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『ハードノックス』がFA前のジャイアンツとRBバークリーの交渉を特集

2024年07月11日(木) 14:31


セイクワン・バークリー【AP Photo/Adam Hunger】

『Hard Knocks: Offseason with the New York Giants(ハードノックス:オフシーズン・ウィズ・ザ・ニューヨーク・ジャイアンツ)』の第2話は、NFLのフリーエージェント(FA)がどのように展開されるのか、その裏側を覗き見るというユニークな内容だった。

ジャイアンツはフリーエージェントになろうとしていたランニングバック(RB)セイクワン・バークリーに関して大きな疑問を抱えたままオフシーズンを迎えていた。ジェネラルマネジャー(GM)ジョー・シェーンは前年のオフシーズンに騒動が生じたことから、バークリーとフランチャイズタグをめぐる駆け引きはしたくないと明かしていた。

まず、シェーンGMはアシスタントジェネラルマネジャーのブランドン・ブラウンと共に計画の概要を説明。それは、リング・オブ・オナーに迎えられるチャンスもあるため、ニューヨークでレガシーを築き上げるのはどうかとジャイアンツがバークリーに提案するというものだった。その過程で、シェーンGMはバークリーをチームにとどめるために設定した金額の上限を超えるつもりはないと明言している。

そして、シェーンGMとバークリーの代理人であるエド・ベリーの電話での会話が始まった。

シェーンGM:「この件については去年の11月からずっと対処してきた。私が心配しているのは、私たちが彼に何かを提示して、自分の希望通りじゃないからといって彼が少し腹を立てているときに、他のチームが私たちよりも100万ドルほど高い金額を提示してきて、彼が私たちに不満を抱き、見下されたと感じてチームを去ってしまうことだ。だから、私は彼をマーケットに出すつもりだ。単純に約束を守りたいだけなら、“彼はずっとジャイアンツの一員でありたいと言っていた。リング・オブ・オナー入りのチャンスもあるし、彼が考慮に入れなければならないことはたくさんある”と言えばいい。彼はまだまだプレーできると思っているし、価値を正しく理解しなければならないという話だ。データはそのままのことを示しているからね」

ベリー:「だから私は、夜に1人で部屋にいるときに“この子が去っても構わない”と思うのかと聞いたんだ」

シェーンGM:「ああ、悩んでいるんだ、エド。私は今も彼がプレーできると思っているし、私たちの助けになってくれるとも思っている。でも、市場の状況がよく分からないから、数字を持ち出したくなかったんだ。だからこそ、彼にどれくらいの価値があるのかをリーグに教えてもらってから、戻ってきてジャイアンツの一員になりたいなら、納得のいく条件を見つけていこうよって伝えようと思った。条件が近いなら話し合おうよってね。繰り返しになるが、私は彼がうちの中で最高のオフェンス選手だと思っているからだ」

その後、シェーンGMはバークリーに電話をかけ、市場に出すつもりであることを本人に伝えた。そして、シェーンGMは他チームからオファーがあった場合にはそれに対抗するチャンスを与えるように迫っている。

シェーンGM:「エド・ベリーと話したばかりなんだけど、よくよく考えてみた結果、君に市場を試してもらって、自分の価値を確かめてもらうのが正しいと思った。フランチャイズ(タグ)とかそういったことはもうやりたくないし、あんなことはもう経験したくない。私たちはお互いに経験しただろう。もし本当に最後までジャイアンツの一員でいたいと思っていて、ここに残り、戻ってくることに興味があるのなら、市場がどんな感じなのかを確かめるだけ確かめて、エドをもう一度呼べばいい。それから合意に至れるか見てみよう」

バークリー:「分かった。その気持ちに感謝している」

シェーンGM:「良い感じだと思う?」

バークリー:「うん」

シェーンGM:「約束してくれるのか? それともチャンスは与えてくれないのか?」

バークリー:「どういう意味? ぐるっと回って戻ってくるとか?」

シェーンGM:「ああ」

バークリー:「どこにいたいと思っているかは、すでに伝えたはずだし・・・」

シェーンGM:「分かった。そうだな。そうしよう。一旦出てみて市場がどう言うかみてみよう。それが正しいと思う。君のことが大好きだ。私がここにいる2年間で、君が組織のためにしてくれたことすべてに感謝している。何かを成し遂げるつもりはないとは言わないが、何らかの理由でうまくいかなかったとしても、組織が君自身と、君がしてきたことすべてを高く評価していることは分かっているだろう。だが、君が外に出て、市場を見た後に“俺がここにいたいと思っているのは知っているよね”と言って戻ってきてくれることを願っている」

バークリー:「分かった。みんなに感謝している」

結局、バークリーはジャイアンツの地区ライバルであるフィラデルフィア・イーグルスと3年3,775万ドル(約61億0,038万円)の契約を締結。シェーンGMとの会話での簡潔な返答から判断すると、ジャイアンツ幹部がバークリーに対する提示額を変えないつもりだったこともあり、バークリーは自分が最終的に他チームに行くことを分かっていた可能性がある。

今後のエピソードでは、ジャイアンツが実際にイーグルスのオファーに対抗する機会を得たのか、そして、共同オーナーのジョン・マーラを含む組織のメンバーがかつてドラフト全体2位で指名した選手の退団にどのように反応したかが明らかになるだろう。

【RA】