WRヒルが拘束された出来事について語るドルフィンズHCマクダニエル
2024年09月10日(火) 12:40現地9日(月)に報道陣の取材に応じたマイアミ・ドルフィンズのヘッドコーチ(HC)マイク・マクダニエルは、複数の選手が日曜日にジャクソンビル・ジャガーズ戦に臨むべくハードロック・スタジアムに向かう途中で警察官に拘束された出来事について質問された際に、感情を抑えきれない様子を見せた。
「私個人としては、考えれば考えるほど、動揺しないようにするのが難しい」とマクダニエルHCは述べている。
「それはチームメイトのことを考え、彼らが感情的に説明してくれた状況に自分も立ってみようとしたからだ。率直に言うと、私の感情が乱れているのは、それがどんな感じなのかを自分が正確には理解できていないと分かっているからだ」
ドルフィンズのワイドレシーバー(WR)タイリーク・ヒルはフロリダ州マイアミ・デイド警察に一時的に手錠をかけられ、拘束された。ドルフィンズはヒルの行為を軽微な交通違反と説明している。また、2019年NFLウォルター・ペイトン・マン・オブ・ザ・イヤー受賞者であるディフェンシブエンド(DE)カライス・キャンベルも、スタジアムに向かう途中で“状況の緩和”を図ろうとしてその場に立ち止まった際に警察官に手錠をかけられ、拘束された。
ヒルとキャンベルはともに黒人だ。自身をバイレイシャルと認識しているマクダニエルHCは、米国における人種と警察の問題について質問されている。
マクダニエルHCは月曜日に「これには2つの側面がある。というのも、これまでの人生で気づかされたことがある一方で、単純にこの見た目だから、外見で判断された経験がないので、理解しきれない部分も多い」と報道陣に話した。
「それがどう影響するかは分からないし、特に私はただただ無力感を覚えるときがある。だが、これは私の中で生まれる感情ではなく、実際にその状況にある人々に関することだ。私がより感情的になっているのは、共感を重視することに多くの時間を費やしているからだろう。本当の意味で理解することができないと分かっていると、その分からない部分に打ちのめされてしまう。私にできるのは予測だけだが、自分の予測よりももっと悪い場合もあるのかもしれない。幼い頃から、人種関係やそれに関連するすべてのことについては、外から見ているだけだった。ひとつ言えるのは、私は自分の見た目によって疎外感を感じずに済んでいるということだ」
選手たちが経験したことを完全には理解できないかもしれないということを踏まえた上で、日曜日のような出来事を受けて選手たちにどのようなメッセージを伝えるかと質問されたマクダニエルHCは次のように答えている。
「何よりも耳を傾けることが大切だと思う。人生は自分が小さな存在だと気づかせてくるものだし、自分の言葉が何の意味も持たないときがあるということを認識するのが大事だと思う」
マイアミ・デイド警察のステファニー・V・ダニエルズ署長は日曜午後に声明を発表し、今回の出来事に関する内部調査を開始したことと、調査が行われている中、関与した警察官の1人が休職処分を受けたことを明らかにした。また、ダニエルズ署長とマイアミ・デイド警察は月曜日に、現場にいた警察官のボディカム映像を公開している。
マイアミ・デイド郡のダニエラ・レヴィーン・カヴァ郡長は、事件に関与した警察官の行動に関する調査が“疑問に対する答えになるだろう”と述べた一方で、今回の問題がすでに、長きにわたって全国的に議論されている警察による実力行使の問題の一部になっていると指摘した。
月曜日、今回の状況では適正手続きが踏まれることが重要だと報道陣に述べたマクダニエルHCは、こうコメントしている。
「判断を急ぐ前に、情報が集まるのを待つことが非常に重要だと考えている。いずれにしても、私に寄せられた感情が不安であったことは理解している。だが、今回の逆境から気づいたことが2つある。それは、チームメイトがチームメイトであることへの誇りと、その地域における市民としての責任を理解し、それにふさわしい行動を取ろうとしていた選手たちに対する誇りだ」
【RA】