コマンダースのキッカーとして完璧なデビューを飾ってチャンスをものにしたサイバート
2024年09月20日(金) 13:01キッカー(K)オースティン・サイバートはNFLで6年目を迎える中で、数々のチームを渡り歩いてきた。
2019年にクリーブランド・ブラウンズからドラフト5巡目で指名されたサイバートは、安定感を欠いたことで2年目の初めにカットされた。その後、シンシナティ・ベンガルズ、デトロイト・ライオンズ、ニューヨーク・ジェッツといった複数のチームを転々とした末、9月10日にブラウンズでもプレー経験のあるKケイド・ヨークをカットしたばかりのコマンダースと契約することとなった。
サイバートはこのチャンスをしっかりとものにし、ニューヨーク・ジャイアンツと対戦したデビュー戦で7本のフィールドゴールをすべて成功させ、コマンダースを21対18の勝利へと導いた。
「こういう時のために、常に準備を整えておくことが大切なんだ」とサイバートは『Associated Press(AP通信)』に話している。
「今のキッカーの世界はものすごく競争が激しいから、チャンスが訪れたときには、それを逃さずに活かさなければならない」
サイバートはこのようなチャンスがどれだけ貴重かを、嫌というほど理解している。ブラウンズのキッカーとして30本のフィールドゴールを蹴ったサイバートだが、コマンダースに加入する前の2020年から2023年にかけてはわずか26回しかキックの機会がなかった。フリーエージェント(FA)期間中は、イリノイ州の自宅の近くにある松の木をターゲットにして、キックの練習を続けていたという。
その努力はシーズン第2週のコマンダースの勝利で実を結び、1月から不安定だったこのポジションをサイバートが固めることになるかもしれない。
しかし、NFC(ナショナル・フットボール・カンファレンス)スペシャルチームの週間最優秀選手賞に選ばれたサイバートにとっては、そんなことは重要ではなく、キャリアを続けるチャンスを手にできたことが何よりもうれしいと語った。
「俺の前にもここに他のキッカーたちがいたことは誰もが知っていると思うけど、そんなことは考えられない」とサイバートは述べている。
「それは彼らの物語であって、俺が考えることじゃない。これは俺の物語なんだ。他の選手のことを考えることもあるけど、最終的には自分の物語を自分で作り上げていくだけだ」
サイバートのデビュー戦は見事としか言いようがなく、キッカーに悩まされていたヘッドコーチ(HC)ダン・クインも胸をなでおろしたことだろう。サイバートはコマンダースを勝利に導いただけでなく、重要な局面で信頼できる存在であることを証明した。
1試合だけではあるが、NFLで居場所を見つけられなかったサイバートにとって、これ以上ない素晴らしいスタートだったと言えよう。この調子を維持できれば、ワシントンがサイバートにとっての安住の地となるかもしれない。
月曜日にクインHCは「彼がすぐに証明したのは、信頼できる選手だということだ」とコメントしている。
「われわれは結果を求められるビジネスの中にいるから、それを果たしてくれたことはもちろん評価しているが、彼ほど完璧なスタートを切った選手はなかなかいないだろう」
【R】