罰金が科されることを知りながらエジプトを訪れたジェッツQBロジャース、サラーHCとは「素晴らしい関係」
2024年07月25日(木) 11:21クオーターバック(QB)アーロン・ロジャースのエジプト旅行には、航空運賃と宿泊費に加え、ニューヨーク・ジェッツからの罰金5万ドル(約765万円)以上の追加費用がかかったものの、ロジャースは参加必須のミニキャンプを欠席したことを理由に罰金を科すというチームの決断にまったく問題を感じていない。
現地24日(水)、ロジャースはトレーニングキャンプの場で“30年”にわたって憧れていたエジプトに行くという決断について振り返っている。
ロジャースは報道陣に「すべてのOTA(チーム合同練習)に参加するようにしていた」と語り、こう続けた。
「身体検査の日にも、ミニキャンプにも参加した。練習は2回欠席した。それについてはチームメイト全員と話し合った。彼らはチームの中というよりも外の問題だと理解してくれていたと思う」
「ロバート(サラー、ヘッドコーチ/HC)とは素晴らしい関係で、オフシーズンを通して素晴らしい会話を重ねてきた。昨晩も彼のオフィスで遅くまで楽しく会話した。それが現実さ。俺は大人だし、自分が何をしようとしているのか分かっていた。罰金を科されることも、自分がどれだけエジプトに行きたいかも分かっていた。スケジュール的に被らなければよかったんだけど、それは仕方がなかった」
NFLの現行の団体労働協約(CBA)に従い、参加必須のセッションを2回欠席した40歳のロジャースには、5万0,861ドル(約778万円)の罰金が科される。サラーHCは当初、ロジャースの欠席を“無断欠席”だと説明し、ロジャースは確かに罰金が科されたと認めた。昨年のオフシーズンの日程に基づいて6月の旅行計画を立てていたロジャースは、今年の日程が発表された時点で予定を変更しようとしたが、それがかなわなかったと明かしている。
ロジャースはミニキャンプに至るまでオフシーズンプログラムに参加していた上に、シーズン開幕の約2カ月前に軽い練習を2回休んだだけだったにもかかわらず、大きな話題が乏しい時期ということもあり、今回の旅行は外部で騒がれる要因になった。
ロジャースはロッカールームの中はすべて順調だと確信している。
一方のジェッツは、スーパーボウル制覇のチャンスをものにすることに集中している。2023年シーズンはロジャースが4回目のプレーでアキレス腱(けん)を断裂したことで、そのチャンスは突如として消え去った。ジェッツがスーパーボウルを制覇できるかどうかはロジャースの回復に大きく左右されるだろう。
ロジャースは復帰について「少し時間がかかると思う」と話している。「気分は最高だ。ここ10年間、トレーニングで使っている西部の施設ですべての数値を追跡しているんだけど、動きの部分は去年とまったく同じだし、実際にはスクワットで前よりちょっと強くなっている。あとはレップスが必要なだけ。100%の状態になるための最後の5%はメンタルにかかってくる」
大きなケガから復活し、40歳でありながら素晴らしい成績を残すのは簡単なことではないが、AP通信MVPに4回選出された経歴を持つロジャースを見くびってはいけない。たとえ動きが鈍くなったとしても、ロジャースにはそれを補える腕の才能とフットボールIQがある。また、チームには上から下まで才能のある選手がそろっている状態だ。
ジェッツは昨季、精彩を欠いていたオフェンスのせいで苦境に立たされたものの、ディフェンスは被得点で12位につけている。また、ワイドレシーバー(WR)ギャレット・ウィルソンやランニングバック(RB)ブリース・ホールといったダイナミックなプレーメーカーたちは、実績のあるフランチャイズQBのもとでさらなる進化を遂げる準備ができている。
すべてがうまくいけば、エジプトから約7,000マイル離れたニューオーリンズで実施される第59回スーパーボウルにつながるだろう。ジェッツはそこで、第3回スーパーボウルを最後に到達していないNFLのピラミッドの頂に立つことを目指している。
「それが目標であるべきだ」と語ったロジャースは「素晴らしいのは、毎年8チームから12チーム、もしかしたらそれより少ないかもしれないけど、実際にそれを成し遂げる可能性があるチームがあるということ。俺たちはその8チームから12チームのうちの1つだ」と続けている。
【RA】