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「みんなNFC南地区を嫌いたがっている」とバッカニアーズQBメイフィールド

2024年08月21日(水) 15:44


タンパベイ・バッカニアーズのベイカー・メイフィールド【AP Photo/Chris O'Meara】

2024年シーズンに向けて、掲示板のネタが豊富なディビジョンがあるとすれば、それはNFC(ナショナル・フットボール・カンファレンス)南地区だろう。

少なくとも、それがタンパベイ・バッカニアーズのクオーターバック(QB)ベイカー・メイフィールドの見解であり、おそらくそれは間違っていないだろう。

ドリュー・ブリーズやトム・ブレイディの時代は過ぎ去り、それとともに同地区内の選手たちの高い目標もなくなったかもしれない。それでも、NFC南地区は上昇の一途をたどっているというのが、メイフィールドの考えだ。

バッカニアーズの公式記録によると、メイフィールドは現地20日(火)に「このディビジョンがこれからも向上していくのは明らかだ。みんなNFC南地区を嫌いたがっているけど、ここは競争の激しいディビジョンだ」と語ったという。

とはいえ、内部での競争が激しいことと、カンファレンスやリーグのヒエラルキーの一部としての像とは、必ずしも一致しない。

2023年に素晴らしいプレーでバッカニアーズを3年連続のディビジョン制覇に導き、自身は初のプロボウル選出と高額の延長契約を勝ち取ったメイフィールドの言葉を借りれば、NFC南地区が嫌われる理由については多くの統計的証拠がある。

2021年シーズン以降、NFC南地区は統計上では、いまだにカンファレンス内で最下位の地区であり、NFL全体の記録でも下から2番目に位置している。

2021年の冬、バッカニアーズはNFLの頂点に立った。トム・ブレイディ率いるバッカニアーズは2020年シーズンを締めくくる第55回スーパーボウルで優勝。しかし、忘れられがちなことだが、その年のバッカニアーズはNFC南地区を制することさえできていない。ニューオーリンズ・セインツがディビジョンタイトルを獲得していたのだ。

同地区が複数のチームをプレーオフに送り出したのはこれが最後だった。

バッカニアーズは2021年以降、30勝21敗という成績を残しており、ディビジョンで唯一勝ち越しのチーム(セインツ25勝26敗、アトランタ・ファルコンズ21勝30敗、カロライナ・パンサーズ14勝37敗)となっている。『NFL Research(NFLリサーチ)』によれば、この期間のNFC南地区の総合成績は90勝114敗で、勝率は0.441となり、AFC(アメリカン・フットボール・カンファレンス)南地区(85勝117敗、0.422)に次いで2番目に悪い成績だという。

『NFL Research』によると、ディビジョンの総合得点差はマイナス301点とのこと。これもAFC南地区に次いで2番目に悪い記録となっている。

メイフィールド率いるバッカニアーズは昨シーズン、ディビジョナルラウンドに進出して話題を呼んだ。そこでデトロイト・ライオンズと対戦し、相手に全力に立ち向かうも敗退している。

とはいえ、4年連続のディビジョン制覇を狙うバッカニアーズは、レギュラーシーズンでは9勝8敗だった。

2022年シーズンの一部をパンサーズで過ごした後、昨年はバッカニアーズでプレーし、今季にはNFC南地区で3年目のシーズンを迎えるメイフィールドはこうコメントした。

「俺たちは些細なことをきちんとやるようになったからこそ、今年は全員が自分の仕事をして、細部に徹底的にこだわるようになった。だから、オフシーズンやトレーニングキャンプを重ねるごとに良くなってきたと思う。だからこそ、自分たちにはアイデンティティがあると言える。実際にフィールドに出て、プレーしてみると違うし、相手ディフェンスに対して何が得意なのかも分かる。この時点で、自分たちが何者か分かっていると感じるんだ」

2023年、バッカニアーズは序盤こそ3勝1敗と好調なスタートを切ったものの、その後の7試合で6敗を喫し、最後には力強いフィニッシュを飾った。昨季の終盤では、バッカニアーズは6試合中5試合で勝利を収め、ディビジョンのライバルチームに3勝をあげている。

しかし、それは昨年の話であり、2024年にはさらに厳しいディビジョンになると予測しているメイフィールドは、次のように語った。

「アトランタがフリーエージェントで大きな話題を呼んで、みんなが興奮しているけど、セインツが去年も同じことをしたことにもみんなが興奮していた。俺たちにとって重要なのは——トッド(ボウルズ、ヘッドコーチ/HC)がほぼ毎日言っていることなんだけど——自分自身と競い合って、毎日向上するよう努めて、小さなことを一歩ずつ大事にして、最終的に自分がどの位置にいるかを確認することだ」

「大事なのはディビジョンのことじゃなくて、最後に控えている大きなものなんだ。でも、そこ(ディビジョン)からスタートして、そこから築いていかなければならない。もちろん、俺たちのスケジュールがそうなっているのは確かだけど、自分たちのディビジョンは向上しているんだから、毎週、準備をしなきゃならない。いずれにしても、それがこのリーグの性質なんだ。俺たちの競争がもっと激しくなっていることにワクワクしているよ」