OLBレディックがトレードを要求も、ジェッツはトレードしないと表明
2024年08月13日(火) 11:34ニューヨーク・ジェッツがオフシーズンにアウトサイドラインバッカー(OLB)ハサン・レディックを獲得したことは、パスラッシュの才能を持つ選手を豊富にそろえているチームがさらなる富を手に入れた例だと見られていた。
数カ月が経過した現在、その株は暴落しているようだ。『NFL Network(NFLネットワーク)』のイアン・ラポポートが現地12日(月)に報じたところによると、契約問題を理由に先月から始まったジェッツのトレーニングキャンプをホールドアウトしているレディックが、今度はトレードを要求しているという。
今回のトレード要求はジェッツが新契約をまとめられなかった、あるいはレディックにキャンプに姿を現すよう説得することすらできなかった結果だとラポポートは伝えている。ジェッツも考えを変えるつもりはないようで、月曜午後にこの件に関する声明を即座に発表して強硬な態度を示した。
ジェッツのジェネラルマネジャー(GM)ジョー・ダグラスは「私たちはハサンに、トレードするつもりはなく、チームメイトと共にここにいることを期待しており、集合しない場合はCBA(団体労働協約)に従って罰金を科し続けることになると伝えた」と述べている。
「3月にトレードの話し合いをしてから、私たちは明確かつ率直で、一貫した立場を貫いてきた。レギュラーシーズンに向けて準備を進めていく中で、私たちは引き続きここにいる選手たちに焦点を当てている」
契約最終年に1,425万ドル(約20億9,685万円)を稼ぐ予定のレディックはもともと、現行契約に不満を持っていたことが原因でジェッツに加入している。レディックが不満を表明していたことから、フィラデルフィア・イーグルスはトレード相手を探すことになったのだ。イーグルスは29歳のエッジラッシャーを獲得する見返りとして条件付きの2026年ドラフト3巡目指名権を喜んで手渡してくれるジェッツという相手を見つけた。
レディックがこの4シーズンでプロボウルに2回選出され、50.5回のサックを記録してきたことを踏まえると、ジェッツにとっては簡単な決断だったようだ。ジェッツは退団したブライス・ハフの代わりに、パスラッシュ能力で試合の流れを変えることが可能な実績のあるベテラン選手を手に入れている。その数カ月後、レディックにとって金銭面が重要な要素であることを思い知ったジェッツは、合意に至らなかったことを受けて、イーグルスと同じ道を歩まざるを得なくなっているのかもしれない。
レディックはアリゾナ・カーディナルスで、本来のポジションとは異なるインサイドラインバッカー(ILB)としてキャリアを開始。カーディナルスがレディックに最も適した役割を与えたのは、4年目(そして最後)のシーズンになってからだった。レディックはその役割に応じて、カーディナルスとの契約最終年にサック12.5回を記録。その後、カロライナ・パンサーズで1年間プレーしたレディックは、そこでもサック11回という素晴らしい成績を収めた。それ以降も常に安定した成績を残しており、フィラデルフィアを去ったのは、イーグルスが多くの報酬を支払うことに乗り気ではない様子だったからだった。
9月に30歳の誕生日を迎えるレディックは、今が稼ぎ時であることを知っている。それを実現させるためには、近いうちにジェッツに集合しなければならないのかもしれない。そうしなければ、長期契約を手に入れていない状態で数百万ドルの罰金を科されることになるだろう。
【RA】