それでも、ディッグスのパフォーマンスにはそれだけの価値があり、ディッグスには4年間で1億0,400万ドル(約161億7,075万円)が支払われることになっていた。それが現実的な話ではなくなったとき――例えば、2023年シーズンにケン・ドーシーに代わってジョー・ブレイディが攻撃コーディネーター(OC)に就任した後、ディッグスの出場機会が大幅に減少したとき――ディッグスを移籍させる時が訪れたのだ。
2023年に、いつかは別れが訪れると感じていたと明かしたディッグスは、こう話している。
「特に最初の8(試合)を終えた後は浮き沈みが激しかった。コーチングに変更があって、これまでと違うことが、違うやり方、違うスキームで行われるようになった。その浮き沈みは分かるだろう。でも、俺は空気中でそれをちょっと感じていた。トレードされたときはうれしかった。良い状態だったし、さっきも言ったように、俺の道を照らしてほしいと神に頼んだ。神に間違いはない」
テキサンズはトレードでディッグスを獲得しただけではなく、既存の契約を破棄して新たな1年契約を締結。2024年シーズンに自分の価値を証明すれば、ディッグスは2025年にまた新たな契約を手に入れるチャンスを得られるだろう。
ここまでは順調だ。
テキサンズのヘッドコーチ(HC)デミコ・ライアンズは火曜日にディッグスについて「私たちが見ているのは、まさに自分たちが手に入れたと思っていた選手だ」と述べている。
「彼はプレーを成功させてきた選手だ。われわれがボールを投げるたびに、彼はそれを持って走っていく。確かな手腕の持ち主だ。本当にいいチームメイトで、みんなといるときに建物の中やロッカールームには素晴らしいエネルギーが満ちている。だから、彼の成長を見続けることにワクワクしている」
新人時代にリーグに火をつけたクオーターバック(QB)C.J.ストラウドは、オフェンス部門年間最優秀新人賞を圧倒的な支持を受けて獲得し、一部の人からはMVPの候補としても見られていた。ストラウドはWRニコ・コリンズやWRロバート・ウッズ、タイトエンド(TE)ダルトン・シュルツ、同じく新人だったWRタンク・デルといった選手たちとタッグを組みながら、そうした活躍を見せている。そのグループにディッグスが加わるのは非常に大きなことだ。
ストラウドが昨季の好調ぶりを維持して2024年シーズンを迎えた場合、新たなコラボレーションによって両者の成績は上がるだろう。
ストラウドはディッグスについて「彼はものすごくフィットしている。最初から集中しているし、ただひたすら取り組んでいる」と語っている。
「何回も助けてくれている。彼はここに来てリーダーになっている。俺はそんな彼を誇りに思っている。本当に利他的で、他の選手が成功するのを見たがっている。それに重きを置いているんだ。優秀な選手と一緒にいたがっている。優秀な選手がそこら中にいる環境で、彼はそういう役割についた。彼はそれを求めていたし、俺たちはそれを提供している」
キャリアの中で、1人ではなく2人の優れたクオーターバック(アレンとストラウド)のためにルートを走ることができるディッグスは、間違いなく幸運だ。ストラウドを取り巻く才能を充実させていく中、テキサンズはロースターを優秀な選手で埋め尽くすことを目指すべきだ。2024年はテキサンズにとって、成功をつかむチャンスの年となるだろう。
【RA】