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チーフスがタイタンズWRホプキンスをトレードで獲得へ

2024年10月24日(木) 09:19


テネシー・タイタンズのディアンドレ・ホプキンス【AP Photo/George Walker IV】

現地23日(水)、カンザスシティ・チーフスが盛んになっているワイドレシーバー(WR)のトレードに乗り出し、大きな話題を呼ぶ動きに出た。

『NFL Network(NFLネットワーク)』のイアン・ラポポートが状況を知る人物の話をもとに報じたところによると、チーフスがテネシー・タイタンズとのトレードに合意し、スターWRディアンドレ・ホプキンスを獲得することになったという。

この取引には、条件次第で4巡目指名権に変わる可能性があるドラフト5巡目指名権が含まれている上に、タイタンズはホプキンスの残りの報酬の約半分を負担する見込みだとラポポートはつけ加えた。

第一報を伝えたのは『ESPN』だ。

NFLネットワークのトム・ペリセロが情報筋の話をもとに報じたところによれば、タイタンズが受け取る予定の2025年ドラフト5巡目指名権は、チーフスが第59回スーパーボウルに出場し、ホプキンスがチーフスの一員として60%のスナップに参加した場合、4巡目指名権になるとのこと。また、取引をまとめるために、タイタンズはホプキンスに250万ドル(約3億8,195万円)を支払う見込みだという。

ホプキンスはチーフスのWR陣にある穴を埋める上で、常に最も論理的なトレード候補となっていた。ビッグプレーを生み出せるホプキンスはケガから復帰した直後ということもあり、シーズン序盤こそスロースタートだったが、まだ十分な力があり、1対1のマッチアップでも勝てることを証明している。ホプキンスが持つ、厳しいマークを受けていてもボールをしっかりキャッチする能力は、年を重ねても衰えていない。

チーフスはホプキンスがアリゾナ・カーディナルスから放出された後、2023年に契約を結ぶ候補チームの1つとなっていたが、タイタンズがより良い条件を提示した。しかし、チーフスは今度こそ求めていた選手を手に入れる。

5度のプロボウル選出を誇るホプキンスの獲得は、3年連続のスーパーボウル制覇を目指す6勝0敗のチーフスにとって大きな動きだ。チーフスはオフシーズンにWR陣を立て直す計画に失敗している。マーキス・ブラウンはシーズン開幕前に負傷し、ラシー・ライスはシーズン第4週に膝を負傷。さらに、先週にはジュジュ・スミス・シュスターがハムストリングのケガで戦線離脱した。

そうした負傷により、チーフスのWR陣は壊滅的な状態となり、俊足を誇る新人のゼイビア・ワーシーをはじめとし、ジャスティン・ワトソンやメコール・ハードマン、スカイ・ムーアに頼らざるを得なくなっている。シーズン第7週に勝利したサンフランシスコ・49ers戦では、バックアップタイトエンド(TE)ノア・グレイがチームトップの成績(キャッチ4回、66ヤード)を残した。

そこでホプキンスの登場だ。

今シーズン、32歳のホプキンスは6試合に出場してキャッチ15回、173ヤード、タッチダウン1回を記録。ホプキンスはタイタンズの中で、レシーブヤードでカルビン・リドリー(183ヤード)に次ぐ2位につけている。タイタンズには今季、200ヤード以上を稼いでいるパスキャッチャーが1人もいない。ちなみに、49ersの3番手WRジャワン・ジェニングスは1試合だけで175ヤードを記録しており、ホプキンスのシーズン通算成績を上回っている。ヘッドコーチ(HC)ブライアン・キャラハンがクオーターバック(QB)ウィル・レビスとメイソン・ルドルフを司令塔に据えて迎えた最初のシーズンにおいて、タイタンズは単純にパス攻撃をうまく機能させられていない。そのため、ホプキンスは契約最終年に余剰の存在となってしまった。

タイタンズはリドリーやタイラー・ボイドを先発メンバーとして起用することになるだろう。

『Over The Cap(オーバー・ザ・キャップ)』によると、チーフスはキャップスペースで下位25%に位置しているとのこと。そのため、チーフスにとってはタイタンズがホプキンスの報酬の一部を負担する意向を示したことが、取引の後押しとなったようだ。

チーフスはオフェンスがドライブを継続して得点を重ねることができていないにもかかわらず、6勝0敗でスタートを切っている。今のところ、QBパトリック・マホームズが300ヤード超えを達成した試合は1試合のみだ。2試合を欠場したにもかかわらず、ライスは依然としてチーフスのレシーブヤードでトップにつけている。

アウトサイドの脅威が不足していることから、相手チームはスタータイトエンド(TE)トラビス・ケルシーを抑え込むことができ、マホームズはシーズンの大半で頼みの綱を奪われている。ワーシーはその燃えるようなスピードで瞬間的な活躍を見せているが、新人として自分のスタイルを模索している最中だ。チーフスはこの2年間、WR陣を寄せ集めで構築し、マホームズとケルシーの魔法のような力に頼って不足分を補ってきた。しかしながら、今年はケガが相次いだことによって、フロントオフィスが動かざるを得なくなっている。

そして、チーフスは水曜日に非常に大きな動きに出た。

ホプキンスの加入により、マホームズはアウトサイドで勝負できる、頼れるターゲットを手に入れ、他のメンバーはより自分に適した役割に配置されることになる。ホプキンスがいれば、ワーシーはフィールドを広げ、ケルシーは中央を攻めることができるようになるだろう。

NFLで唯一の無敗チームとなっているチーフスが、スーパーボウル3連覇を目指す中でさらに強化された。

【RA】