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バイキングスで絶好調のQBダーノルドとの対戦に備えるジェッツ

2024年10月03日(木) 14:51


ミネソタ・バイキングスのサム・ダーノルド【AP Photo/Morry Gash】

今週末、ニューヨーク・ジェッツの一部のファンは、ロンドンで行われるミネソタ・バイキングス戦を前に、奇妙な心境になっているはずだ。ジェッツが勝利を切望する中、かつてクオーターバック(QB)サム・ダーノルドを固く信じていたそのファンたちは、現地6日(日)にダーノルドがジェッツ時代の姿に戻ることを願わなければならない。

現在のダーノルドはヘッドコーチ(HC)ケビン・オコンネルの下で輝きを放っており、タッチダウンパス数(11回)とパサーレーティング(118.9)でリーグトップに立っている。ダーノルドは4試合の成績として、ダンテ・カルペッパー(2004年にタッチダウンパス13回、パサーレーティング126.0をマーク)に次ぐ、バイキングス史上2位タイのタッチダウンパス数とパサーレーティングを記録している状態だ。

ダーノルドはシーズン最初の4試合でそれぞれタッチダウンパス2回以上、パサーレーティング100以上を記録した7人目のQB(合計で10回目の例)となっており、これまでの9例のうち5例の選手が、そのシーズンにAP通信NFL最優秀選手賞を獲得している(2007年のトム・ブレイディ、2011年と2020年のアーロン・ロジャース、2013年のペイトン・マニング、2016年のマット・ライアン)。その他には、ライアンが2012年、ブレイディが2015年、ラッセル・ウィルソンおよびジョシュ・アレンが2020年に同じ快挙を成し遂げてきた。

ダーノルドが在籍していた頃からジェッツに所属している数少ない選手の1人であるノーズタックル(NT)クイネン・ウィリアムスは、ダーノルドのキャリアの好転を高く評価している。

『New York Post(ニューヨーク・ポスト)』によると、ウィリアムスは月曜日に「彼は素晴らしい仕事をしていると思う」と語ったという。

「彼は今、とてつもなく良いプレーをしている。大活躍して、素晴らしいプレーをたくさん見せている。俺はここで数年間、彼と一緒に過ごしたから、対戦できるのはすごく楽しみだ。素晴らしい挑戦になるだろう」

2018年ドラフト全体3位で指名されたダーノルドは、ジェッツ時代に13勝25敗の成績を残した。伝染性単核球症を患ったことをからかうジョークが飛び交い、“幽霊が見える”という発言がミームとなり、散漫なプレーしかできなかったジェッツでの3シーズンは、ダーノルドにとって悲惨なものだっただろう。その後、ダーノルドはカロライナ・パンサーズに移籍し、2シーズンで17試合に先発出場した後、昨季はサンフランシスコ・49ersでバックアップを務めた。

そして今、ダーノルドはミネソタで生まれ変わっている。

オコンネルHCのQB重視のシステムにおいて、ダーノルドは以前よりもポケット内で冷静さを保ち、(見逃されたものもあったが)ミスも少なくなり、落ち着いてパスを配分しているように見える。このシステムで解決策を見出したダーノルドが、強力な腕力を発揮する場面もあった。

日曜日の試合は過去50シーズンの中で、ある先発QBがドラフトされたチームとの対戦に4勝0敗以上の成績で臨む3回目の試合となる。過去2回の例は、マニングが挑んだインディアナポリス・コルツ戦だ。殿堂入りを果たしたマニングはその2試合に敗れたものの、どちらのシーズンもデンバー・ブロンコスをスーパーボウルに導いている。

ジェッツのラインバッカー(LB)クインシー・ウィリアムスは復活劇についてよく知っている選手だ。クイネンの兄であるクインシーは、2シーズンを過ごしたジャクソンビル・ジャガーズからカットされた後にジェッツに加入し、オールプロに選出されるほどの成長を遂げている。

「もし君がセカンドチャンスを得て、それを最大限に生かせるような人なら、それは素晴らしいことだ」とクインシーは話している。

「中には“それはチームのせいだ”と言って、自分自身を見つめ直して“よし、どうすればもっと成長できるか、どうすれば次のチームで活躍できるか、どうすればこのチームで目立てるか”と問いかけない人もいる」

「(ダーノルドは)“このチームで目立つために何ができるか、このチームをより良くするために何ができるか”と考えている選手の1人だ。だから、俺は彼のことを本当に楽しみにしている」

ウィリアムス兄弟はダーノルドの復活劇に感心しつつ、日曜日の試合でダーノルドを打ちのめすことを楽しみにしているはずだ。

【RA】