数々のチームを渡り歩いてきたQBジョンソン、レイブンズのQB2に定着する見込み
2024年08月19日(月) 14:52“NFLのジャーニーマン”の定義を説明する文章に写真がついているとすれば、それはクオーターバック(QB)ジョシュ・ジョンソンのものになるだろう。
38歳のジョンソンはこれまでに7つのチームでプレーし、14のフランチャイズと契約を結んできた。
しかし、その長く曲がりくねった道のりは、ボルティモア・レイブンズのバックアップクオーターバックとして確固たる地位を築くという形で落ち着きそうだ。
ジョンソンは現地17日(土)に13対12で勝利したアトランタ・ファルコンズ戦で、パス11回中11回を成功させて120ヤード、タッチダウン1回、インターセプト0回、パサーレーティング142.4と素晴らしい成績を残している。プレシーズン第1週では精彩を欠く数字を残していたジョンソンだが、今回は安堵(あんど)のため息をつけるようなパフォーマンスを見せた。
チーム公式サイトによると、ジョンソンは「先週はイライラしていた」と語り、こう続けたという。「自分が自分自身にも、このオフェンスにも、もっと期待していることは分かっている。でも、ユニットとして成長しなければならない部分があったことも分かっているし、俺たちはその部分に集中してきた気がする」
「あの日はたまたまひどい日になったけど、俺たちには別の機会があった。あれを乗り越えて改善してきた。そして、これからまた積み重ねていくつもりだ」
1週間前に行われたフィラデルフィア・イーグルス戦で、ジョンソンはパス12回中4回成功で62ヤード、タッチダウンなし、パサーレーティング51.4とふるわなかった。そのパフォーマンスによって、ジョンソンがラマー・ジャクソンのバックアップを務める準備ができているのか、あるいはレイブンズはその仕事を任せるために他のベテランと契約すべきなのかといった疑問が生じた可能性もある。しかし、ヘッドコーチ(HC)ジョン・ハーボーと攻撃コーディネーター(OC)トッド・モンケンはジョンソンを疑っていなかった。そして、ファルコンズ戦での活躍を見て、ハーボーHCは満足している。
「彼はとてもいいプレーをしていたと思う。ジョシュは素晴らしい仕事をした」とハーボーHCは述べた。
ジョンソンはまさに他に類を見ないNFLキャリアを歩んできたと言えよう。
『Pro Football Reference(プロ・フットボール・レファレンス)』におけるジョンソンのページを見てみると、約90件ものトランザクションがリストアップされている。
ジョニー・キャッシュの“I’ve Been Everywhere(どこへでも行ってやろう)”はジョンソンのフットボールキャリアを最もよく表している曲かもしれない。
ジョンソンは2008年NFLドラフトの5巡目でタンパベイ・バッカニアーズに指名されてから、39試合に出場してきた。また、9試合で先発を務め、2,280ヤード、タッチダウン13回、インターセプト16回を記録している。ジョンソンはそれらの記録をバッカニアーズ、クリーブランド・ブラウンズ、シンシナティ・ベンガルズ、ワシントン・レッドスキンズ(現コマンダース)、ニューヨーク・ジェッツ、レイブンズ(前回所属時)、サンフランシスコ・49ersでプレーする中で積み重ねてきた。
しかし、ジョンソンは49ersに所属していた2022年シーズンを最後にレギュラーシーズンゲームに出場していない。
ジョンソンはインディアナポリス・コルツ、バッファロー・ビルズ、ニューヨーク・ジャイアンツ、ヒューストン・テキサンズ、オークランド・レイダース(現ラスベガス・レイダース)、デトロイト・ライオンズ、デンバー・ブロンコスにも所属していた。
合計で14のNFLチームに所属してきたジョンソンだが、アライアンス・オブ・アメリカンフットボール(AAF)やエクストリーム・フットボール・リーグ(XFL)に属していた時期もある。XFLはユナイテッド・フットボール・リーグに統合されたため、ジョンソンのキャリアはAAFやXFLといった春に実施されていたリーグよりも長く続いていることになる。
ジョンソンはついにボルティモアで落ち着くことができるかもしれない。土曜日に見せたパフォーマンスはそれが実現する可能性を示している。
「実行するのは気持ちがいい」と語ったジョンソンは「今週は実行することにもう一度集中して取り組んだ。タイミングやルートの詳細、クオーターバックの足の動きなど、パスゲームで効率よくなるために必要な細かい部分すべてに取り組んだ。でも、練習での成果をフィールドで発揮できたから、そこに関しては良い気分だ」と続けている。
【RA】