連邦判事が「サンデーチケット」訴訟での7,011億円の評決を覆し、NFLに有利な判決に
2024年08月02日(金) 17:20『Sunday Ticket(サンデーチケット)』加入者がNFLを相手取って起こした集団訴訟で、連邦判事は陪審員が下した47億ドル(約7,011億6,480万円)の評決を覆し、NFLに判決を言い渡した。
アメリカ地方裁判所のフィリップ・グティエレス判事は現地1日(木)に加入者側の証人2名の証言が不十分な方法論に基づいていたため、除外されるべきだったとの判決を下した。
グティエレス判事は16ページに及ぶ判決文の最後にこう記している。
「(ダニエル)ラッシャー博士と(ジョン)ゾナ博士の証言がなければ、どんな合理的な陪審員でも集団全体の傷害や損害賠償を認定できなかっただろう」
NFLは判決後に発表した声明でグティエレス判事に感謝の意を表し、次のように述べた。
「サンデーチケット集団訴訟における本日の判決に感謝している。われわれはNFLのメディア配信モデルが、無料テレビ放送による全試合のローカル放送を含め、ファンが好む試合をフォローするためのさまざまな選択肢を提供していると考えている。グティエレス判事には、この訴訟に時間を割いていただいたことに感謝するとともに、2024年のNFLシーズンを楽しみにしている」
陪審団は6月27日、NFLが日曜日の午後に行われ、地域外では放送されない試合をプレミアム配信サービスで配信したことは独占禁止法に違反するとの判決を下し、家庭用および商業用加入者が請求した47億ドルの損害賠償を認めていた。
この訴訟は2011年シーズンから2022年シーズンにかけて『DirecTV(ディレクTV)』で放送地域外の試合を見るためのパッケージ料金を支払っていた、アメリカ国内の住宅契約者240万人と企業4万8,000社を対象としている。
男性5名、女性3名で構成された陪審団は、NFLが居住者団(家庭向け加入者)に46億1,033万1,671ドル74セント(約6,872億4,139万円)、商業者団(企業向け加入者)に9,692万8272ドル90セント(約144億4,866万円)の損害賠償責任を負うと判断していた。
連邦独占禁止法の下では、損害賠償額が3倍になる可能性があるため、NFLは最大141億2,177万9,833ドル92セント(約2兆1,048億8,658万円)の責任を負う可能性があった。
2015年から続いているこの訴訟で、NFLが法的に勝訴したのは今回が初めてではない。
2017年、アメリカ地方裁判所のビバリー・リード・オコンネル判事は訴訟を棄却し、NFLに有利な判決を下した。オコンネル判事はサンデーチケットがNFLの試合の放映数を減らしておらず、『DirecTV』はこのパッケージを放送するためにNFLと交渉しなければならなかったことから、たとえ価格をつり上げた可能性があったとしても、それは「それ自体としては競争の妨げにはならない」と判断している。
その2年後、第9巡回控訴裁判所はこの訴訟を再開。
原告側は再び第9巡回控訴裁判所に控訴する可能性が高い。
記事提供:『The Associated Press(AP通信)』
【KO】