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QBカズンズは「健康」でシーズン初戦では「サビ」を取り除いたとファルコンズHCモリス

2024年09月11日(水) 14:52


アトランタ・ファルコンズのカーク・カズンズ【AP Photo/Butch Dill】

現地8日(日)に本拠地で行われたピッツバーグ・スティーラーズ戦で、初めてアトランタ・ファルコンズの一員としてプレーしたクオーターバック(QB)カーク・カズンズは、100パーセントの状態には見えず、試合には18対10で敗れた。しかし、ヘッドコーチ(HC)ラヒーム・モリスは月曜日に、ベテランQBであるカズンズは以前に負傷したアキレス腱(けん)の影響を受けたわけではないと主張している。

チーム公式サイトによると、モリスHCは「カークは健康だと感じている。ここに来てから、復帰してからずっと健康だ」と述べたという。

カズンズはミネソタ・バイキングスに所属していた2023年のシーズン第8週にアキレス腱を負傷。それでもファルコンズはカズンズと、1億ドル(約141億0,139万円)を保証する4年1億8,000万ドル(約253億8,250万円)の契約を締結した。

36歳のカズンズはプレシーズンゲームには出場しなかったが、トレーニングキャンプの練習では制限を受けていなかったと報じられている。

観客の視点から見ると、カズンズは日曜日の試合の大半でうまく動けていなかった。ポケットから抜け出せずにいたカズンズが、完全に軸足に力を込められていない場面もあった。カズンズのこの日の成績は、パス26回中16回成功で155ヤード(シーズン初戦のパスヤードとしてキャリアで2番目に少ない)、タッチダウン1回、インターセプト2回、パサーレーティング59.0にとどまっている。

カズンズが抱えていたいくつかの問題の原因は、しばらくプレーしていなかったことによる“さびつき”にあるかもしれないとモリスHCは述べた。

ファルコンズのゲームプランは、モリスHCの“カズンズは健康だ”という主張とは矛盾しているように見えた。ファルコンズがカズンズをアンダーセンターにおいたのは1回のみ(ランニングバック/RBビジャン・ロビンソンの10ヤードラン)。『Next Gen Stats(ネクスト・ジェン・スタッツ)』によると、カズンズはドロップバックごとに3.1ヤードのスクランブルヤードしか獲得できず、過去9シーズンのどの試合よりも1ヤード少なかったという。また、カズンズは50プレー中26プレーをピストルフォーメーションから実行。もっとも驚くべき点は、ファルコンズがプレーアクションパスを一度も使用しなかったことだろう。それは、新攻撃コーディネーター(OC)ザック・ロビンソンが学んだロサンゼルス・ラムズのショーン・マクベイHCのシステムにおける基本戦術だ。

カズンズの健康状態がプレーコールに影響したのかと質問されたモリスHCは「すべては対戦相手に応じたゲームプランに合わせた状況次第になる」と返答。「フィールドに出て、自分たちがやろうとしていることや、やりたいプレーに合わせて選手を配置し、良いポジションでブロックできるようにする場合、ピッツバーグ・スティーラーズが擁している異質な選手たち相手には、そうした部分を理解しようとしなければならない」

“異質な”強さを誇るアウトサイドラインバッカー(OLB)T.J.ワットを擁するスティーラーズ守備陣が、カズンズとファルコンズ攻撃陣を混乱させたことは確かに評価に値する。しかし、ファルコンズには単純に優秀なディフェンスと対峙すること以外にも問題があった。

モリスHCは「2つのフェーズでは勝利につながるようなプレーができたと思うが、オフェンスのフェーズでは勝利につながるようなプレーができなかった」と振り返っている。

ファルコンズでは、カズンズがサビを取り除き、これまで以上に機動力を見せることが期待されている。とはいえ、ドラフト1巡目指名を受けたマイケル・ペニックスJr.が控えている中、カズンズとオフェンスが苦戦を続けるようであれば、モリスHCが新人にチャンスを与えて高給取りのカズンズをベンチに下げるのではないかという疑問は必然的に浮上するだろう。

【RA】