1試合30回のキャリーを期待してRBヘンリーと契約したわけではないとレイブンズHCハーボー
2024年09月11日(水) 11:50ランニングバック(RB)デリック・ヘンリーがボルティモア・レイブンズの一員として、初めてクオーターバック(QB)ラマー・ジャクソンと一緒に出場した試合で、目立った記録を残すことはなかった。
カンザスシティ・チーフスとの試合でレイブンズの選手としてデビューを飾ったヘンリーは、13回のキャリーで46ヤードを獲得して、タッチダウンも決めたが、後半ではわずか3回のキャリーで13ヤードしか記録していない。
現地9日(月)にヘッドコーチ(HC)ジョン・ハーボーは、「ヘンリーを連れてきた理由は、1試合に30回もボールを持たせるためではない」とチームの公式サイトで説明している。
「彼は過去にそれをこなしてきたが、ここでの計画は違う。われわれの計画は、デリック、ラマー、タイトエンド(TE)のマーク・アンドリュースとアイザイア・ライクリー、ワイドレシーバー(WR)のゼイ・フラワーズ、ラショッド・ベイトマン、ネルソン・アグホローを総力で組み合わせて、オフェンスを展開していくことだ」
ハーボーHCの発言に特に驚きはない。レイブンズは、ジャクソンがボールを持っている時に最も効果的に機能するチームだ。ヘンリーの加入は攻撃に新たな脅威をもたらすものの、ジャクソンの負担を軽減することを主目的としていたわけではない。先週にジャクソンは16回のランで122ヤードを記録している。
「試合ごとに面白く、いろいろな展開があるだろう」とハーボーHCは述べ、こう続けた。
「ランゲームに関しては、全体としておおむね良かった。ブロックがもう少し改善できるプレーもあったが、非常に良く機能していたプレーもあった。何より、ラン全体で185ヤードを記録した。大半はラマーによるものだが、それがわれわれの方程式だ。つまり、全員が貢献することが重要であり、特定の選手だけに頼るつもりはない」
レイブンズはヘンリーに30回のキャリーを与えるつもりがないように、ジャクソンの負担も減らしたいところだろう。ジャクソンの16回のキャリーは、他のレイブンズのRB全員の合計(14回)を上回っている。月曜日の練習を欠席したジャクソンについて、『NFL Network(NFLネットワーク)』のマイク・ガラフォロは、ジャクソンは体全体に痛みを抱えているものの、週の後半には練習に復帰する予定だと報じている。
木曜日の試合でより注目すべき点は、レイブンズのバックフィールドでRBジャスティス・ヒルがサードダウンのプレーを決め、パスキャッチもこなせるRBとして重要な役割を果たしたことだろう。ヘンリーはすべてのダウンでプレーしないため、その分負担が軽減されている。とはいえ、体重約112kgのヘンリーは通常、第4クオーターで疲れたディフェンスを相手に真価を発揮する選手であるため、後半にわずか3回しかキャリーがなかったのは意外だった。
もちろん、今後ヘンリーに大きな負荷がかかる試合もあるだろうが、30歳のランニングバックにそれを期待するのが基本プランではないことは明らかだ。
「評価はシーズンを通して行うのが最も適切だと思っている」とハーボーHCはオフェンスの計画について語った。
「デリックが100ヤード以上走る試合も必ずあるだろうし、その時はきっと“どうしてゼイが2回しかキャッチしていないんだ?”と聞かれることになるだろうね。シーズンが進む中で、そういったことが起こる可能性は十分にあって、それはチームにとって良いことだ。われわれは、そういう意味で予測不能なチームでありたい。試合が進むにつれて、どのような展開になるかはその時次第だ」
ヘンリーがフィールドにいることで、ジャクソンにさらに多くのランのチャンスが生まれ、レイブンズのレッドゾーンでの攻撃力も一層向上するだろう。しかし、ヘンリーがリーグ最多のキャリーを記録していた時代は、すでに過去のものとなったようだ。
【R】