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2勝5敗でもジェッツを信じるQBロジャース、「信じる力は雪玉が雪崩を引き起こすようなもの」

2024年10月23日(水) 12:16


ニューヨーク・ジェッツのアーロン・ロジャース【AP Photo/Gene J. Puskar】

クオーターバック(QB)アーロン・ロジャースはグリーンベイ・パッカーズ時代に苦境に立たされた際、「R-E-L-A-X(リラックス)」といった言葉を使ったり、「全勝できる」と公言したりすることで、チームが立ち直るきっかけを作ってきた。

先発QBとしてロジャースが初めて万全な状態でレギュラーシーズンを戦う中、ニューヨーク・ジェッツは4連敗を喫し、現在2勝5敗という厳しい状況に追い込まれている。そこでロジャースは「雪崩」という新たな戦いの合言葉を掲げた。

現地22日(火)、ロジャースは毎週出演している『The Pat McAfee Show(ザ・パット・マカフィ・ショー)』で「俺たちはこの状況を以前にも経験している」と語った。

「“俺たち”というのは俺とこれまで一緒にプレーしてきた仲間のことだ。2014年のシーズン第4週に入る前、一部で話題になった“R-E-L-A-X”の発言があったが、それがきっかけで状況を立て直した。でも、みんなが忘れているのは、2016年の4勝6敗の時だ。あの時はしばらく不振が続いて、テネシー・タイタンズの本拠地では大敗を喫した。でもその後に8連勝してNFC(ナショナル・フットボール・カンファレンス)チャンピオンシップゲームに進んだ。最終的にはアトランタ・ファルコンズに負けたけど、本当に楽しい戦いだった」

「俺たちは勢いに乗り始めて、自分たちを信じるようになった。信じる力は雪玉が雪崩を引き起こすようなものだ。そういうことがいま必要で、そのきっかけは俺が作る」

しかしながら、今のところ雪だるま式に勢いを増しているのは、収拾がつかないジェッツのシーズンだろう。

ロンドンでミネソタ・バイキングスに23対17で敗れた試合は、現在続く連敗の中で2敗目となり、この直後にオーナーのウッディ・ジョンソンはヘッドコーチ(HC)ロバート・サラーを解雇している。才能あるロースターを活かすため、暫定的に守備コーディネーター(DC)ジェフ・ウルブリックが指揮を執ることになった。

その次の試合でジェッツはディビジョンライバルのバッファロー・ビルズに23対20で敗れた。そして、サンデーナイトフットボールでピッツバーグ・スティーラーズと対戦するシーズン第7週を前に、ジェッツはワイドレシーバー(WR)デバンテ・アダムスをトレードで獲得。ロジャースは過去にチームをともに立て直した元チームメイトと再びタッグを組むことになった。

ただ、ジェッツでの大きな変化はアダムスの加入だけで、そのアダムスもデビュー戦では3回のキャッチで30ヤード獲得にとどまり、後半ではスタッツシートに何も貢献できなかった。以前の3敗は合計10点差以内での接戦だったが、この試合ではスティーラーズに37対15で完敗し、さらに31点を連続で奪われる結果となった。

アキレス腱断裂からの復帰後、ロジャースはリズムをつかむのに苦しんでおり、直近3試合で6つのインターセプトを記録している。これで今季のインターセプト数は7つとなり、キャリア最高の13回の半分を超えた。

これらのターンオーバーやその他のミスに伴い、ロジャースは時折チームメイトのプレーや自身に対して不満を露わにする場面も見られたが、今後は「自由にプレーする」姿勢をチームに浸透させていくことを約束している。

「みんなリラックスしているように感じるし、練習も良い感じだと思う。ただ、試合当日になると、なぜか緊張してしまう。俺は率先してそれを変えていくつもりだ」とロジャースは話している。

「平日と同じエネルギーを試合の日にも維持して、そのエネルギーでチームを引っ張っていく必要がある。いい感じにリーダーシップを発揮できた瞬間はあったが、俺はもっと良いリーダーにならないといけない。みんながミスを恐れずに自由にプレーできるように、できる限りのことをしていきたい。何か悪いことが起きた時、俺を含めて、どう対応するか。それをもっと上手くできるようにしなければならないし、今週はそれをチームに伝わるようにする」

ジェッツが挽回する次のチャンスは、シーズン第3週に24対3の圧倒的なスコアで最後に勝利を挙げた相手、ニューイングランド・ペイトリオッツとの試合で訪れる。前回の対戦では、オフェンスが今シーズン最多の400ヤードを記録し、ロジャースもシーズン最高のパサーレーティング118.9をマーク。これにより、チームがAFC(アメリカン・フットボール・カンファレンス)のプレーオフ戦線で脅威になるとの期待を抱かせた。

ところが、その後の1カ月でジェッツは完全に勢いを失った。シーズンを立て直すためには、再びペイトリオッツに勝利し、その勢いでさらに勝利を重ねる必要がある。

「この状況に俺たちがどう対応するかは見ものだ」とロジャースはコメントしている。

「確かに今、俺たちは窮地に立たされている。ここ4試合は厳しい戦いが続いた。サーズデイナイトの勝利で盛り上がっていたところだったのに。日曜日のペイトリオッツ戦を皮切りに、しっかりと軌道修正しなければならない」

ジェッツとペイトリオッツの試合は日本時間28日(月)午前2時に始まる。

【R】