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ペイトリオッツQBブリセットが新人メイを抑えてシーズン第1週の先発QBへ

2024年08月30日(金) 11:47


ニューイングランド・ペイトリオッツのジャコビー・ブリセット【NFL】

2024年シーズン開幕に向けて、ニューイングランド・ペイトリオッツはベテラン選手を起用する方針だ。

『NFL Network(NFLネットワーク)』のイアン・ラポポートが情報筋の話をもとに報じたところによると、ジャコビー・ブリセットがドラフト1巡目指名の新人QBドレイク・メイを抑え、ペイトリオッツのシーズン第1週の先発クオーターバックに指名されたという。ペイトリオッツも後にこの決定について発表している。

ヘッドコーチ(HC)ジェロッド・メイヨは現地29日(木)に記者団に対して、「この選択に至るには多くの要素があった。難しいのは、短期的なことと長期的なことを同時に考えることだと思う。しかし、組織としては、ジャコビーが今、われわれに一番勝つチャンスをもたらしてくれると感じている」と語った。

メイがプレシーズンの終盤にかけて急成長したことを踏まえると、今回の決断は少し驚きだ。9月8日(日)に敵地でシンシナティ・ベンガルズと対戦するシーズン初戦では、ブリセットがペイトリオッツを率いることになる。

フリーエージェント(FA)として契約したブリセットは、オフシーズンプログラム開始時にはペイトリオッツの先発クオーターバックに位置づけられていた。しかし、プレシーズンの終盤にかけて、メイが先発の座を狙って強力なアピールを見せており、メイヨHCがメイは「より良いプレーをしている」と認めるほどだった。それでも、ペイトリオッツは慎重なアプローチを選び、メイにブリセットの後ろでベンチから学ばせることに決めた。

21歳のメイは2024年NFLドラフト1巡目で指名された史上最多タイに当たる6人のクオーターバックの1人として、ドラフト全体3位で指名を受けた。シカゴ・ベアーズのケイレブ・ウィリアムズ(全体1位)、ワシントン・コマンダースのジェイデン・ダニエルズ(2位)、デンバー・ブロンコスのボー・ニックス(12位)はそれぞれシーズン開幕週に先発する予定だ。アトランタ・ファルコンズのマイケル・ペニックスJr.(8位)と同様、メイはバックアップを務めることになる。一方、ミネソタ・バイキングスのJ.J.マッカーシー(10位)は最も残酷な運命をたどり、半月板を断裂してルーキーシーズンを欠場することになった。

31歳のブリセットはプレシーズン最終戦でコマンダースと対戦した際に肩を損傷。日曜日の時点では深刻なものではないと見受けられており、木曜日の経過を見る限り、そのケガは深刻ではないことが明らかになっている。

ブリセットは最終的には、ペイトリオッツの正クオーターバックとなるメイへの橋渡しとなるだろうが、現時点ではブリセットがペイトリオッツでの新時代の幕開けを担うことになる。

シーズン開幕時にブリセットを先発クオーターバックに起用することは、最終的にメイにとってプラスになるかもしれない。ペイトリオッツのワイドレシーバー(WR)陣とオフェンシブライン(OL)には多くの不確定要素があるからだ。また、ペイトリオッツはシーズン開幕から、ベンガルズ、シアトル・シーホークス、ニューヨーク・ジェッツとの対戦を控えており、厳しい道のりが待ち受けている。その後も2023年にプレーオフ進出を果たしたチーム(サンフランシスコ・49ers、マイアミ・ドルフィンズ、ヒューストン・テキサンズ)との3連戦が続く。

2016年にペイトリオッツからドラフト指名されたブリセットがシーズン第1週で先発を務めるのは、今回でキャリア3回目、そして3チーム目となる。2019年にはインディアナポリス・コルツの先発クオーターバックとしてシーズン開幕戦に出場し、2022年にはクリーブランド・ブラウンズで代役としてシーズン第1週に先発。2023年にコマンダースでプレーしていたブリセットは、リリーフとして3試合に出場し、224ヤード、タッチダウン3回、インターセプトなしの成績を残している。

そして今回、ブリセットはペイトリオッツの開幕戦で先発を務めることになり、フォックスボロでのメイ時代の幕開けを遅らせることになった。ブリセットとペイトリオッツがシーズンをどのようにスタートさせるかが、ノースカロライナ大学出身のメイがデビューするタイミングに大きな影響を与えることは間違いない。

【KO】