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パンサーズが元ドラフト1巡目指名のQBヤングをベンチへ、ダルトンを先発に指名

2024年09月17日(火) 12:57


カロライナ・パンサーズのブライス・ヤング【AP Photo/Charles Rex Arbogast】

カロライナ・パンサーズのヘッドコーチ(HC)デイブ・カナルスが、その在任期間における最初の大きな決断を下した。

『NFL Network(NFLネットワーク)』のトム・ペリセロが状況を知る人物の話をもとに現地16日(月)に報じたところによると、パンサーズはクオーターバック(QB)ブライス・ヤングをベンチに下げ、今週の日曜日に行われるラスベガス・レイダース戦からベテランのQBアンディ・ダルトンを先発起用するという。
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シーズンを苦しい0勝2敗でスタートした後、カナルスHCは試合の映像を見て、変化が必要だと判断したと、ペリセロはつけ加えた。

カナルスHCは月曜午後に、ヤングをベンチに下げるという決定は自分の判断であり、先発をダルトンに変えるのは「アンディが今週の試合で勝つための最高のチャンスを与えてくれる」からだと記者団に対して強調し、次のようにコメント。

「同じ言葉を繰り返しているように聞こえるかもしれないが、チーム全員・・・関係者全員に対して、われわれが映像にとらえている内容や自分が見ていることについて厳しく評価する責任は私にある。毎週、常にチームにとって最良の決断を下すよう努めている」

2023年NFLドラフト全体1位でリーグ入りして以来、苦戦を強いられてきたアラバマ大学出身のヤングだが、それでもキャリア18試合目でベンチに下がるのは驚きだ。

カナルスHCの任期が始まってすぐの2試合で、パンサーズは大敗を喫している。シーズン第1週ではニューオーリンズ・セインツに大差で敗れ、第2週のホーム初戦でもロサンゼルス・チャージャーズに26対3で打ちのめされた。パンサーズがここ2試合で挙げた総得点は、わずか13点にとどまっている。

ヤングはシーズン最初の2週間で合計245パスヤード、インターセプト3回、タッチダウンなし、パス成功率55.4%という成績に終わっている。チャージャーズ戦ではキャリア最低にあたる84パスヤードにとどまったのに加え、インターセプト1回を喫した。

15日に行われたチャージャーズ戦後に、カナルスHCはヤングが引き続きパンサーズのQB1を務めると記者団に述べていた。そんなカナルスHCはわずか24時間もたたないうちに方針転換を決断した理由を尋ねられ、次のように答えている。

「映像を見なければならなかった。みなさんとお話した時点では、映像を見ていなかった。だから、家に帰り、映像を確認した。情報を集めた上で、チーム、特に今週の試合でオフェンスが成功するために最良の決断を下した」

身長約178cmのヤングはパンサーズで初めて先発を務めてから、一度も快適にプレーしているように見えていない。穴だらけのオフェンシブライン(OL)の後ろで、精度の低いパスを投げ、ポケット内でパニックに陥り、めったに前に踏み込めず、投球フォームも崩れ、繰り返し誤った判断を下している。2024年シーズンの最初の2試合で、ヤングのプレーは悪化し続けていた。

パンサーズは今オフシーズンに、2023年のドラフトで多くの資産——スターワイドレシーバー(WR)D.J.ムーアや、最終的に2024年ドラフト全体1位(QBケイレブ・ウィリアムズ)となった指名権も含む——を投じて獲得したヤングを取り巻く厳しい状況を改善しようと取り組んできた。パンサーズはインテリアオフェンシブラインを強化すべく大金を投じたほか、WRディオンテ・ジョンソンをトレードで獲得し、WRゼイビア・レゲットをドラフト1巡目で指名している。しかし、これまでのところ、そのどれもが効果を発揮していない。

シアトル・シーホークスのQBジーノ・スミスや、タンパベイ・バッカニアーズのQBベイカー・メイフィールドのキャリア再構築を手助けしたことがあるカナルスHCは、特にクオーターバックとの仕事のために雇われてきた。2試合を経てカナルスHCが下した判断は、現時点ではダルトンがよりよい選択肢ということだった。また、カナルスHCは月曜日に記者団に対し、この先発交代が1週間限りのものか、それとも恒久的なものなのかについては明言を避けている。

今後のパンサーズとヤングの動向は注目に値するだろう。クオーターバックが空回りしている状態では、オフェンスのどの部分が機能し、どの部分が機能しないかを、コーチが見極める必要があるかもしれない。カナルスHCは23歳のヤングにとって、サイドラインでの時間がプラスになると考えている可能性もある。どのような結果になるにせよ、ヤングはしばらくの間、パンサーズで控えに回ることになる。問題は元ドラフト1巡目指名のヤングが戻れるとしたら、いつ再び先発に戻れるか、ということだ。

【KO】