WRヒル拘束時の映像を見て「別の方法で緩和できたはずだ」とドルフィンズQBタゴヴァイロア
2024年09月11日(水) 11:46現地10日(火)、マイアミ・ドルフィンズのクオーターバック(QB)トゥア・タゴヴァイロアが、ワイドレシーバー(WR)タイリーク・ヒルの拘束時の様子を捉えたボディカメラ映像を確認したと報道陣に語り、当時の状況は“別の方法で緩和できたはずだ”とコメントした。
タゴヴァイロアは毎週実施されている記者会見で「タイリークの声を映像で聞いたときは、タイリークのことを知っているだけに、ちょっと感情的になってしまった」と話している。
「普段目にするのは知らない人たちの出来事で、知らない人たちに起こることだけど、今回は自分が知っている人に起こったし、映像を通してタイリークの声が聞こえるような状態だった。俺たちはあのことについて話したし、ちょっと感情的になった。自分があの状況に置かれたら、どう対処していたかは分からない。自分自身が経験したことがないことについては話せない。ハワイで育ってきた中で、ああいう経験は一度もしたことがない。でも、彼は俺がサポートしていることを知っている」
「正しい方法で対処されたとは思わない。違う形でできたことがたくさんあったと思う」
月曜日に公開されたボディカメラの映像には、日曜日に行われたジャクソンビル・ジャガーズ戦の前に、車両停止命令を受けたヒルが乗っていたスポーツカーの窓を閉めたため、警察官がヒルの腕と頭をつかんで車から引きずり出し、顔を地面に押しつけるようにして無理やり押さえつける様子が映っていた。
映像からは、マイアミ・デイド郡の警察官とヒルのやり取りが急速にエスカレートし、警察官がヒルに対して罵声を浴びせたものの、ヒルは抵抗したり、攻撃したりしなかったことが確認できる。
月曜日、映像が公開された後に声明を発表したドルフィンズは、ヒルやディフェンシブエンド(DE)カライス・キャンベル――ヒルと同じく日曜日に一時的に拘束された――そしてタイトエンド(TE)ジョンヌ・スミスに対する行為に関して悲しみを表明した上で、関与した警察官に“厳正な処置”を求めた。
『NFL Network(NFLネットワーク)』のトム・ペリセロが火曜日に報じたところによると、ヒルは歩行者や自動車交通量が多い道路を時速60マイル(時速約97km)で走行したことによる不注意運転とシートベルト違反で違反切符を切られ、合計308ドル(約4万円)の罰金を科せられたという。
タゴヴァイロアは火曜日に報道陣に対し、ハードロック・スタジアムのテレビでニュースを見るまで、日曜日の試合前にヒルに何が起こったのか知らなかったと明かした。
「ロッカールームでは動揺しているようには見えなかった」とタゴヴァイロアはヒルの様子を振り返っている。
タゴヴァイロアによると、今回の出来事は警察官による取り締まりや、警察権力にまつわるさまざまな経験についてロッカールームで話し合うきっかけになったという。変化を起こす方法についてもチーム内で議論したと明かしたタゴヴァイロアは、次のように語った。
「タイリークが俺たちを集めて、変化をもたらすために行動を起こそうとしているのは分かっている。彼がいくつかアイデアを提案してくれて、俺たちは自分たちがどうしたいのかを話し合うために集まっている。もちろん、今週のことについて考えるつもりだけど、来週にはまた集まって、自分たちの身近にある問題に対処するためにどうすればいいのかを話し合うつもりだ」
ドルフィンズ(1勝0敗)は現地12日(木)にホームで、シーズン序盤における重要な一戦としてライバルのバッファロー・ビルズ(1勝0敗)と対戦する。シーズン第2週に向けて準備を進める一方で、日曜日の出来事を軽視せずにフットボールに集中することが重要だと、タゴヴァイロアは強調している。
タゴヴァイロアは「重要なのは、明白なことを避けないことだと思う」と主張し、「それは現実だし、そのまま受け入れて、成り行きに任せよう。自分たちがそれを軽視して、フットボールが自分たちにとって一番重要だと考え始めるとき、これは単にタイリークだけの経験じゃなくて、一般の人たちが経験することだということを考えないと。それは人生の一部だ。俺たちはフットボールをプレーする機会に恵まれている。このスポーツに取り組み、好きなことを楽しんでお金を稼ぐ機会に恵まれている。でも、あれが現実で、そこに遊びの要素はない」と続けた。
【RA】