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ハリケーンの接近に伴いスケジュール変更したセインツ、カウボーイズ戦に向けて準備継続

2024年09月12日(木) 14:00


ニューオーリンズ・セインツの本拠地【NFL】

現地11日(水)夜、ハリケーン“フランシーヌ”がルイジアナ州南東部に上陸したことを受け、ニューオーリンズ・セインツのコーチ陣は、天候が悪化しつつあるときに帰宅するよりも安全で生産的だと判断した上で、チーム本部にとどまることを決めた。

ヘッドコーチ(HC)デニス・アレンは「おそらく、そのうち部屋の隅を見つけて横になり、少し眠ることになるだろう」と述べている。

「今夜から明け方にかけて一番ひどい天候になる見込みで、その頃には作業を終えようと思っている。そのような天候の中でここから出ようとする人は誰もいないだろう」

セインツはチーム本部にある屋内練習場で、通常より1時間早く練習を開始。その後、選手たちは自宅で嵐が過ぎるのを待つために解散したが、コーチ陣は日曜日に臨むダラス・カウボーイズ戦に向けて計画を練るためにその場に残った。

セインツのクオーターバック(QB)デレック・カーは「状況が完ぺきじゃなかったとしても、俺たちにはやるべき仕事があるし、集中し続けなきゃいけない」とコメント。

「今夜は家で勉強するつもりだけど、子どもたちがそばにいる中でやることになるだろう」

「俺はチームメイトのために、集中して、明日に向けて準備を整えておく必要がある。俺たちは人間だけど、自分たちに仕事があることも認識している。それから、この街が何度も災害を経験してきたことも知っている。だから、俺たちはルイジアナ州全体、そして今回の嵐が通過する場所すべてに祈りを捧げている」

フランシーヌはカテゴリー2のハリケーンとして水曜夜にルイジアナ州に上陸。気象予報士たちは湾岸地域の一部に致命的な高潮、大規模な洪水、破壊的な強風がもたらされる可能性があると警告していた。

国立ハリケーンセンターが米国中部夏時間16時に発表したところによると、フランシーヌはモーガンシティの南西約30マイル(約48km)の地点に上陸し、最大風速は100マイル(約160km)近くに達したという。

アレンHCはニューオーリンズ大都市圏が大きな被害を免れれば、木曜日には通常通りのスケジュールに戻れるだろうと述べている。

セインツの本部は発電機を備えており、2005年の“カトリーナ”や2021年の“アイダ”など、フランシーヌよりもはるかに強力なハリケーンに耐えてきた。ただし、それらの嵐の際にチームは避難を行い、その他のいくつかの嵐の際にも同様に避難している。それらは危険度が高く、都市やその周辺地域に深刻な混乱をもたらす恐れがあったからだ。

ニューオーリンズでは、個人宅にも予備の発電機が備えられているのが一般的となっている。選手の中にも発電機を持っている者は多く、カーもその1人だ。

セインツが最後に大型の嵐を理由に避難したのは、2021年にカテゴリー4のアイダが到来したときだ。セインツはダラス・フォートワース地域に臨時の運営拠点を設置し、テキサスクリスチャン大学(TCU)で練習を実施。最初のホームゲームはフロリダ州ジャクソンビルで行い、グリーンベイ・パッカーズに38対3と圧倒的な勝利を収めた。

2005年、シーズンのほぼ全期間をサンアントニオで過ごしたセインツは、そこで3試合のホームゲームを実施し、ルイジアナ州立大学(LSU)のタイガー・スタジアムでも4試合を行った。その後、2006年9月にニューオーリンズのダウンタウンにあるスーパードームに凱旋を果たしている。

フランシーヌはアイダほど強力な嵐になるとは予想されていなかったため、今回はニューオーリンズにとどまるのが適切だと判断したセインツ。ただし、選手やスタッフの安全をできるだけ確保できるように、スケジュールを一時的に調整している。

アレンHCは「私たちは全員が安全であることを望んでいる一方で、仕事を続けながら全員の安全を確保できると感じ、避難のためのあらゆる手配をする必要はないと考えた」と述べている。

セインツの守備キャプテンを務めているラインバッカー(LB)デマリオ・デービスは水曜日の早い時間に選手たちが集まり、悪天候に見舞われる可能性があるルイジアナ州の住人のために祈りを捧げたと明かした。

「どんな予測を立てていても、実際に何が起こるかは分からないものだ。それは、皆で一緒に乗り越えようとしていることの1つに過ぎない」とデービスは話している。

午後に予定されていた選手とコーチのミーティングは中止されたが、アレンHCはそれを補うために必要に応じて木曜日のミーティング時間を延長する可能性があると述べた。

シーズン第1週に臨んだカロライナ・パンサーズ戦で47対10の勝利を挙げたセインツは、カウボーイズ戦に向けての準備に集中し続けるとデービスは強調している。昨季にプレーオフ進出を果たしたカウボーイズも、シーズン第1週にクリーブランド・ブラウンズを33対17で下した。

「みんなが高いレベルで状況を区別できるという点が、このスポーツのユニークな部分の1つだ」とデービスは話している。

また、天候は「仕事を怠る言い訳にはならないが、信頼関係や仲間意識を深める要因になることはある」とデービスはつけ加えた。

【RA】