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昨季終盤の崩壊が2024年への「モチベーションを高める要因」になるとジャガーズHCペダーソン

2024年07月11日(木) 16:58


ジャクソンビル・ジャガーズのヘッドコーチ(HC)ダグ・ペダーソン【AP Photo/Chris O'Meara】

2023年シーズンを8勝3敗でスタートさせたジャクソンビル・ジャガーズは、12月に逆境に立たされるまではAFC(アメリカン・フットボール・カンファレンス)の第1シード争いに加わっていた。

5試合が組まれていた12月に、相次ぐ負傷(足首、脳しんとう、肩)に見舞われたクオーターバック(QB)トレバー・ローレンスは、3試合で途中退場し、シーズン第17週にはキャリアで初めて欠場を余儀なくされている。また、シーズン後半に苦戦を強いられていたジャガーズ攻撃陣には、ワイドレシーバー(WR)クリスチャン・カークが最後の5試合を欠場するという展開も待ち受けていた。不思議なことに、ジャガーズを12月で唯一の勝利に導いたのはバックアップQBのC.J.ビーサードだ。ローレンスがシーズン最終戦で復帰することが見込まれていた中で、この勝利はジャガーズが勝てばプレーオフに進出できるというシナリオを作り上げている。

しかし、ジャガーズはシーズン第18週に同地区ライバルのテネシー・タイタンズを下すことができず、転換点になると思われていたシーズンを、1勝5敗と精彩を欠く成績で締めくくった。ヘッドコーチ(HC)ダグ・ペダーソンはそうした悲惨な結末を2024年シーズンに向けてチームが“モチベーションを高める要因”になると見ている。

現地10日(水)、ペダーソンHCは『The Insiders(ジ・インサイダーズ)』に出演した際に「また有意義な試合ができるようになり、9月にプレーを再開するまで、この感情は長い間、燃え上がることだろう。だが、あんな終わり方は私たちの本来の姿ではないと思うことこそが、選手たちの燃料となり、モチベーションを高める要因になると思っている。フットボールチームとしてどんなことを経験しようと、誰もが逆境に立たされるものだし、ケガ人がでるのも避けられない。だが、そこで言い訳をしてはいけない。フットボールをプレーしなければならないのだ。だから、私たちとしては、あの経験から学び、トレーニングキャンプで気合いを入れて、懸命に取り組み、1試合ずつ集中して戦っていくしかない」

そのように不本意なシーズンを送った後も、デュバル郡にはいくつか希望の兆しがある。ジャガーズは約20年ぶりに2年連続となる勝ち越しシーズンを送り、それは2022年にペダーソンHCが就任してから実現している。スーパーボウルでの優勝経験があるペダーソンHCはジャガーズを立て直した。また、フロントオフィスもフリーエージェント(FA)やドラフトを通じて競争力のあるロースターを構築するために積極的に動いている。

ローレンスとラインバッカー(LB)ジョシュア・ハインズ・アレンが今オフシーズンに長期契約を獲得したことで、ジャガーズの展望は明るくなった。また、フリーエージェント(FA)だったワイドレシーバー(WR)ゲイブ・デービスやディフェンシブエンド(DE)アリク・アームステッドといった重要な選手を獲得したことは、フランチャイズの礎を固めることにつながっている。さらに、ドラフト全体23位でWRブライアン・トーマスJr.を指名したことも、2024年にすぐに効果をもたらすと見られている。

ペダーソンHCはジャガーズのオフシーズンについて「そうだな、それはゲイブ・デービスがバッファローで見せていたことだし、フィールドを広げる能力はまさにそうだと思う」とコメント。「彼は大柄で背の高いレシーバーで、中央を突き進むこともできれば、荒っぽくブロックすることもできていた。それは去年の私たちに少しだけ欠けていた部分だと言える。ゼイ(ジョーンズ)は少し疲れていたし、シーズンの最後にクリスチャン(ブラズウェル)の姿はなかった。クリスチャン(カーク)は健康を取り戻したが、私たちはカルビン・リドリーを失った。だが、今はゲイブとブライアン(トーマス)がいるし、ブライアンはカルビンの退団とともに私たちが失ったスピードの要素を持っている」

「すべてを統合していく必要がある。トレーニングキャンプを迎えるにあたり、早い段階で同じ考えを持たなければならないが、私は彼らと、彼らがどのように溶け込んでいくかにワクワクしている。(ジャマル)アグニューは戻ってこないが、デビン(ダバーネイ)もリターンゲームに別の要素をもたらしてくれるはずだから、私たちは良い状態にある気がする。大事なのは、一緒に取り組み、仲間意識を高め、全員の成功を後押しできるクオーターバックを中心にチームを作り上げることだ」

ジャガーズが今夏に進めることになる大きな調整として、新守備コーディネーター(DC)ライアン・ニールセンのスキームに慣れることが挙げられる。ジャガーズ守備陣は昨シーズン終盤を通して苦戦を強いられていたが、そうした状況はチームがオフェンス面で直面していた逆境によってさらに悪化していた。

ペダーソンHCはニールセンDCのスキームによって、才能はあるものの、昨季にサック数(40回)でリーグ内25位に沈んだ守備陣のパスラッシュが改善されると考えている。相手クオーターバックを追いかけることでも、昨シーズンに27回のテイクアウェイを記録してNFL内5位タイにつけたユニットにはより多くのチャンスが生まれるだろう。

オフェンスは昨季、健康状態が良好なときは正しい方向に向かっていた。効果的なディフェンスはそうしたオフェンスに素晴らしい影響を与えるだろう。それらはすべて、昨季の失敗を過去のものにしようとするジャガーズが一貫して取り組んでいることの一部だ。

ペダーソンHCはディフェンスについて「フットボールチームに関しては信頼がすべてだと思う」と語り、こう続けている。「選手は仲間とコーチを頼らなければならないし、コーチはお互いに頼り合わないといけない。良い時だけではなく、悪い時もね。もちろん、去年はスタッフにいくつかの変更があったし、ライアン・ニールセンと彼のスタッフをディフェンスに迎え入れた。彼のディフェンスに対する新しいアプローチや、ジョシュ、トラヴォン(ウォーカー)、新たに加わったアームステッドといった選手たちが、パスラッシュにおいて本当に助けになってくれるだろうし、以前よりももっと良くなるはずだ。うちのディフェンスにはいくつかの違いが見られるはずだし、それらはすべてポジティブなものだと思う。だが、それと同時に私たちは前進していく上で、全員が同じ方向を向いて連携していく必要がある」

【RA】