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49ersに逆転勝利したラムズQBスタッフォード、「NFLは予測不可能なビジネスだ」

2024年09月24日(火) 18:14


ロサンゼルス・ラムズのマシュー・スタッフォード【AP Photo/Kyusung Gong】

現地22日(日)にSoFiスタジアムで行われたサンフランシスコ・49ers戦で、ロサンゼルス・ラムズが説明しがたい逆転勝利を収めるのを目の当たりにしたすべての観客が感じていたことを、ラムズのヘッドコーチ(HC)ショーン・マクベイが代弁した。

マクベイHCは「なんてこった」と笑顔でコメント。

負傷者が多いカリフォルニアチーム同士の対戦で、ラムズは第4クオーターの終盤に49ersに二桁のリードを許していた。『Next Gen Stats(ネクスト・ジェン・スタッツ)』によると、24対17のスコアでリードを許し、試合時間残り4分14秒の時点で、49ersがオフェンスを進めているとき、ラムズの勝率はわずか3.2%だったという。

そこから、予想外の大混乱が巻き起こった。

49ersのキッカー(K)ジェイク・ムーディが55ヤードのフィールドゴールを失敗し、49ersは10点リードに戻るチャンスを逃した。その後、ラムズはわずか3回のスクリメージプレーで、ランニングバック(RB)カイレン・ウィリアムズの3ヤードのタッチダウンランにつなげ、試合時間残り1分54秒で同点に追いついた。続いて、ラムズの守備陣が49ersをパントに追い込み、ワイドレシーバー(WR)ゼイビア・スミスがそのパントを50ヤード地点までリターン。クオーターバック(QB)マシュー・スタッフォードのディープパスが49ersディフェンスのパスインターフェアランスを誘発し、Kジョシュア・カーティの決勝フィールドゴールにつながった。

『Associated Press(AP通信)』によれば、スタッフォードは「俺はあり得ないとか、あり得るとか気にしないよ。NFLは予測不可能なビジネスだ。それだけは言える。毎週、何が起こるかなんて誰にも分からない。フィールドに出て、勝利をつかんで証明する必要があるんだ。俺たちはそれをやり遂げた」と語ったという。

スタッフォードは逆転勝利の経験が豊富だ。日曜日に逆転勝利を収めたことで、スタッフォードはその16年間のキャリアで、第4クオーターまたは延長戦において勝利に導いたドライブの数を45回に伸ばした。これは少なくとも1970年以降で7番目に多い数字にあたる。

ただし、今週については、ラムズのトップ2のレシーバーであるクーパー・カップとプカ・ナクアを欠いた状態で、マクベイHCが通常の11パーソネルから12パーソネル(タイトエンドを2人起用するフォーメーション)に切り替える中、スタッフォードはこの逆転劇を成し遂げた。

ラムズが信じられない勝利を祝う一方で、49ersはミスを嘆いている。

『ESPN』によると、カイル・シャナハンHCは「相手の希望を断ち切らなければならなかった。スタッフォードに希望を与えすぎて、最後に彼の手にボールを持たせてしまった。そのような状況にはしたくないものだ」と話したという。

49ersはRBクリスチャン・マカフリー、WRディーボ・サミュエル、タイトエンド(TE)ジョージ・キトルを欠く中、QBブロック・パーディーが3つのタッチダウンを決め、WRジャワン・ジェニングスがこれまでの殻を破るパフォーマンスを見せた(レシーブ11回、175ヤード、タッチダウンレシーブ3回)。

しかしながら、普段は堅固な49ersの守備陣が相手を止められず、ラムズに最後の4回のポゼッションすべてで得点を許している。

49ersのラインバッカー(LB)フレッド・ワーナーは「許されないことだ。あんなことをやっちゃいけない。俺たちは自滅するわけにはいかない。ああいうミスを繰り返してはいけないんだ。すべてのフェーズでもっといいプレーをしなきゃならない。映像を見て、修正して、次に進む」とコメント。

シャナハンHC率いる49ersは前半最後の攻撃でファンブルして14対7のリードをさらに広げるチャンスを逃した。その後もムーディがロングキックを失敗し、試合を決定づける第1ダウンの獲得ができず、さらにフェイクパントによるコンバージョンと大きなパントリターンを許している。

シャナハンHCは「そこで、彼らに希望を与えず、逃げ切るチャンスがあると思った」と述べ、こうつけ加えた。

「あれで彼らに大きな希望を与えた。相手を盛り返させてしまった・・・それらが試合の中での3つの大きなプレーだ」

マクベイHC率いるラムズが0勝3敗のスタートを避けるのに必要なのは、そのわずかな希望だけで十分だった。

ラムズが試合のいかなる時点でも14点以上のビハインドを背負った状態から勝利したのは、2012年シーズン第2週にワシントン・レッドスキンズ(現コマンダース、当時のコーチングスタッフにはシャナハンとマクベイがいた)と対戦したとき以降では、初めてのことだ。マクベイHC時代のラムズはこれまで、このような試合で0勝28敗の成績だった。

【KO】