NFL MVPを2回受賞したことで、ボルティモア・レイブンズのクオーターバック（QB）ラマー・ジャクソンはすでにこのゲームの最高の選手の1人として名声を築いている。

そんなジャクソンに、ヘッドコーチ（HC）はさらなる飛躍を求めている。ジョン・ハーボーHCは現地21日（日）のスピーチで、ジャクソンがキャリアを終える前に到達できると信じている場所について詳しく説明した。

そのハードルは驚くほど高い。

『Associated Press（AP通信）』 によると、ハーボーHCは「われわれがともに抱いているビジョンは、ラマー・ジャクソンがナショナル・フットボール・リーグ史上最高のクオーターバックとなり、その名を知られるようになることだ」と述べ、こうつけ加えたという。

「それがビジョンだ。それはラマーと彼の仕事に対する姿勢や素晴らしい才能によって、また、チーム全員が力を注いで、チームとして一丸となり、チームワークを発揮しつつ、神の恵みと神の善意があってこそ実現する。それが実現する方法だ。われわれがすでにそれを見たかのごとく、私はそれを信じている」

確かに、それはジャクソンの2度のMVPシーズンと、その間の多くの場面にあらわれていた。きらめくようなスター選手であるジャクソンは、現代フットボール界で最も刺激的なプレーの数々を、どちらかと言うと日常的に繰り出している。

しかし、批判的な人ならすぐに指摘するように、ジャクソンは最も待ち望まれているもの、すなわちヴィンス・ロンバルディトロフィーをいまだに持ち帰ったことがない。

昨シーズンのレイブンズはスーパーボウル出場まであと一歩のところまで来ていた。AFC（アメリカン・フットボール・カンファレンス）の第1シードを手に入れ、AFCチャンピオンシップゲームまで勝ち進んだが、オフェンスが予期せぬ行き詰まりに苦しみ、最終的に第58回スーパーボウルの覇者となったカンザスシティ・チーフスに17対10で敗れている。

ハーボーHCはジャクソンが優勝リングを1つか3つ持ち帰らなければ、このような高尚な話題に加わることはないだろうと理解している。とはいえ、ジャクソンが何者なのかを知っているハーボーHCはそういったことで思いとどまらず、次のようにコメントした。

「私はいろいろと読んでいる。彼らが話す内容はショーで見ている。少なくとも、彼らの映像は携帯に届くから、見ているね。ラマーについて素晴らしいことが語られていることはたくさんあるが、この人はいったい何を考えているのかと首をひねって、不思議に思うようなこともたくさんある。われわれは個人攻撃ととらえている」

「ラマーは生涯を通じて、ずっと同じ質問に答えてきた男だ。私が話しているのは、彼が子どもの頃から、中学、高校、大学、ドラフト、そしてナショナル・フットボール・リーグでの成功に至るまでのことだ。そして、今でもそれは続いている」

ジャクソンはレイブンズをけん引する原動力だ。ハーボーHCはその点について記者団に遠慮なく語り、2019年にジャクソンが加入して以来、レイブンズがジャクソンを中心に2つのオフェンスを構築してきたと指摘。そのいずれも変わることはなく、レイブンズの最終目標も変わることはない。

ハーボーHCのビジョンを実現できるかどうかはジャクソンにかかっている。

【KO】