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シャーロット市議会がパンサーズのバンク・オブ・アメリカ・スタジアムの約1,278億円におよぶ改修計画を承認

2024年06月26日(水) 10:27


カロライナ・パンサーズの本拠地バンク・オブ・アメリカ・スタジアム【AP Photo/Mike McCarn, File】

カロライナ・パンサーズが当面、シャーロットにとどまることになった。

現地24日(月)夜、シャーロット市議会がパンサーズと共同で進める8億ドル(約1,277億4,960万円)のスタジアム改修計画を投票によって承認。これにより、パンサーズは今後20年間、この街との結びつきを保つことになる。

方針文書によると、パンサーズのオーナーであるデビッド・テッパーが2045年までシャーロットにチームを残し、その見返りとして市はバンク・オブ・アメリカ・スタジアムの改修費用として6億5,000万ドル(約1,037億9,655万円)を支払うとのこと。テッパーは残りの1億5,000万ドル(約239億5,305万円)を前払いする予定だ。

テッパーはすでにスタジアムの改修に1億1,700万ドル(約186億8,449万円)以上を投資しており、契約期間中に発生する可能性がある設備改善の費用として、さらに推定4億2,100万ドル(約672億3,223万円)を支払うことにも合意している。

シャーロット市の負担分は、既存のホスピタリティ税と観光税で賄われる見込みだ。州はこれらの税金をシャーロット市の観光経済を支援するプロジェクトに使うことを法的に義務付けている。

投票は7対3の賛成多数で可決された。

テッパーは月曜夜に声明を発表し、市の協力に感謝の言葉を述べている。

「30年近く、シャーロットはカロライナ・パンサーズの本拠地であり、最近ではシャーロットFCの本拠地にもなっている」とつづったテッパーは「私たちはカロライナにいることを誇りに思い、これから何年にもわたって地域社会や選手、ファンのニーズに応える場を提供できることを楽しみにしている」と続けた。

サウスカロライナ州ロックヒルにあるパンサーズの練習施設や、シャーロットにあるシャーロットFC(メジャーリーグサッカー/MLS)の練習施設の建設が頓挫したことを受けて、複数の議員がテッパーとの間に“信頼関係の問題”を抱えていると、マルコム・グラハム議員は認めている。

とはいえ、グラハム議員は「シャーロットの未来に沿った先進的な取り組みだ」と述べ、賛成票を投じた。

一方で、ティアワナ・ブラウン議員は取引における透明性の欠如とテッパーの評判を理由に反対票を投じている。

ブラウン議員は昨季のアウェーゲームでテッパーがファンに飲み物を浴びせたことを引き合いに出し、「良い話に聞こえますが、テッパー氏を怒らせると市議会に何かを投げてくるかもしれません。6億5,000万ドルを要求する人の行動は馬鹿げています」と述べた。

2018年にテッパーがチームを買収して以来、パンサーズは苦戦を強いられており、6人のヘッドコーチ(HC)を採用しながらも31勝68敗という結果にとどまっている。2023年、クオーターバック(QB)ブライス・ヤングをドラフト全体1位で指名したパンサーズは、リーグワーストの2勝15敗でシーズンを終えた。

テッパーがチームを他の都市に移すことを検討している様子はなかったものの、結局のところ、市議会はパンサーズを失う可能性を避けたかったのだ。

かつてパンサーズに所属していた元ランニングバック(RB)ジョナサン・スチュワートはスタジアムの改修に賛成しており、「(チームが第50回スーパーボウルに出場した)2015年よりもさらにクイーンシティを輝かせるために、この機会を受け入れてほしい」と市議会に訴えていた。

パンサーズがバンク・オブ・アメリカ・スタジアムでプレーを始めたのは1996年だ。このスタジアムは現在、リーグの中でも特に古いものとされている。

しかし、パンサーズは7万2,000人を収容できるスタジアムは“良い骨組み”を持っており、比較的良好な状態を保っていると主張。とはいえ、リーグ内の他のスタジアムと肩を並べるのに大規模な改修が必要であることに変わりはない。

この提携案が3週間前に発表されたとき、テッパー――『Forbes(フォーブス)』誌によると、NFLで2番目に裕福なオーナーで、推定資産が206億ドル(約3兆2,889億1,360万円)だという――がすべての改修費用を負担すべきだと考える一部の住民から抵抗があった。

スタジアムの改修は2029年までに完了すると見込まれている。

今回の改良には、映像システムおよびオーディオシステムのアップグレード、基礎構造の近代化、コンコースの再設計、地平線を望めるユニークな社交エリア、地域の集会や活動の実施に利用できる外部スペースが含まれる。

スタジアム全体に新しい座席が設置され、施設全体のアクセシビリティが向上し、さまざまな障害を持つ人々が障壁なくアクセスできるように設計および建設される予定で、トイレも改修されることになっている。

また、南側の芝生パビリオンエリアは、試合日やイベントがない日にも、地域の集会場所や屋外教室として利用できるよう再考される予定だ。


記事提供:『The Associated Press(AP通信)』


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