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チーフス戦での最終プレーは「今でもタッチダウンだと思っている」とレイブンズQBジャクソン

2024年09月08日(日) 17:14


ボルティモア・レイブンズのアイザイア・ライクリー【AP Photo/Ed Zurga】

ボルティモア・レイブンズはカンザスシティ・チーフス戦で怒涛(どとう)の追い上げを見せたが、わずかなミスで勝利をものにできなかった。

第4クオーターを迎えた時点で10点の差をつけられていた中、クオーターバック(QB)ラマー・ジャクソンは2回にわたる長いドライブでレイブンズに勝利のチャンスを与えた。プレー13回のポゼッションで比較的容易なフィールドゴールをしっかりと決めて27対20まで追い上げたレイブンズは、ディフェンスが相手の得点を阻止した後、77ヤードのドライブを展開し、再び得点を挙げる寸前まで迫った。ジャクソンが2回のパスに失敗したことで、レイブンズは試合終了まで残り5秒のところで最後のチャンスを迎えている。

エッジから現れたチーフスのディフェンシブエンド(DE)クリス・ジョーンズを回避したジャクソンは、エンドゾーン後方にいたタイトエンド(TE)アイザイア・ライクリーにパスを通した。ボールを確保しようと動いたライクリーは、その過程でチーフスのラインバッカー(LB)ニック・ボルトンに押されている。審判はタッチダウンと判定したが、ビデオレビューの結果、ライクリーのつま先がわずかに白いラインに触れていたことが判明した。

ジャクソンはその証拠が真実を示しているとは納得していない。

チーム公式記録によると、ジャクソンは試合後に「タッチダウンだと思った。タッチダウンだと思ったし、今でもタッチダウンだと思っている」と話したという。

ジャクソンと同様に、自分のつま先がラインを越えていたとの判定に納得できない様子のライクリーは「今となっては、その判定を受け入れるしかない」と語ったが、証拠を否定するような発言はしなかった。

「俺のせいだ」と強調したライクリーはこう続けている。「両足をちゃんと入れておかないといけなかった。すべてをキャッチしなきゃいけないと自分に言い聞かせて、みんなが最高の状況を作れるようにしているからこそ、自分で責任をとる。次は両足をつけるつもりだ」

それはキャリア3年目のライクリーにとって素晴らしい夜を締めくくる完ぺきな結末になるはずだった。レシーブ9回で111ヤードと、キャリア最高の成績を収めたライクリーはタッチダウンにも成功。2022年シーズン第18週に新人として100レシーブヤード以上を記録したライクリーは、レイブンズのタイトエンドとして初めて、1試合での100ヤード超えを2シーズン以上にわたって達成した選手となった。

ライクリーが最も注目を集めたのは49ヤードのタッチダウンキャッチだ。運動能力の高いライクリーはスペースでワイドレシーバー(WR)が使うようなフェイントを駆使し、その身体能力を見せつけている。つま先が問題となった最後のプレーの2プレー前に、ライクリーはエンドゾーン後方で負傷したが、1回のスナップを逃した後に復帰し、逆転勝利をもたらすまであと一歩のところまで迫った。

ヘッドコーチ(HC)ジョン・ハーボーは「アイザイアは本当に素晴らしい試合をした。最もクレイジーな試合だった」と述べている。「特に試合の後半は次々とプレーを決めていた。アイザイアは素晴らしいフットボールゲームを展開したと思う。彼のことも、他の多くの選手のことも誇りに思っている」

レイブンズは終盤に反撃を試みたが、試合を通じてミスが続いていたことで、アウェーでの逆転勝利のチャンスを逃した。レイブンズは7回のペナルティ(64ヤード)を科され、中でもオフェンシブタックル(OT)ロニー・スタンリーは相次いでフラッグを投げられている。キッカー(K)ジャスティン・タッカーは試合前半に53ヤードのフィールドゴールに失敗。ディフェンスはチーフスのWRラシー・ライスによるスラントに圧倒されていた。また、オフェンシブラインは序盤に苦戦し、ジャクソンもいくつかのパスに失敗している。特に、試合の終盤はミスが続いていた。

LBロクアン・スミスは「これが今シーズン最悪の試合になるだろう。それは保証する」と話している。

その考えに同意しているライクリーは、次のようにチーフスに対して皮肉めいた発言もした。

「これは俺たちにとって今シーズン最悪の試合になるだろうから、もしこれが彼らのベストだったなら、ポストシーズンでの幸運を祈っているよ」

レイブンズと同じように、落球やドライブを失速させるミスを繰り返していたチーフスも、今回の試合を最高の出来だとは考えていないだろう。

レイブンズは2023年シーズンのAFC(アメリカン・フットボール・カンファレンス)チャンピオンシップゲームと同様の形で惜敗を喫した。エキサイティングなシーズン開幕戦を経て、1月にまた再戦が実現することを期待しよう。

【RA】