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秋季リーグミーティングでブラウンズQBワトソンへの評価や新キックオフルールなどが議題に

2024年10月16日(水) 16:10


NFLコミッショナーのロジャー・グッデル【AP Photo/Doug Murra】

NFLコミッショナーのロジャー・グッデルはクリーブランド・ブラウンズのクオーターバック(QB)デショーン・ワトソンが性的暴行および暴行を働いたとする申し立てについて、リーグは現在も調査中であると述べた。

ワトソンはその民事訴訟において原告の女性と和解に至ったが、それがリーグからの処分を免れる理由にはならない。

現地15日(火)、グッデルは秋季リーグミーティングの終了時に「われわれはこれまで通り調査を続けている。ご存知の通り、われわれは個人行動規範を重視しており、スタッフは熱心に作業に取り組んでいる」と述べた。

標準的な手続きに従い、リーグは原告の弁護士トニー・バズビーを通じて原告へのインタビューを申し入れている。

ワトソンは20人以上の女性からマッサージ療法のセッション中の性的暴行や不適切な行為を告発され、その結果、リーグの個人行動規範に違反したとして2022年シーズン最初の11試合で出場停止処分を受けた。

ワトソンは500万ドル(約7億4,642万円)の罰金を科され、リーグから復帰を認められる前に診断を受けることを義務付けられた。

最新の訴訟は9月9日にテキサス州ハリス郡で提起された。原告の女性は2020年に自宅で一緒に食事をした日にワトソンから性的暴行を受けたと主張し、100万ドル(約1億4,927万円)以上の損害賠償を求めている。

物議を醸したトレードでヒューストン・テキサンズからブラウンズに移籍して3年目を迎えているワトソンは、新たに浮上した疑惑を強く否定。29歳のワトソンはこれまでに約24件の民事訴訟で和解に至っている。

ブラウンズはワトソンを獲得するために大量のドラフト指名権を手放し、2億3,000万ドル(約343億3,220万円)の完全保証契約を結んだが、ワトソンはクリーブランドで苦戦を強いられている。

キックオフの進展

NFLは新しいキックオフルールの初期結果に満足しており、リーグの執行副社長であるトロイ・ビンセントは、今シーズン中に変更を加える予定はないが、来年には調整が加えられる可能性があると述べた。

今シーズンの6週間を通してのリターン率は昨年から90%増加し、32%に達した。2023年シーズンの同時期のリターン率は17%で、シーズン終盤には22%まで上昇したが、ビンセントはそれを“儀式的な”プレーに過ぎなかったと指摘している。ビンセントは33%から35%のリターン率を目標としていると述べた。

タッチバック後のボールの位置を30ヤードラインから35ヤードラインに移動させることについては、オフシーズンに議論される予定だ。

選手の健康と安全を監督しているジェフ・ミラーは、キックオフ時にACL(前十字靭帯/ぜんじゅうじじんたい)やMCL(内側側副靭帯/ないそくそくふくじんたい)のケガはなく、脳しんとうは1件のみだったと述べている。

「全体的な目的は何だったか? それは、足を使ったプレーを再び活性化させ、頭部や下肢のケガを減らすことであり、それらはすべて期待できる」とビンセントは語った。

また、リーグはオンサイドキックをより実行可能な選択肢にする方法を模索する必要があるとビンセントはつけ加えている。

グッデルによると、この新しい概念を考慮に入れた上で、新キックオフルールには変更が加えられることが予想されていたという。

「調整は必要になるだろうと思いながら臨んだ」と述べたグッデルはこう続けた。

「前例のないことだったため、当初はあまりデータがなかった。既存のキックオフに関するデータは理解していたが、速度や接触、そこで発生する力の種類については、当然ながら多くの検証を行った。理にかなった解決策を見出せたと思っている。ここまでの結果は本当に良好だ」

ヒップドロップタックル

ビンセントによると、これまでに7人の選手がヒップドロップタックルで罰金を科せられたが、過去2週間は1人もいなかったという。

「コーチや選手たちは、タックルを行う選手がいない自分たちのクラブの映像や他の試合の映像を送ってくれるなど、素晴らしい働きをしてくれている」とビンセントは語った。

試合中にヒップドロップタックルで罰せられた選手はいない。ビンセントによると、疑わしいタックルは約22件あったが、4つの基準を満たすものはなかったという。

テキサンズのランニングバック(RB)ジョー・ミクソンはヒップドロップタックルと見なされるべきだったと考えているプレーで負傷したことについて、不満を訴えている。

「4つの要素すべてがそろうことが非常に重要だ」とビンセントは強調。

「試合後にそれを振り返ると、そうしたプレーが発生するタイミングについて、私たちの中にはより的確に判断できる人もいる。重心が安定して脚の絡まりがない場合には、その判定を避けなければならない。だが、特にリアルタイムではすべてが同じように見えるため、私や他の多くの人はその週に、選手が実際には起こらなかったことで罰せられないようにするために評価を行う時間を確保する。これまでに疑わしいと判断したものはおそらく22件ある。しかし、繰り返しになるが、基準やルールに従うと、4つの要素がすべてそろう必要があるため、その判定を避ける必要があるのだ」

暴力的なジェスチャーに対する罰金

今シーズンはセレブレーション時に指を銃の形にするといった暴力的なジェスチャーを行ったことで、複数の選手が罰金や処罰を受けている。

最初の4週間では合計8件のペナルティと罰金があり、シーズン第5週にはさらに2件が加わった。罰金の金額は6,250ドル(約93万円)から、シンシナティ・ベンガルズのワイドレシーバー(WR)ジャマール・チェイスが先週に科せられた1万9,697ドル(約294万円)までさまざまだ。

「これは長年の方針であり、今後もそれを徹底していくつもりだ」と述べたグッデルは「トロイが先週、ユニオンと直接話し合ったばかりだと思う。われわれはその方針を継続していくつもりだ。そうした状況においては適切ではなく、誤ったメッセージを送ってしまうと考えている。そのため、われわれはこの方針を継続していく」と続けている。

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