ドルフィンズWRヒル、自身の対応に改善の余地があったと認めつつも警察官の解雇を要求
2024年09月12日(木) 12:12現地11日(水)、マイアミ・ドルフィンズのワイドレシーバー(WR)タイリーク・ヒルが、週末にチームのスタジアム付近で車両停止命令を受けた際、自分にはもっと良い対応ができたかもしれないと認めた。このとき、ヒルは車から引きずり出されて手錠をかけられている。
また、ヒルは今回の出来事に関与した警察官の1人が解雇されることを望んでいるとも語った。
ヒルは警察官に指示された際に車の窓を開けておくなど、いくつかの対応を“もう少し違った方法で”行えばよかったと話している。ヒルはそのとき窓を閉め、そこから事態が急速にエスカレートしていった。
「俺ももっと良い対応ができたはずだ」と語ったヒルはこう続けている。
「あのとき窓を開けておけばよかったんだけど、俺としては注目を集めたくなかった。あの瞬間をカメラや携帯電話で撮られたくなかった。でも、結局のところ、俺は人間だ。ルールに従い、他の人と同じようにしなければならなかった」
「じゃあ、それは彼らに俺を文字通り痛めつける権利を与えることになるのか? 絶対にそんなことはない。でも、結局のところ、あのときに戻って、もう少し違った対応ができればよかったなとは思う」
マイアミ・デイド警察のステファニー・ダニエルズ署長が日曜午後に内部調査を開始し、1人の警察官が管理業務に転任となった。その警察官、ダニー・トーレスは即座の復職を求めていると、トーレスの弁護士が明かしている。一方、ドルフィンズは関与したすべての警察官に対して“迅速かつ厳格な対応”を求めていると述べた。
ヒルは警察官に対してどのような措置が取られるべきかについて詳細に説明した際、言葉を選ばずにこうコメントしている。
「消えろ、消えろ。彼は去らないといけない。あの瞬間、彼は俺にひどい態度をとっただけじゃなくて、チームメイトに対しても失礼な態度をとった。彼らは何もしていなかったのに、ひどい言葉を投げかけたんだ。彼らが何をしたって言うんだ? ただ歩道を歩いていただけじゃないか。彼は去るべきだ」
ヒルはシーズン初戦の試合開始まで3時間を切っていた中、スタジアム近くで車から引きずり出された。そして、押し倒され、手錠をかけられている。その場を通りかかり、仲裁するために車から降りたチームメイトのディフェンシブエンド(DE)カライス・キャンベルも、警察官によって手錠をかけられた。
ヒルは不注意運転とシートベルト未着用により、違反切符を切られている。
ドルフィンズは木曜夜にバッファロー・ビルズと対戦する予定だ。ヒルはこの試合をセラピーとして活用し、日曜日の出来事について考えることから逃れるつもりだと話している。ヒルはこの数年間で多くの選手が警察による残虐行為に抗議するために用いてきた膝をつく行為や、警察に対する予算削減を呼びかけるようなことはしないと発言。この数日間、警察官に対して敬意を抱いていると繰り返してきたヒルは、現役引退後には法執行機関での仕事に就くことを目指していると明かした。
「今、俺が集中しているのは自分の仕事で、それはフットボールをプレーすること。俺にできるのはそれだけで、最高のフットボール選手になることだ」とヒルは強調している。
ヒルは月曜夜に映像が公開されたという知らせを受けたとき、映画館の中にいたと明かした。映像を確認するために映画館を出たと言うヒルは、一般市民も警察官も含め、映像を見た人々が、フットボール選手が試合の映像を見て成長するのと同じように、学び、改善するための手段としてそれを活用することを望んでいる。
「そりゃあ衝撃的だったよ」と振り返ったヒルは「ボディカメラを装着した状態で、文字通りあんなことをする警官がいるなんて、本当におかしい。悲しいよ。本当に悲しい。ああいうことがあると“もしボディカメラをつけていなかったら、彼らはどうしていたか?”なんていう話にもなるし、それこそもっとおかしな話だ」と続けた。
【RA】