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苦戦するジャイアンツQBジョーンズを気の毒に思うバイキングスLBグリーナード

2024年09月11日(水) 16:03


ニューヨーク・ジャイアンツのダニエル・ジョーンズ【AP Photo/John Locher】

ニューヨーク・ジャイアンツのクオーターバック(QB)ダニエル・ジョーンズがトレーニングキャンプでミネソタ・バイキングスのコーナーバック(CB)ソース・ガードナーに残した印象は、なんともコメントしづらいものだった。

ジョーンズとジャイアンツがバイキングスとのシーズン初戦で見せたプレーは、ジャイアンツファンをブーイングに駆り立てている。

厳しい批判を浴びているジョーンズはどうやら、現地8日(日)に対戦相手にさえ同情を抱かせたようだ。

バイキングスのアウトサイドラインバッカー(OLB)ジョナサン・グリーナードは『Power Trip Morning Show(パワー・トリップ・モーニング・ショー)』に出演した際、バイキングスが28対6で勝利した時のジョーンズについて、次のように語っている。

「彼がやりたいことをすべて完全に封じ込めているうちに、ちょっと彼のことが気の毒に思い始めていた。その反対側にいるのはいいことだし、そっち側に立たないようにすることが俺たちの仕事だ」

グリーナードとバイキングスによって恐怖に陥れられたジョーンズは、パス43回中22回成功で186ヤード、インターセプト2回、パサーレーティング44.3という成績に終わっている。バイキングスはジョーンズに対して5回のサックを記録し、ジョーンズは18回のプレッシャーを受けた(プレッシャー率36.7%)。

ジャイアンツオフェンスの成果はキッカー(K)グラハム・ギャノによるフィールドゴール2本にとどまっており、それはバイキングスのラインバッカー(LB)アンドリュー・バン・ギンケルが稼いだ得点と同じだった。バン・ギンケルは10ヤードのインターセプトリターンタッチダウンを決め、バイキングスの守備陣による完璧な試合を締めくくっている。

ジョーンズが率いたジャイアンツの攻撃陣は、総計240ヤードしか獲得できてない。

グリーナードは「勝利を収めたから、もちろん、よかったさ。でも、ディフェンス陣全員が、彼らに一切の得点を許すべきじゃなかったって思っている」とコメント。

重要な2024年シーズンにおいて、これはジョーンズが最も避けたかったひどいスタートとなってしまった。

2023年春に4年1億6,000万ドル(約226億9,310万円)の延長契約を結んだジョーンズとジャイアンツは、それが報じられた瞬間から厳しい目を向けられるようになり、その後のシーズンは散々だった。2019年にドラフト1巡目で指名を受けたジョーンズは、2023年シーズンに先発として1勝5敗の成績を残し、タッチダウン2回に対してインターセプト6回を喫した上に、シーズン途中でACL(前十字靭帯/ぜんじゅうじじんたい)を断裂し、残りの試合を欠場している。

ケガから復帰し、ジャイアンツでのキャリア7シーズン目を迎えるジョーンズは、ニューヨークで苦境に立たされている。

ジョーンズには非常に厳しい目が向けられており、練習でのパフォーマンスの不調でさえ話題になるほどだ。8月21日に行われたニューヨーク・ジェッツとの合同練習後、ガードナーがジョーンズについてコメントを求められた際には、ガードナーが言葉に詰まる様子が報じられた。

現地8日(日)に行われたシーズン初戦では、ジョーンズとジャイアンツにブーイングが降り注いだ。かつてヒューストン・テキサンズで苦しいシーズンを経験したグリーナードはこの状況に共感し、こう語っている。

「フィールドに立って、オフェンスが何もできない時、ブーイングを浴びる経験をしたことがある。まるで、アウェーゲームのように感じるものだ。でも、その時、俺たちが彼に対してどう攻撃するかを理解していたし、彼のキャリア状況とか、もちろん、スキームとか、契約の問題とかも分かっていた。だから、彼がたくさんの問題を抱えていることを知っていたし、それに加えて、別の方面から彼にプレッシャーをかけて、リードを少しでも急がせて、ポケット内で自信を持たせないように、快適にプレーさせないようにすることができればと思っていたんだ。最初のいくつかのドライブでそれができたのを見て、本当にいい気分だったよ」

無論、ジョーンズにとってはいい気分ではなかった。ジョーンズは現在、5試合連続でタッチダウンパスを決められていない。

ジャイアンツの3年目のヘッドコーチ(HC)ブライアン・ダボールは月曜日の時点ですでに、ジョーンズをベンチに下げることについて質問を受けていたが、そのつもりはないと明言。

とはいえ、ジョーンズの苦難は続いており、対戦相手に同情されるのは決していい兆候ではない。

【KO】