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ファルコンズが元QBマット・ライアンとオーナーのアーサー・ブランクをリング・オブ・オナーに

2024年06月19日(水) 11:19


マット・ライアンとアーサー・ブランク

アトランタ・ファルコンズのフランチャイズの中心人物2人が、その功績に対して永続的な栄誉を受けることになった。

元クオーターバック(QB)マット・ライアンとオーナーのアーサー・ブランクが今シーズンにファルコンズのリング・オブ・オナーに加わると、チームが現地18日(火)に発表している。

「今シーズン、アーサー・ブランクとマット・ライアンをリング・オブ・オナーに迎える!」

球団社長のグレッグ・ビードルスは「アトランタ・ファルコンズを代表して、フランチャイズの象徴である2人をリング・オブ・オナーに迎えるのは光栄なことだ」と述べている。

“The Home Depot(ホーム・デポ)”の共同創設者であるブランクは、2002年にファルコンズを買収し、2016年シーズンの第51回スーパーボウル出場を含む、2002年から2017年に8回のプレーオフ進出を果たしたチームを統括していた。『Forbes(フォーブス)』誌によると、ファルコンズのフランチャイズとしての価値はブランクの指揮下で、2002年にブランクがチーム買収のために支払った5億4,500万ドル(約860億2,825万円)から、2023年8月時点で推定47億ドル(約7,418億9,500万円)にまで成長したという。

また、ブランクはスポーツ界、ビジネス界、慈善事業界で数々の賞を受賞しており、最近では5月に“Sports Business Journal(スポーツ・ビジネス・ジャーナル誌)” の生涯功労賞を受賞している。

ビードルスは「アーサーが2002年にチームを買収して以来、フィールド内外での成果は向上してきた。アトランタのファンと街に対する彼の揺るぎない献身は、この評価にふさわしいものであり、それ以上の価値がある」と言及。

その一方で、ライアンは14年間在籍したファルコンズで頭角を現した。ボストン・カレッジ出身で、2008年のNFLドラフトで全体3位指名を受けたライアンは、すぐにファルコンズの期待に応え、ルーキーシーズンにチームを11勝5敗の成績でプレーオフに導き、攻撃部門最優秀新人賞を獲得している。

そこから成長したライアンは自身のキャリアの中で、ファルコンズをさらに5回のポストシーズン進出に導いた。2016年には、当時の攻撃コーディネーター(OC)カイル・シャナハンの下でプレーしながらピークを迎え、爆発的なファルコンズオフェンスをけん引して、NFC(ナショナル・フットボール・カンファレンス)タイトル獲得とスーパーボウル出場を果たしている。その活躍が認められたライアンは、2016年にNFL MVPと年間最優秀攻撃選手賞を受賞。オールプロのファーストチームの栄誉を受け、パス成功率69.9%、4,944ヤード、タッチダウン38回を記録した。

この2016年シーズンがライアンの絶頂期となったが、ライアンは過渡期に入ったファルコンズを安定させ、2017年には再びプレーオフに導き、ファルコンズでの最終年にあたる2021年にはパス成功率67%、3,968ヤード、タッチダウン20回をマークした。インディアナポリス・コルツで過ごしたキャリア最後のシーズンはかんばしくない成績で終わったライアンだったが、今年4月には正式にファルコンズの一員として引退し、4月末には『CBS Sports(CBSスポーツ)』の“NFL Today (NFL・トゥデイ)”の仕事を引き受けている。

ライアン加入のタイミングは、ファルコンズにおけるライアンの評価を永遠に確固たるものにした。ライアンがファルコンズに加わったのは、元QB マイケル・ヴィックが闘犬組織にかかわったことに関する連邦犯罪で有罪を認め、ファルコンズにおけるキャリアが突然終わった2シーズン後のことだった。ヴィックの投獄と無期限の出場停止により、ファルコンズにはクオーターバック不在の状態が続いていたが、2008年にライアンが加入し、不安定だったチームを再び正常な状態に戻す手助けをしている。

統計的には、ライアンはファルコンズで素晴らしい実績を残し、2008年から2021年までパス成功率65.5%、5万9,735ヤード、タッチダウン367回を記録。225試合中222試合で先発し、先発としての成績は124勝108敗だった。

ファルコンズのレジェンドの仲間入りを果たしたライアン。“マティ・アイス”の二つ名で知られるライアンは10月3日(木)に正式に殿堂入りする。

「マット・ライアンはチームに話をしに来ただけだと思っていた。でも、私たちは彼にサプライズを用意していた・・・それはファルコンズのリング・オブ・オナーだ」

【KO】