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フィラデルフィアでの対戦を前にジャガーズHCペダーソンがイーグルスHCシリアニにアドバイス

2024年11月01日(金) 13:30


ジャクソンビル・ジャガーズのヘッドコーチ(HC)ダグ・ペダーソン【AP Photo/Gary McCullough】

フィラデルフィア・イーグルスのヘッドコーチ(HC)を経験した者の中で、栄光と苦悩の両方を知る人物といえば、ダグ・ペダーソン以外にいないだろう。

ペダーソンHCはイーグルスをスーパーボウル制覇に導いた一方で、地元ラジオで自らのフラストレーションを吐露するほどの苦しい時期も経験し、最終的にチームを去っている。

今週末、ペダーソンHCはジャクソンビル・ジャガーズ(2勝6敗)の指揮官として古巣フィラデルフィアに戻り、リンカーン・フィナンシャル・フィールドでイーグルス(5勝2敗)と対戦する。スタジアムの外には、ペダーソンHCと第52回スーパーボウルのMVPであるクオーターバック(QB)ニック・フォールズの像が建っている。“兄弟愛の街”の異名を持つフィラデルフィアに戻ることを楽しみにしているペダーソンHCは、2021年に自身の後任となったニック・シリアニHCに当時、手を差し伸べるべきだと考えていた。

実際、ペダーソンHCは非公式ながらシリアニHCへの引き継ぎに参加し、イーグルスの内部情報を伝えていた。

「厳しいビジネスだ」とペダーソンHCは『Philadelphia Inquirer(フィラデルフィア・インクワイアラー)』に話している。

「ただ、一つのリソースとして、頼れる存在として役に立ちたかったんだ。イーグルスでヘッドコーチを5年間務め、その前は長い間アシスタントコーチもしていた。だから、彼が何か質問したいことがあれば、いつでも聞いてくれればいいと思っていたよ。リスペクトの問題だ。NFLでヘッドコーチを務めるのはそれだけでも大変なことだから、初めてヘッドコーチに就任した彼にアドバイスできることがあれば、伝えたかった」

シリアニHCもまた、イーグルスでの3年半でさまざまな浮き沈みを経験している。チームを急速に立て直し、第57回スーパーボウル出場を果たしたが、ペダーソンHCと違い、ロンバルディトロフィーを手にすることは叶わなかった。続く2023年シーズンの終盤にはチームが不振に陥り、フィラデルフィアの容赦ない視線に晒されることとなった。

そのプレッシャーの厳しさをよく理解している。チームを去った時と同じように、今週もペダーソンHCはシリアニHCにアドバイスを送った。

「外から見ている限りでは、彼はよくやっていると思う」とペダーソンは述べている。

「私からのアドバイスは、毎日、前を向いてひたすら進み続けることだ。顔を上げずに前進し、自分の仕事に集中して、次の試合にチームをしっかりと準備させること。それ以上のことはヘッドコーチとしてコントロールできない」

「それは私自身へのアドバイスでもあり、彼へのアドバイスでもある。ひたすら自分の仕事を続けるしかない。自分の能力や取り組み、教えていること、チームの準備の仕方に自信を持って、それを貫くことが大事だ。彼はそれをよくやっていると思う」

シリアニHCは昨年、特にファンとの関係において多くの教訓を得たようだ。アウェイでカンザスシティ・チーフスを破った後、感情を露わにした行動が、シーズン終盤の大失態によって批判を招く結果となった。また、今月初めには、勝利した試合後にベンチ裏の批判的なファンに言い返す一幕もあった。

それ以来、イーグルスは連勝で勢いを取り戻し、自信を増しているが、現地3日(日)に行われるジャガーズ戦で再び試されることになる。一方で、ペダーソンHCが自身の像を訪れる予定はなさそうだ。

「スタジアムの反対側にあるから行かないさ。それとも、私もテールゲートに参加して、ファンにあいさつしてこいって?」とペダーソンHCは冗談交じりに話している。

ペダーソンHCはフィラデルフィアという街の特性を嫌というほどわかっている。シーズン第9週の対戦では、ビジネスに徹する心構えで臨むつもりだ。

【R】