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ファンタジーフットボールのトップRBとしての役割を取り戻すことを目指すコマンダースRBエイケラー

2024年06月27日(木) 13:19

オースチン・エイケラー【AP Photo/Adam Hunger】

ランニングバック(RB)オースチン・エイケラーはワシントン・コマンダースへの移籍を機に、2024年にファンタジーフットボールで最も多くの得点を生み出す選手としての役割を取り戻そうとしている。

現地26日(水)に配信された『NFL Network(NFLネットワーク)』の“The Insiders(ジ・インサイダース)”に出演したエイケラーは、以前にロサンゼルス・チャージャーズを離れた経緯について話した際に語った内容の真意を明らかにしたいと考えていたようで、自分が再び活躍する上でコマンダースが理想的な場所だと考えた理由を説明した。

エイケラーはNFLネットワークのトム・ペリセロに「何があっても、常に最高の状態でいようとするものだ」と話している。

「“わあ、オースチンが300回も走るのは嫌だと言っている。チャージャーズがそう言ったからだ”みたいなことを言っている人がいる。俺はそんなに多くのキャリー数を記録したことがない。だから、なんでみんなが騒いでいるのか分からない。ボールに触りたくないわけじゃない。俺が一番生産的だったのは、ランとキャッチの両方をやっているときだったという話だ。レッドゾーンにいるときもあれば、フィールドを走るときもあるというふうに、両方の環境があったときに一番生産性が高かった。今はバックフィールドにブライアン・ロビンソンもいる。俺がキャリアを開始して初めて成功をつかんだ場所でヘッドコーチ(HC)を務めていたアンソニー・リンも、ランニングバックコーチとしてついてくれているし、たぶん当時と同じような形で使ってくれると思っている。だから、成功をつかみ続けていた頃という原点に立ち返って、そこからさらに進んでいくつもりだ。オースチン・エイケラーに一番合う方法でね」

エイケラーが2017年にドラフト外ルーキーとしてNFL入りしてから、ファンタジーフットボールのドラフトで常に上位で指名されるようになったのは、NFLで最も愛されているストーリーの1つだ。身長約178cm、体重約90kgと筋肉質のエイケラーは、すべてのプレーで自分の仕事がかかっているかのような走りを見せる。エイケラーはそのようなプレースタイルで、相手ディフェンダーを悩ませると同時に、ランでもキャッチでも得点を狙える理想的なレッドゾーンの武器となっている。

『NFL Research(NFLリサーチ)』によると、エイケラーは2021年からの通算スクリメージタッチダウン数44回(ラン30回、レシーブ14回)でリーグトップに立っているとのこと。しかし、2023年シーズンは1,064スクリメージヤード、スクリメージタッチダウン6回(いずれも2021年以降で最低)と、エイケラーの基準からすれば物足りない結果に終わっている。そうしたことから、ジム・ハーボーHCの下で新時代を迎えるチャージャーズは、29歳のエイケラーを手放すことに抵抗がなくなったようだ。

しかし、NFLで8年目のシーズンを迎えるエイケラーは、新しいチームとシステムによって自信を失っているわけではない。そこから、ある疑問が生じている。ファンタジーフットボールのプレーヤーは今年の1巡目でエイケラーを指名すべきなのか?

ペリセロに質問されたエイケラーは「そうだ」と返答。

「聞かせてくれ。ファンタジーの世界では前のシーズンで判断されるから、ちょっと厳しいと思うんだけど、一貫性に関しては、健康状態が良ければあるだろ。確かに、去年はハイアンクルスプレインで4試合くらい逃したし、戻ってきてからも反対の足首を捻挫した。でも、健康な状態でフィールドに立っているとき、オースチン・エイケラーは結果を残している。ここでもそうなるはずさ。健康状態が良ければ、フィールドに立って成果を出す。俺が成果を出す姿は見てきただろ。だから、みんなが俺をチームに入れたがるはずだ」

コマンダースは近年、攻撃面で苦戦を強いられており、2024年には8年連続で異なるクオーターバック(QB)をシーズン第1週の先発に据えることになる。その任務を果たすのは、今年のドラフトで全体2位指名を受けた新人QBジェイデン・ダニエルズだ。ルイジアナ州立大学(LSU)の一員としてハイズマン賞を獲得したシーズンに、全米のクオーターバックの中で最多のランヤード(1,134ヤード)を記録したダニエルズは、ロバート・グリフィン三世がワシントンにやってきた2012年を彷彿とさせる興奮をすでに巻き起こしている。

コマンダースのオフシーズンプログラムに参加したエイケラーは、ダニエルズがフィールドの中と外で見せている姿の両方を気に入っているようだ。

「彼は完ぺきだし、ボールを見事に投げている」と語ったエイケラーはこう続けている。「彼が序盤から見せてくれているリーダーシップは最高だ。メッセージでルートのことを聞いてくれたり、練習中にも声をかけてくれたりする。“エイク、これについてやるべきことはこれだ”とか“このチョイスルートでどう思った?”というふうにね」

「彼は俺がクオーターバックに求めるすべての要素を持っているし、それを出会ってからの数週間で見せてくれている。彼の成長が楽しみだ。君が言った通り、うちには文化を築くためにたくさんベテランも集まっているしね」

“The Insiders”に出演したエイケラーはコマンダースでのカルチャー構築について引き続き言及。その取り組みで大きな役割を果たしているのが、コマンダースの新しいヘッドコーチ(HC)ダン・クインだ。長年、選手に寄り添うコーチとして知られているクインHCは、ライバルのダラス・カウボーイズから移籍してきており、2020年以来プレーオフに進出しておらず、2012年以来、二桁勝利のシーズンを達成できていないコマンダースを率いることになった。

新しいオーナー、まったく新しい体制、チームの将来を変える可能性のあるスタークオーターバックの獲得などを通して新時代を迎えたコマンダースには、やるべきことがたくさんある。エイケラーはバックフィールドで何でもこなせる武器として復活するだけでなく、コマンダースというフランチャイズが正しい方向に一歩ずつ進むように、ベテランのリーダーとしての役割を果たそうとしている。

エイケラーはコマンダースのディビジョンタイトル奪還について尋ねられた際に「俺にとって、重要なのはそこじゃない」と語り、こう続けた。

「NFC(ナショナル・フットボール・カンファレンス)西地区やスーパーボウルのことじゃなくて・・・今のロッカールームにあるものが大事なんだ。そんな先のことは考えられない。今はチームを一つにまとめるようなカルチャーをどう作るかが重要だ。今の俺たちはそういう段階にいる」

「俺が考えているのは、どうやったら今のメンバーで最高のチームになるかってことなんだ。新しい選手も多いし、新しい要素もたくさんある。去年のことなんて気にしていない。このリーグでは、最近の実績で評価される。でも、それはもう過去の話だ。チームとして前進する新しいチャンスがある。俺はここに座って、将来のことをあれこれ言うつもりはないし、将来に何をするかなんて気にしていない。今に集中しているんだ。今に集中しているのは、それが将来の結果につながっていくからで、それが俺たちのやりたいこと。もちろん、試合に勝つ方向に進みたいけれど、目の前にあるチャンスをしっかりつかまないと意味がない。今はカルチャーを築いて、いいチームメイトになって、何らかの基準に従って、何らかのカルチャーを受け入れて、責任感を持つことが重要だ。こうしたすべてのことがそろって初めて次のステップに進める」

【RA/KO】