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ジャイアンツWRスレイトンがQBジョーンズに対する「否定的な風潮」を非難

2024年08月24日(土) 18:36


ニューヨーク・ジャイアンツのダニエル・ジョーンズ【AP Photo/John Locher】

ニューヨーク・ジャイアンツのワイドレシーバー(WR)ダリウス・スレイトンはチームメイトのクオーターバック(QB)ダニエル・ジョーンズを、言葉による批判から守るために立ち上がった。

ジョーンズを批判する新たな事件は今週初めに起きた。現地21日(水)に行われた合同練習後に、ニューヨーク・ジェッツのコーナーバック(CB)ソース・ガードナーがジョーンズについて尋ねられた際、言葉に詰まっていたのだ。2019年にジョーンズと同じドラフトクラスでジャイアンツに加わったスレイトンは、ジョーンズが批判されやすい標的になっていると語っている。

『The New York Daily News(ニューヨーク・デイリー・ニュース)』のパット・レナードによると、スレイトンはガードナーについて「彼の意図が何だったのかは分からない」と話し、こうつけ加えたという。「彼がツイートで、たぶん気が散ったとか、そんな感じで言っていたのを見たけど、それで間が空いたのかもしれない。でも、何であれ、とにかく・・・ある人に対して否定的な風潮があると、それに乗じて悪く言うのは簡単だ。ただ、それが事実とは限らないし、特に今回は真実じゃない。彼はジョーンズを毎日見ているわけでもないからね」

ジョーンズを取り巻く問題の一部はジャイアンツに対する注目度の高さにあるとスレイトンはコメント。それはプライムタイムの試合や米国内最大のメディア市場であるニューヨークに拠点を置くことが関係している。27歳のスレイトンは自分のクオーターバックを擁護する中で、ジャクソンビル・ジャガーズのQBトレバー・ローレンスや、ロサンゼルス・チャージャーズのQBジャスティン・ハーバートに対しても間接的な批判を放った。

スレイトンは「俺たちはプライムタイムによくプレーしているし、メディアにも多く取りあげられている。俺たちはジャイアンツだからね。もし、俺たちがジャガーズだったら——だって、誰もトレバー・ローレンスについて何も言わないだろ。ジャスティン・ハーバートに関しても同じだ。実際、ほとんどの人にジャスティン・ハーバートのことを聞けば、たぶん彼がトップ5のクオーターバックだって言うだろう。でも、どういう論理で? 彼がトップ5のクオーターバックだって言える根拠が本当にあるのか?」と語り、次のように続けている。

「彼がそういう能力を持っていると信じているのは、彼の強い腕を見て、体が大きくて背が高くて、まるでロケットのようなボールを投げる強肩を持っているからだろ。彼の判断力が優れているとか、頭がいいとか、そういうことを勝手に想像している。実際に知っているわけでもないのにさ」

スレイトンが自分のクオーターバックを擁護しているのは称賛に値する。しかし、ジャイアンツがドラフトでクオーターバックを指名することを見越してトレードアップを検討した理由もまた存在している。

ジョーンズとハーバートのプレーを比較すると、統計でも映像でもジャイアンツに有利な結果にはならない。ジョーンズはこれまでに3,205ヤード以上を投げたことがない。対するハーバートは4シーズン中3シーズンで4,300ヤード以上を記録している(2023年は13試合で3,134ヤード)。ハーバートの才能や頭脳、判断力を絶賛する歴代のコーチや現役のコーチの言葉を信じてもいいだろう。

スレイトンは2023年3月に1億6,000万ドル(約230億9,840万円)の延長契約を結んだジョーンズを引き続き擁護し、ほかのクオーターバックは同じような厳しい批判にさらされていないと示唆した。

「お金のことだけど、それがクオーターバックの相場だよ。デレック・カーについて誰も言及していないだろ。デレック・カーは実際にいいクオーターバックだと思うんだ。ただ、言いたいのは、セインツが何を成し遂げたかっていうことさ」とコメントしたスレイトンは次のように続けている。

「デレック・カーが3週連続で悪いプレーをしても、誰も何も言わない。今季のプレシーズンで彼がどうだったのかすら知らない。プレシーズンでいいプレーをしたのか悪いプレーをしたのかも分からない。でも、D.J.(ダニエル・ジョーンズ)は“Good Morning Football(グッド・モーニング・フットボール)”で取りあげられている。扱いが違うんだ。でも、それが現実なんだよ」

スレイトンは明らかに、カーやニューオーリンズ・セインツの攻撃陣が今オフシーズンに苦戦していると報じたルイジアナ州バイユーのニュース記事をまったく読んでいないようだ。

こうした“他の人はどうなんだ論法(whataboutisms)”はもう十分だろう。

スレイトンが指摘するとおり、ジャイアンツの選手たちはほかの選手なら免れるような厳しい目にさらされている。これはビッグアップルのチームでプレーすることの両刃の剣だ。勝てばすぐに称賛されるが、苦戦すれば途方もないレベルで非難される。その注目があったからこそジョーンズは年平均4,000万ドル(約57億7,460万円)の契約を得られたのであり、今はケガから復帰するジョーンズの苦戦ぶりに光が当たっている。

こうした“風潮”の一番いい点は風向きによって変わるということだ。ジョーンズ、スレイトン、そしてジャイアンツのほかの選手たちは、シーズンが16日後に始まれば、そのストーリーを変えることができる。

【KO】