ブラウンズオーナーが本拠地の郊外移転を決定したとクリーブランド市長が発表
2024年10月18日(金) 15:47クリーブランド・ブラウンズの本拠地は湖畔から離れることになった。
クリーブランド市長のジャスティン・ビブが現地17日(木)、ブラウンズのオーナーであるジミー・ハスラムと妻のディー・ハスラムが、チームの本拠地を郊外のブルックパークに移す意向を示したと発表した。これまで市はチームをクリーブランド市内に留めるためにさまざまな働きかけを行ってきた。
ブラウンズは、25年間使用してきたダウンタウンのスタジアムの改修案として、市が提示した11億ドル(約1,649億5,600万円)の計画を検討していたが、最終的にはクリーブランドから約19キロ南に位置するブルックパークに24億ドル(約3,599億400万円)のドーム型スタジアムを新設する道を選んだ。
現在のスタジアムのリース契約は、2028年シーズン終了後に満了を迎える予定だ。
ハスラム夫妻は声明で次のように説明している。
「スタジアムをダウンタウンに残すための取り組みを進める中で、われわれはプロセスの各段階で市長と彼のチームと密にコミュニケーションを取ってきた。そして昨日、ブルックパークにドーム型スタジアムを建て、隣接する施設を開発することが、地域にとって最も大きな投資効果を生むとの結論に至ったことを伝えた」
「現在進行中の資金調達の仕組みにより、既存の税金を使って他の優先的なニーズからリソースを奪うことはない。代わりに、20億ドル(約2,998億円)を超える民間投資と公的投資を融合することで、大規模な経済開発プロジェクトが創出される。そして、これらのプロジェクトやブラウンズが生み出す収益によって、公債の債務返済に必要な活動が推進される」
先月、クリーブランド市は現在のスタジアムの改修およびエリー湖沿いの周辺地域の再開発に向け、ブラウンズと費用を折半し、4億6,100万ドル(約691億2,234万円)を拠出する計画を提案していた。
ハスラム夫妻は「われわれはまず、現在のスタジアムを改修することを最優先とし、いくつもの可能性を追求してきた。そして、設計や建設、エンジニアリングの専門家と協力しながらそのための計画を立案し、クリーブランド市内外で見つけた複数の候補地に新たなスタジアムを建設することも検討してきた」と述べている。
「しかし、綿密な調査の結果、現在のスタジアムを改修するだけでは多くの運営上の問題を解決できず、短期的な対策に過ぎないことが明らかになった。また、ドームがなければ、大規模なイベントや年間を通じた活動を誘致することが難しく、公共と民間の共同事業としての規模に見合う正当性を確保できないことも分かった。ドームがもたらす経済的な変革の可能性は、改修されたスタジアムが年間約10件のイベントしか開催できない状況と比較して、はるかに大きな収益を生むことになる」
ブラウンズが現在のスタジアムを使用し始めたのは1999年で、この年にエクスパンションチームとしてリーグに復帰し、クリーブランドに戻ってきた。それ以前の4年間は、当時のオーナーだったアート・モデルが市当局との対立を理由に、フランチャイズをボルティモアへ移転させていた。
当局は、現在のスタジアムには持続可能性のために「大幅な改善」が必要だと考えている。ブラウンズが新しいスタジアムの立地を検討する主な理由として、頻繁に挙げているのは交通アクセスや駐車場の問題だ。
『Haslam Sports Group(ハスラム・スポーツ・グループ)』のCOOであるデイブ・ジェンキンスは、先月に発行した書簡の中で次のように述べている。
「ブルックパークの建設予定地は、複数の理由でドーム型スタジアムに最適な選択肢だと言える。地域のファン基盤にとって中心的な立地であり、ダウンタウンやRTA(地域交通局)、空港へのアクセスも良好で、既存のインフラも充実している」
「さらに、この広大な敷地は大規模な経済開発にも適しており、訪問者に十分な駐車スペースを提供できるだけでなく、スムーズな出入りも可能だ」
資金調達は依然として課題のままだ。ブラウンズは24億ドル規模のプロジェクトに対して公私連携を模索しており、公的資金の部分を賄うために公債の発行を提案している。
ハスラム夫妻は「このような解決策は、クリーブランドやオハイオ州北東部だけでなく、州全体にとっても変革的な影響をもたらすだろう。イベントや観光、そして雇用創出において大きな効果を生むと確信している」と話している。
「さらに、現在のスタジアムを移転することで、クリーブランドの湖畔に対して市や地域が描いてきたビジョンが実現されるだけでなく、ブルックパークのドームが誘致する大規模なイベントによって、ダウンタウンもその恩恵を受けることになるだろう」
【R】