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ビルズが元レスリング五輪金メダリストのDTスティーブソンを放出

2024年08月28日(水) 15:25


バッファロー・ビルズのゲイブル・スティーブンソン【NFL】

NCAAチャンピオンやオリンピックの金メダルへの挑戦とは異なり、ディフェンシブタックル(DT)ゲイブル・スティーブンソンがバッファロー・ビルズの53人ロースターに入るのは難しかった。

スティーブンソンは最終ロースターに残れず、現地27日(火)にリリースされたと『NFL Network(NFLネットワーク)』のマイク・ガラフォロが伝えている。ガラフォロはスティーブンソンが火曜日のロースターカット後に練習生に加わる可能性があるとつけ加えた。

北米史上最も偉大なアマチュアレスラーの1人であるスティーブンソンは、ワールド・レスリング・エンターテインメント(WWE)でのキャリアが不成功に終わった後、今年5月にビルズとディフェンシブラインマン(DL)として契約していた。

世界クラスのアスリートであるスティーブンソンだが、フットボール経験の不足から、ビルズでロースタースポットを獲得するのは難しかったようだ。

スティーブンソンはビルズのプレシーズン初戦で、初めてフットボールの試合に出場。総合的に見て悪くないパフォーマンスを見せ、14回のスナップに参加してタックル1回、クオーターバック(QB)プレッシャー1回をマークした。ビルズのプレシーズンゲーム全3試合に出場したスティーブンソンは、合計でタックル3回、QBヒット2回を記録している。

24歳のスティーブンソンはミネソタ大学のゴールデン・ゴーファーズに在籍していた際に83勝2敗の戦績を残し、NCAAヘビー級チャンピオンに2回輝いた。また、NCAA最優秀レスラーに贈られるホッジ・トロフィーを2回受賞。その後、2021年に開催された東京オリンピックにおいてフリースタイルレスリングで金メダルを獲得している。

優秀なレスラーをラインマンに転向させるという試みは、NFLにおいてまったく新しいコンセプトというわけではない。

傑出した大学レスラーだったスティーブン・ニールやカールトン・ハセルリグは、それぞれニューイングランド・ペイトリオッツとピッツバーグ・スティーラーズで活躍していた。2人ともフットボールの経験があったのに対し、スティーブンソンにはまったくその経験がなかったのだ。

最も有名なのは、ブロック・レスナーかもしれない。レスナーはミネソタ・バイキングスの開幕ロースター入りに挑戦したが、結果は不成功に終わっている。そのことを踏まえれば、スティーブンソンの比較相手としては、WWEとアルティメット・ファイティング・チャンピオンシップ(UFC)で大成功を収めたレスナーが一番しっくりくると言えるだろう。

スティーブンソンは以前、総合格闘技やプロレスでのキャリアを検討していた。

プロレスがうまくいかなかったスティーブンソンは現在、別の岐路に立っている。スティーブンソンは練習生として別のチームと契約可能なのか、あるいは総合格闘技(MMA)に挑戦できるのかを検討するかもしれない。ひとまず現時点では、スティーブンソンのNFLへの夢は一時的に保留状態となる。

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