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スーパーボウル制覇を自分の使命とするカーディナルスQBマレー

2024年06月06日(木) 15:40


アリゾナ・カーディナルスのカイラー・マレー【AP Photo/Ross D. Franklin】

昨年のこの時期、アリゾナ・カーディナルスの新体制が定着しつつある中で、クオーターバック(QB)カイラー・マレーはACL(前十字靭帯/ぜんじゅうじじんたい)断裂からのリハビリに取り組んでいた。

今年はマレーが手術から復帰してから、そして現在のオフェンスになってから、2年目となる。

意欲的で、健康状態も良いマレーは、2024年のカーディナルスに待ち受けているものに対する期待にも制限をかけていないようだ。

現地5日(水)、マレーは「ワクワクしているかって? そりゃそうだろ。ワクワクしている。調子は良い。健康でいられるだけでも幸せなことだし、ヘッドコーチ(HC)はもちろんのこと、周りのみんなにも支えてもらっている。間違いなくね。自分たちの可能性を信じている」と語った。

マレーは2022年12月にACLを断裂し、NFLでの4年目のシーズンと、クリフ・キングスベリーHCおよびスティーブ・カイムGM(ジェネラルマネジャー)の指揮下でプレーしていた時代を終えた。その後に受けた手術からの復帰を目指す中で、マレーはジョナサン・ギャノンHCとモンティ・オッセンフォートGMの採用という形でチームが大きく変容するのを目の当たりにしていた。

2023年、マレーはシーズン第10週にシーズンデビューを果たしている。マレーは最初から攻撃コーディネーター(OC)ドリュー・ペツィングのシステムで可能性を感じさせていたが、膝が完治し、オフェンスをさらに理解していくにつれて、自信もつけていったようだ。

「久しぶりに最高のオフシーズンを過ごしているっていう感じ」と強調したマレーはこう続けている。「健康であることもそうだし、みんなとつながって、実際にその一部でいることができるだけでね」

「それだけで全然違う。外に出て、みんなで一緒に成長しているときはやっぱり違うよ。フィールド上だけじゃなくて、フィールド外でも良いオフシーズンだった」

“良いオフシーズン”が2024年シーズンの成功につながるとしたら、それはどのような形になるのだろうか?

シーズンを迎えるにあたり、自分の使命は何かと質問されたマレーは「スーパーボウルで勝つこと」と答えている。

マレーはそれが自分の目標であり、カーディナルスに期待していることでもあると強調した。しかし、それはマレーが毎シーズン、考えていることでもある。

「毎年、スーパーボウルに勝つためにやっているし、他の理由でプレーしているわけじゃない」とマレーはコメント。

カーディナルスはまだスーパーボウル制覇を経験したことがなく、マレーが在籍している5年間でプレーオフに進出したのはわずか1回で、そこで勝利したことは一度もない。

春にはどのNFL選手も楽観的な考えを口にするものだが、この春にはいくつかの理由で、いつもとは異なる雰囲気がある。

「今シーズンに向けては、自分たちのやっていることに本当に集中できているような気がする」とマレー。「それは、みんなが何をしていても、自分がどこにボールを投げたらいいのかが分かるっていう自信だと思う。このシステムを1年経験したからね。そういうふうに感じられたら、限界はなくなる。俺はずっとQBとしてプレーしてきたけど、そういう状態になったとき、うまく説明することはできないんだけど、良い気分なんだ。そういうときは、ただ外に出て実行するだけ」

オクラホマ大学でハイズマントロフィーを受賞し、2019年NFLドラフトの全体1位でカーディナルスから指名を受けたマレーは、成功をつかむ上で、NFL入りしてから最も良い状態にあると感じている。シーズン前にこれほど成功が待ち受けている感覚を抱いたことはあるかと聞かれたマレーは「ハイズマンを獲得したときと似ているかな」と答えた。

本人の説明によると、プロボウルに2回選出された経歴を持つマレーは、新しいコーチングスタッフやロッカールームに見事に溶け込んでいるという。26歳のマレーは新しいスキームにもチームメイトにもなじんでいるベテラン選手だ。

「このチームには間違いなく活気があるし、チームに対する仲間意識がある」と明かしたマレーは次のように続けている。

「ここに来てから、年上の選手とプレーすることが多かった。自分が年長者だと感じるのはこれが初めて。年上の選手とプレーすることを悪く言うつもりはないけど、同年代の選手とプレーする方が、一体化するとか、そういうことが簡単になる。それが大事だと思う」

カーディナルスは昨シーズンを4勝13敗で終えており、マレーが先発した試合では3勝5敗となっている。プレーオフ進出を逃すのは8年で7回目だった。

しかし、砂漠の中でも春は温度が異なるものだ。余裕の笑みを浮かべ、非常にポジティブにオフシーズンを過ごしているマレーは、こう話している。

「俺は自分たちの可能性に何の制限も設けない」

【RA】