DB市場の現状に疑問を呈しつつ、14シーズン目に向けて“確実に”準備を整えると語るFAのパトリック・ピーターソン
2024年07月08日(月) 14:55パトリック・ピーターソンは仕事を必要としているが、仕事を探しているベテランのディフェンシブバック(DB)は彼だけではない。
トレーニングキャンプの開始まで2週間を切った――ヒューストン・テキサンズのベテラン選手は現地7月17日(水)にキャンプに集合する――中で、多くのコーナーバック(CB)とセーフティ(S)が現在もオープンマーケットに出ており、ピーターソンもその1人となっている。
3月にピッツバーグ・スティーラーズに放出されてからフリーエージェント(FA)となっているピーターソンは、先日出演した自身のポッドキャストで、セカンダリーの選手たちはこのオフシーズンに各チームにとってセカンダリー(二の次)になっていると語った。
ピーターソンはポッドキャスト『All Things Covered(オール・シングス・カバード)』で共同ホストを務めるブライアント・マクファデンに「今のコーナーとセーフティの市場についてどう思う?」と尋ねている。
「ここはパスに重きを置くリーグだろ? 高いレベルでプレーしてきたハイレベルなディフェンシブバックたちがなんで今もフリーエージェントのままなんだ?」
『NFL.com』のグレッグ・ローゼンタールが選んだ2024年フリーエージェントトップ101のリストを覗いてみると、まだ契約を結んでいない11人のうち5人が現役のディフェンシブバックであることが分かる。その内訳は16位のCBスティーブン・ギルモア、37位のSジャスティン・シモンズ、58位のCBアドリー・ジャクソン、87位のSマイカー・ハイド、94位のCBアーケロ・ウィザースプーンだ。スティーブン・ネルソン(ランキングで55位に位置する)は今年6月に、31歳という年齢で引退することを表明した。
そのリストには、ピーターソンやザビエン・ハワード、クアンドレ・ディッグスといったプロボウルに選出された経歴を誇る選手が含まれておらず、彼らはキャンプが近づく中で仕事がない状態となっている。
29歳のシーズンを迎えるウィザースプーンを除くと、現在も所属先が決まっていないディフェンシブバックの共通点は30歳を超えていることだ。しかし、34歳のシーズンを迎えようとしている“奇跡”のようなピーターソンが示すように、年齢だけで彼らの最盛期が終わったとは言えない。
プロボウルに8回選出されたことがあるピーターソンは「電話がかかってきたら、確実にチームに加わる準備を整えるさ。もしそうなったらな」とコメント。
「前に、ある時期を過ぎたら何も考えないと思うって話したことは覚えている。でも正直、今はなんとなくやっているだけで、あまり真剣に考えているわけじゃない」
「でも、さっきも言ったように、誰かから電話がかかってきても大丈夫なように、コンディションを維持するために必要なことはしている」
2011年ドラフトの1巡目でアリゾナ・カーディナルスに指名されたピーターソンは、現在もフリーエージェントのままとなっている他のどのコーナーバックよりも輝かしいキャリアを歩んできたと言える。キャリア最初の8シーズンに毎年、プロボウルに選出されたピーターソンは、最初の5シーズン中3シーズンでオールプロのファーストチームに選ばれた(コーナーバックとして2回、パントリターナーとして1回)。そのキャリア通算インターセプト数(36回)は現役選手の中で最多となっている。昨季はスティーラーズで18試合に出場(うち17試合に先発出場)して2回のインターセプトを記録し、1試合を除くすべての試合で守備スナップの90%以上に参加した。プロフットボールの殿堂の2010年代オールディケイドチームにも選ばれたピーターソンは、将来的にゴールドジャケットを手にするかもしれない。
そうした功績があるからこそ、フリーエージェントとして運命を待つ中でも、ピーターソンは歳を重ねた他の多くのディフェンシブバックたちと同様に、心の平穏とクリアな気持ちを保っている。
「今年が終わった後、あるいはもう1シーズンプレーした後に何も起こらなかったとしても、自分は大きなケガもなく、手足も全部動かせて、股関節の問題とかもなく、無傷で現役を退くことができる幸運な選手の1人だと言うと思う」と語ったピーターソンは「もし神がもう1年プレーする機会を与えてくれるならそれを願うさ。でも、もしこれが最後だったとしても、自分は健康な状態で現役を退けるなと考えていた」と続けた。
【RA】