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今季をスティーブ・グリーソンとALS啓発に捧げるジェッツPモーステッド

2024年08月07日(水) 15:14


ニューヨーク・ジェッツのトーマス・モーステッド【AP Photo/Doug Murray】

パンター(P)トーマス・モーステッドのパントは今シーズンのニューヨーク・ジェッツのフィールドポジションを変える以上の意味を持つことになるようだ。

ベテランのモーステッドは元ニューオーリンズ・セインツのスペシャルチームのスターであるスティーブ・グリーソンに敬意を表し、“Punt for ALS(パント・フォーALS)”キャンペーンの一環として、敵陣20ヤードライン以内にキックを落とすごとに1,000ドル(約14万6,000円)を寄付すると現地6日(火)に発表した。

NFLの元セーフティ(S)のグリーソンは2011年にALS(筋萎縮性側索硬化症、別名:ルー・ゲーリック病)と診断された。そのグリーソンは先月、ESPYS(Excellence in Sports Performance Yearly Award/スポーツ・パフォーマンスの年間最優秀賞)の授賞式でArthur Ashe Award for Courage(アーサー・アッシュ・カレッジ賞)を受賞している。

グリーソンが設立した非営利団体『チーム・グリーソン財団』はALS患者が目的を持って生きるためのプログラムや支援サービスを提供している。

モーステッドは自身のキャンペーンを発表する声明の中で「スティーブは生涯を通じて、彼自身の多くを他の人々に捧げてきた。彼が非営利団体“チーム・グリーソン財団”を通じて行っている、素晴らしい活動への関心を高めることで、彼に恩返しをするのにふさわしいタイミングだと思った。NFLでの16年目のシーズンをスティーブと彼の財団に捧げられることを光栄に思うと同時に張り切っている」と述べた。

モーステッドの“Punt for ALS”キャンペーンはALSへの関心を高める目的で立ち上げられており、ジェッツのパンターであるモーステッドは最低でも1万ドルを寄付すると約束。モーステッドは昨シーズンにキャリア最多となる36回のパントを敵陣20ヤードライン以内に落とした。

モーステッドはチームメイト、対戦相手、ファンにも『チーム・グリーソン財団』への寄付を呼びかけている。

一度もチームメイトにはなっていないものの、12シーズンにわたってセインツでプレーしていたモーステッドとグリーソンは何年もかけて親交を深めている。モーステッドはハリケーン・カトリーナからのルイジアナ州ニューオーリンズ市の復興にグリーソンが一役買っていることもよく知っていた。

グリーソンは2006年9月25日に行われたセインツ対アトランタ・ファルコンズの試合——ニューオーリンズでの約21カ月ぶりの試合——でパントをブロック。それをコーナーバック(CB)カーティス・デロアッチがエンドゾーンでリカバーしてタッチダウンを決めた。セインツがニューオーリンズに戻ってきて最初にあげたこの得点を記念して、パントをブロックしているグリーソンの像が2012年にシーザーズ・スーパードームの外に設置された。

試合後、グリーソンはソーシャルメディアに「おい、ファルコンズ。#NeverPunt(パントはするな)」と書き込んでいた。これはグリーソンのモットーになっており、先日、モーステッドがグリーソンをサプライズ訪問した際にもこのモットーで楽しんでいる。

モーステッドはグリーソンに「これをするのを10年待っていた」と話し、グリーソンが着用している“#neverpunt”と書かれたTシャツの“never”という言葉を線で消した。

グリーソンは声明で次のように記している。

「感謝は神聖なものだ。計り知れない苦しみの中で、私は日々の感謝の日記をつけ始めた。感謝は立ち直る力、強さ、そして喜びへの道となっている。トーマスの友情とサポートには信じられないほど感謝している。彼と、ALSコミュニティにより大きな影響を与えるために集まった、すべての人々に感謝している」


記事提供:『The Associated Press(AP通信)』


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