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ピアースHCがレイダースを率いることに満足しているWRアダムス

2024年07月10日(水) 13:23


ラスベガス・レイダースのデイバント・アダムス【AP Photo/Steve Marcus】

ワイドレシーバー(WR)デイバント・アダムスがラスベガス・レイダースで過ごしてきた時期は波乱に満ちていた。しかし、ハロウイーンにヘッドコーチ(HC)が解雇されたシーズンを経て、ベテランのアダムスはレイダースの今後について好感触を抱いている。

アダムスが楽観的な見方を示す理由を探すのは難しくはない。ヘッドコーチに目を向ければいい。解雇されたジョシュ・マクダニエルズの後任を務めて5勝4敗で2023年シーズンを終え、常任のヘッドコーチ職を得る可能性を自らつなげたアントニオ・ピアースHCだ。

アダムスはピアースHCが正しい選択であることを知っている。レイダースのオーナーであるマーク・デイビスがピアースを選ぶようにするために、アダムスは手段を選ばなかった。

現地9日(火)にケイ・アダムスがホストを務める『Up & Adams Show(アップ&アダムス・ショー)』に出演したアダムスは、デイビスがピアースを指名していなかったらどう思うかと尋ねられ、「今ほどいい気分ではなかったと思う」と答え、こうつけ加えている。

「それは確かだ。彼は本当に話しやすくて、一緒に仕事をするのが楽しいタイプの人だ。だから、要はフロントオフィスが他の選択肢を持たないようにするために、俺はできることはすべてやったんだ」

オールプロに3回選出されたことがあるアダムスは、レイダースに最後通告を突きつけたとまではいかなかったが、最も重要なチームメイトと協力して、デイビスにピアースを選ぶよう強く迫った。ピアースの姿勢やコーチングスタイルは、マクダニエルズとはまったく異なっており、ピアースが暫定コーチとして初勝利を収めた際、レイダースの選手たちはただお互いの背中をたたき合うだけでなく、葉巻を吸って祝っていたのだ。

アダムスは「俺はマーク・デイビスと話した」と語り、次のように続けている。

「夕食をともにして、それが俺にとってどれほど意味があるのか、そしてチームの他のメンバーにとってどれほど意味があるのかをじっくりと彼に伝えたんだ。もう一つの部分としては、実際にはそんなことをする必要もなかったけれど、俺はただ、すべての可能性を見逃さないようにしたかっただけだ。俺はただこれに取り組んで、“これに全面的に賛成だ”と言いたかったんだ」

「論より証拠。俺たちが変化をもたらしたときの違いを見てほしい。選手たちがどう感じたか。どれだけハードにプレーしたか。フィールドで得た結果。すべてが100万倍良くなったから、俺は他の選手たちの助けを借りて、良い状態をさらに良くしようとしていた」

「(ランニングバック/RB)ジョシュ(ジェイコブス)もそのことを口にしていた。もちろん、彼はもうチームにはいないけれど、同じ考えを持っていた。俺たち全員が同じようなアプローチを取っていて、(ディフェンシブエンド/DE)マックス(クロスビー)も、彼がここにいないのなら、俺たちの将来もどうなるか分からないと言ったんだ。これが真剣に受け止められるようにして、ありがたいことにうまくいったよ」

ピアースHCの選手としての過去——ラインバッカー(LB)としてNFLで9年間プレーした中で、ニューヨーク・ジャイアンツでスーパーボウル制覇を果たし、プロボウルに1回選出された——が、ロッカールームに自然に溶け込むのに役立ったのだろう。マクダニエルズの解雇後、レイダースは選手思いのリーダーに引き寄せられていた。レイダースはアダムス、クロスビー、現在はチームを去ったジェイコブスの意見を真摯に受け止め、ピアースの暫定タグを外し、正式なヘッドコーチに任命。これはオフシーズンにおける勝利だが、すべてのコーチに関して言えるように、最終的にその判断が正しかったかどうかは、シーズンの結果次第だ。

アダムスについて言えば、この動きはアダムスをレイダースにとどめるために必要だった。レイダースのコーチ探し中のアダムスの行動から判断すると、たとえ多額の報酬があっても、それだけでは十分ではなかっただろう。

今、アダムスは満足している。かつてのチームメイト(ジェイコブスや、ニューヨーク・ジェッツのクオーターバック/QB、アーロン・ロジャース)からの誘いも、アダムスの意志を揺るがすことはないはずだ。

ジェイコブスから届いた、グリーンベイ・パッカーズに戻ってくるように頼むメッセージについて尋ねられたアダムスは「それは間違いなく冗談だったけれど、あいつが本当にそれを望んでいるものだから、それは本気で言っている冗談だった」と明かし、こうつけ加えた。

「俺はあいつに、お前はそっちで頑張ってくれ、俺はここで頑張るからと言ったんだ。戻ることはないと思う。何が起こるかは分からない。もし俺がトレードされることがあれば、俺にできることはあまりないけれど、俺はレイダーだ。だから、誰も心配する必要はない」

同じことはロジャースにも言える。アダムスによると、ロジャースも“ずっと声をかけてくれている”そうだ。

「そんな簡単なことじゃない——もちろん、一緒になって昔のこと話をしたり、あれこれやる可能性について話したりすることはできるけれど、さっきも言ったように、俺はレイダーだし、彼もそれを分かっている。ひょっとしたら、来世(next lifetime)でね」

アダムスは意図せずにエリカ・バドゥの歌詞を引用したものの、自分の状況について迷っているわけではない。アダムスは準備万端だ。うまくいけば、レイダースはアダムスにとって価値のある場所となるだろう。

【KO】