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ジェッツQBロジャース、サラーの解雇に関与したとのうわさを否定

2024年10月10日(木) 14:19


ニューヨーク・ジェッツのアーロン・ロジャース【AP Photo/Dave Shopland】

ニューヨーク・ジェッツがヘッドコーチ(HC)ロバート・サラーを解雇したという決定が知れ渡った中、クオーターバック(QB)アーロン・ロジャースがサラーの解雇について質問されるのは時間の問題だった。

現地9日(水)、ロジャースは『The Pat McAfee Show(ザ・パット・マカフィー・ショー)』に出演した際に、この件に関する1つのポイント、つまり自分は何も関与していないことを明確にした。

「ああ、昨日はプレーしたことがある人なら誰もがよく知っている単純な事実、つまり、このビジネスは厳しいものだっていうことに気付かされる日だった」と語ったロジャースはこう続けている。

「素晴らしい職業であり、たくさんの恩恵をもたらしてくれるけど、やっぱり本当に厳しいビジネスでもある」

「ばかげたうわさに対する答えは一言だけで十分だ。つまり、明らかに誤ったことだから、ああいう言いがかりには腹が立っているってこと。俺が大きな力を持っているとみんなが思っているのは興味深いけど、実際にそんなものはない。でも、俺はロバートが大好きだし、昨日はそういう日だった」

2023年にトレードで加入して以来、ロジャースがチームに与えてきた影響は大きい。将来の殿堂入りが確実視されているロジャースのような選手が加われば、フランチャイズの競争力は瞬時に高まり、生産性に対するプレッシャーは大きくなる。5週間を通してその期待に応えられなかったジェッツは、精彩を欠く試合内容で2連敗を喫し、現在の成績は2勝3敗となっている。

そうした状況を受けて、オーナーのウッディ・ジョンソンは火曜日にサラーを解雇し、守備コーディネーター(DC)のジェフ・ウルブリッチを暫定HCに昇格させた。ロジャースはサラー解雇の前夜にジョンソンと会話を交わしたものの、今回の決定は自分の意見を聞かずにオーナーが下したものだと強調している。

水曜日、ロジャースは「ああ、ウッディとは話した。ウッディが月曜の夜に電話をかけてきて、短い会話を交わした。その電話には感謝している。本心からの電話だったし、彼は単純に俺の様子を尋ねてくれたんだ」と説明。

「もちろん、試合中に足をひねって、足首がかなり痛かったから、様子を聞くために電話をくれた。それで、試合について話して、自分のパフォーマンスにどれほど失望しているかや、もっと良いプレーをするつもりだってこと、どうやって立て直していくつもりなのかを話して、電話を切った」

「その時点では、ウッディが自分の計画を俺に知らせる義務はない。彼がその瞬間に何をしていたかを知っていたかどうかは重要ではない」

ジェッツが現在抱えている問題の多くがオフェンス面に存在していることを踏まえると、ジョンソンが守備重視のコーチであるサラーを解雇し、守備コーディネーターを暫定HCとしたのは興味深いと言えよう。ジェッツはシーズン第4週にデンバー・ブロンコスを10点に抑えたあと、ミネソタ・バイキングス戦でもクオーターバック(QB)サム・ダーノルドに今季最悪の試合を強いたにもかかわらず、いずれの試合も敗れている。

ロジャースの友人でもある攻撃コーディネーター(OC)ナサニエル・ハケットが解任を免れた理由を不思議に思う人もいるかもしれない。ロジャースはジョンソンが今の方向を選んだ理由について多くを語らなかったが、オフェンスに改善が必要なことは認めている。

「ロバートに起こったことに関係なく、何かしら変える必要はあったと思う。俺たちはオフェンスで一貫したフットボールができていないしね」とロジャースはコメント。

「よく言われるように、違う結果を期待しながら同じことを繰り返すのは狂気の沙汰だ。数試合に臨んで、もちろん自分自身も良いプレーができていなかったけど、チーム全体として効率的にプレーできていなかったら、何かを調整しなきゃいけない。変化はこのスポーツの一部だ」

「いろんな憶測が飛び交っているのは知っているけど、現時点で(ウルブリッチとは)何度か話しているし、彼がオフェンスに関してどんな決断を下そうと、俺はそれに従うよ。俺はチームにとって最善のことをしたいと思っている。みんなウルブリッチコーチを全面的にサポートしているし、彼がチームにとって最善だと考えることをやっていくつもりだ」

この5週間で自分に非がないわけではないことも分かっているロジャースは、3回のインターセプトを喫したバイキングス戦ではもっと良いプレーができたはずだと認めている。40歳のロジャースはNFLでの経験も長いため、永遠に続くものなどないことをよく理解している。変化は常にあり、適応できる者だけが生き残れるのだ。

ロジャースの次の課題は、暫定HCに従い、そこからチームをけん引することだ。ロジャースがチームに加入した意味を持たせるために、ジェッツは誰がヘッドコーチであろうと、オフェンス面を改善する必要がある。その責任は最終的に、NFLでの残り時間が限られていることや、それが生み出す切迫感について長々と語ってきたロジャースにかかってくるはずだ。

今こそ、そうした切迫感を持って取り組むべき時だ。NFLでは状況が週ごとに変わりうることを思い知らせた後だと、なおさらそう言えるだろう。

ロジャースはウルブリッチについて「彼が安定した手腕と素晴らしいリーダーシップを発揮することを期待している。彼は元選手だったから、ロッカールームの雰囲気を知っているし、きっと素晴らしい仕事をしてくれると思う」と語った。

「でも、一番大事なのは何かしらの変化が必要だということ。たとえそれが小さな変化でも構わない。俺たちは選手として、起きたことに対して責任を持たないと。同じように感じたと思うけど、俺が日曜日にもっと良いプレーをしていれば、こうはならなかったと思っている。自分のパフォーマンスに誇りを持っている者として、昨日はそういう思いが強かった」

「もちろん、ロバートのことは心配している。彼のことをものすごく尊敬しているし、大切に思っているからね。ひどいプレーをしていなかったら今回のような状況を避けられたかもしれないという失望感もある。今こそ、メンタル面でリセットする良い機会だと思う。いろんなことが待ち受けているし、今週は地区ライバルと戦って3勝3敗で地区内首位タイになるチャンスがある。シーズンには必ず好調になる時期があるし、冬の間に最高のプレーをしたいと思っている。たくさんのことが待ち受けているし、明日からまた取り組めることにワクワクしている」

ジェッツは10月14日(月)【日本時間15日(火)】にメットライフ・スタジアムでバッファロー・ビルズを迎え撃つ予定だ。

【RA】