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ジェッツとOLBレディックが契約再構築に合意、NFLで最後のホールドアウトが終了

2024年10月21日(月) 10:59


ハサン・レディック【AP Photo/Matt Slocum, File】

ハサン・レディックのホールドアウトが終わった。

フィラデルフィア・イーグルスからトレードされてから約7カ月後、アウトサイドラインバッカー(OLB)のレディックがニューヨーク・ジェッツと契約の再構築に合意し、新チームとの長引く対立を終えたと『NFL Network(NFLネットワーク)』のイアン・ラポポートが現地20日(日)に報じている。

今回の契約は、レディックが希望していた長期契約ではなく、調整された短期間のものとなっている。ラポポートによると、レディックとその代理人は引き続き複数年契約の実現を目指していくとのこと。

以前のエージェンシーと決別したレディックから先週の月曜日に採用された代理人のドリュー・ローゼンハウスは「私たちの目標は、ジェッツとの長期延長に向けて引き続き努力することだ」とラポポートに話している。

レディックはピッツバーグ・スティーラーズとのサンデーナイトフットボールが終わった後、月曜朝にジェッツに合流する見込みだ。

こうして、ここ最近で最も奇妙なホールドアウトの1つが終わりを迎えたが、それは派手なものではなく、静かな終わり方となった。

ジェッツは3月29日にイーグルスとのトレードでレディックを獲得。現在30歳のレディックは4年連続で11回以上のサックを記録しているほか、2年連続でプロボウルに選出されている。契約最終年にあたる2024年には1,450万ドル(約21億6,340万円)を受け取る予定であり、パスラッシャーの平均年俸ではかろうじてトップ20につけている状態だ。

ジェッツとの長期契約を求める中で、6月に行われた参加必須のミニキャンプを欠席したレディックは、7月もトレーニングキャンプ開始時に姿を現さず、8月12日にトレードを要求。レディックを獲得するために条件付きの2026年ドラフト3巡目指名権を手放したジェッツのジェネラルマネジャー(GM)ジョー・ダグラスは、不満を抱えるレディックをトレードすることを拒否した。

そうした行き詰まりはシーズンにも持ち越されている。オーナーのウッディ・ジョンソンや、先日解雇されたヘッドコーチ(HC)のロバート・サラーから参加を促され、チームメイトのOLBジャーメイン・ジョンソン二世がシーズン終了につながるケガに見舞われたにもかかわらず、レディックはジェッツの施設に姿を現さず、その間に何百万ドルもの罰金を科され続けてきた。

レディックがホールドアウト中に再編された1年契約を辞退していたとラポポートが報じた翌日、エージェント企業『CAA』がレディックとの契約を解除。その後、ドリュー・ローゼンハウスならびにライアン・マサが代理人となり、ジェッツ幹部との交渉を再開し、トレードの関心を測るために他チームに接触する許可を得た。

結局、両者が完全に満足のいく結果には至っていない。レディックは長期にわたる契約延長を実現させることができず、ジェッツは期待していた選手の生産性を7試合分失った。

レディックは大きな変化の時期にあるジェッツに加わる。2勝4敗のチームはこの2週間でヘッドコーチを解雇し、オールプロ級のワイドレシーバー(WR)をトレードで獲得。また、チームのワイドレシーバーの1人をトレード候補に挙げているとも報じられている。そうした中で、リーグ屈指のパスラッシャーをめぐる、NFLで最後のホールドアウト問題に終止符を打った。

ジョンソン、ダグラスGM、そして暫定ヘッドコーチを務めているジェフ・アルブリッチが率いるジェッツは、アメリカのスポーツにおいて最長となる14年間のプレーオフ未進出期間を断ち切ることに全力を注いでおり、レディックを迎え入れることはその大きな要素になる。

レディックはディフェンシブラインでウィル・マクドナルド四世の逆サイドで先発を務め、C.J.モズリーやクイネン・ウィリアムスが率いるフロント7を支える存在になるはずだ。6試合を終えた時点で、ジェッツのディフェンスは被得点で7位、被トータルヤードで2位につけ、サック数(20回)とQBプレッシャー率(28.9%)でトップ6に入っている。

2回のプロボウル選出経歴を持つレディックの加勢は、そうした面の強化に役立つはずであり、シーズン第8週に行われるニューイングランド・ペイトリオッツ戦で(ついに)その効果が発揮されるだろう。

【RA】