クオーターバック（QB）市場は年々、高騰しているように見受けられる。

今オフシーズンには、フリーエージェント（FA）としてアトランタ・ファルコンズと契約したカーク・カズンズや、それぞれのチームと再契約したジャレッド・ゴフ（デトロイト・ライオンズ）やトレバー・ローレンス（ジャクソンビル・ジャガーズ）など、またしても複数のシグナルコーラーが新たな契約を結んだ。

新たな契約を求めているマイアミ・ドルフィンズのQBトゥア・タゴヴァイロアは6月、チームとの契約交渉について「心配していない」と話していた。トレーニングキャンプを間近に控える中、ワイドレシーバー（WR）タイリーク・ヒルはタゴヴァイロアが十分な報酬を得るに値する理由を説明している。

ヒルは現地12日（金）に配信された『ESPN』の番組『SportsCenter（スポーツセンター）』で「ここでじっと座ってトゥアの評判を落とし、契約には値しないとか言っているやつらがいるのは、俺からしてみるとおかしい」とコメント。「チームのメンバーの多くは彼の価値も、自分たちに彼が必要なことも理解している。俺たちには彼が発揮するリーダーシップも、毎週もたらしてくれるメンタリティも必要なんだ。それはすでにあるし、彼はほとんどターミネーターみたいなもんだ。俺は彼がリーグで最も高給取りのクオーターバックの1人になるべきだと思っている」

タゴヴァイロアが2024年に最も高給取りのクオーターバックの1人になるには、年俸5,000万ドル（約79億0,415万円）前後かそれ以上を受け取る必要がある。『Over The Cap（オーバー・ザ・キャップ）』によると、現時点でその数字を超えているクオーターバックは、シンシナティ・ベンガルズのジョー・バロウ（5,500万ドル／約86億9,457万円）、ローレンス（5,500万ドル）、ゴフ（5,300万ドル／約83億7,840万円）、ロサンゼルス・チャージャーズのジャスティン・ハーバート（5,250万ドル／約82億9,936万円）、ボルティモア・レイブンズのラマー・ジャクソン（5,200万ドル／約82億2,110万円）、フィラデルフィア・イーグルスのジェイレン・ハーツ（5,100万ドル／約80億6,300万円）の6名とのこと。

キャリア5シーズン目を迎えようとしているタゴヴァイロアは昨シーズン、17試合に出場してパス成功率69.3％、タッチダウン29回を記録したほか、パスヤード（4,624ヤード）ではNFLトップに輝くなど、過去最高の成績を残している。それは、2022年シーズンに2度の脳しんとうに見舞われるなど、過去に何度もケガに苦しめられてきたタゴヴァイロアにとって、初めてフル出場を果たしたシーズンとなった。

以前、新たなWR市場で自分がどのくらいの価格帯に入るかを確認するのが「楽しみだ」と語っていたヒルは、自分がドルフィンズにトレードされてからの2年間でタゴヴァイロアが大きな成長を見せていることを知っている。ヒルには、タゴヴァイロアは新契約を得るに値する活躍をしていないと主張し、その実力を疑っている人たちに対するメッセージがあるようだ。

「トゥアの成長ぶりや、過去と現在の状態はたくさんの人に多くのことを物語っているはずだ」と話したヒルはこう続けている。「多くの人が“彼にはマクダニエルコーチ（ヘッドコーチ／HCマイク・マクダニエル）がプレーを指示しているし、あんなレシーバーもこんなレシーバーもいる”とか“彼にはあれだけのプレーメーカーがついている”とか言うけど、結局のところ、そのプレーメーカーたちにボールを渡さなきゃいけないっていうのは分かるだろ。毎週、クレイジーなディフェンシブエンド（DE）がエッジから突っ込んできて、自分の前に立ち塞がろうとしていることを知った上で、同じマインドセットで準備できていなきゃいけない。そのためにやることはたくさんある」

ドルフィンズのベテラン選手たちは7月23日（火）にトレーニングキャンプに集合する予定だ。タゴヴァイロアがそれまでに新たな契約を結べるかは、時が経てば分かるだろう。

【RA】